第二百六十七話 鳴り響くケータイ
「はい、もしもし?」
俺は鳴り響いたケータイを慌てて取り出し電話に出る。
慌てて出た為に誰からかかってきたのか分からないまま出てしまったけどいったい誰だろう?
最近はアリィのお父さんからしょっちゅうかかってくる事も無くなってたし心当たりがない。
「もしもし! ハル君か!?」
電話から聞こえてきたのはロイのお父さん、つまりはアースハイトの国王だった。
いつもは電話の時に落ち着いているのに今日はどうやら慌てている様子だ。普段からケータイは俺が持っているから出るのは俺って分かっているはずなのに。……いや、一時期はアリィのお父さんからの電話が多かったからアリィに渡していた時期もあるけど。
でも、この慌てよう何かあったのか?
「そうです。お久しぶりです。なかなか、電話せずにすいません」
「いや、それはいい。そっちも忙しいだろうからな。それよりハル君! 今すぐアースハイトに来てくれ! ドラゴンが現れた!!」
「えっ!?」
俺が耳にした言葉はとても信じられないものだった。ドラゴン……まさかそんな……。
「しかも、一対どころじゃない! 頼む! すぐに来てくれ!」
「分かりました! すぐに向かいます!」
「すまない」
俺とロイのお父さんさんはそう言葉を交わすと電話を切った。
「……ハル、何があった?」
ロイが険しい表情で俺を見てくる。
電話でのやりとりで何か嫌な予感がしたんだろう。
「落ち着いて聞いてくれ。アースハイトにドラゴンが出現したみたいだ」




