第二百六十二話 ダンジョン挑戦 パート2 その41
「じゃあ宝箱を開けるぞ!」
俺はなんとか話の収拾を付け、石像が守っていた宝箱の中身を確認しようとみんなに言って宝箱の前まできた。
ノームの探知によるとこの中身はオリハルコンだと思われるけど確認してみるまでは分からない。
……これで罠とかだったら笑えないな。
俺はみんなの視線を感じながら、宝箱に手をかけ開けた。
「これは……?」
「これがオリハルコン……?」
みんなが口々に呟く。
宝箱の中身はなんとも形容し難い金属らしきインゴットが入っていた。
「そうじゃ。まさしくそれがオリハルコンじゃ」
「こらノーム! 勝手に出てきたらびっくりするって!」
突如現れたノームにラートが文句を言う。
精霊に文句を言うって……しかも、タメ口だし。俺らには言葉遣いをそれなりに気を使ってるのに精霊に使わないって……やっぱりラートはちょっとズレてるのだろうか?
「なんとも言えない存在感がありますね」
「あぁ」
「これをロイ君が使うのね?」
「本当に俺が使っていいのだろうか」
みんな神妙な面持ちでオリハルコンを眺めている。
その中で一人違う人がいるけど。
「これが……あぁ研究したいっ!」
一人の研究心に火を付けてしまったようだ。
まぁ魔方陣にオリハルコンってきたら研究者ならみんな興味を持つか。
「ん?」
みんなの様子を見ながら辺りを見回すとさっきと違う場所に魔方陣が浮かんできた。




