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第二百四十四話 ダンジョン挑戦 パート2 その33

 「あれは……」


 厄介なものを。

 まさか魔法障壁まで使えるとは。

 生半可な攻撃じゃあいつを倒せないって事か。

 かたやスピードと魔力吸収、かたや魔法と魔法障壁……さて、どうする?


 「とにかく、魔法が厄介だ。なんとかあいつを倒さないと後ろのメンバーを狙われてしまう。あいつの魔法の威力が分からない以上危険だ」

 「確かにな。ならロイ、おまえと俺で剣を持った方を相手するか。ハルなら魔法の選択肢が多いだろう」

 「まさかウィルと組むとはな。まぁでもそれが一番良さそうだ。……ハル、頼めるか?」

 「あぁ、分かった!」


 今までになく、ウィルとロイが分かり合っている。そして俺に頼んできているとなるとこれは絶対失敗できないな。


 「みんなは安全を確保しながら援護を頼む!」


 向こうの力が分からない以上、相手をこっちに近づける訳にはいかない。

 俺とロイとウィル以外は接近戦には弱いだろうし。


 「分かったわ!」

 「分かりました!」

 「分かってるわよ!」

 「任されたわ!」

 「了解です!」

 「了解ッス!」


 みんなは口々に返事して構えた。

 

 「じゃあこっちから行かせてもらうぞ!」


 みんなの返事のが合図となって、俺とロイとウィルはその場を飛び出した。

 最初に石像に肉薄したのはウィルだ。

 ウィルはそのスピードの勢いのまま横から斬撃を出すが剣を持った石像はそれを受け止める。


 「俺を忘れるなよ!」


 ウィルが石像と剣を交えた瞬間、ウィルの背後からロイが飛び掛かり上から斬撃を繰り出す。

 しかし、その瞬間に石像はウィルの剣を弾くのと同時に後ろへ飛んだ。


 「ちっ、すばしっこいやつだ」


 地面に着地したロイが呟く。

 すると杖を持った石像がロイの方へ杖を向けた。


 「おまえの相手は俺だ!!」


 俺は杖を持った石像に向かって岩砲弾(ストーン・バレット)を放つ。

 岩砲弾(ストーン・バレット)は魔法障壁に阻まれるものの、ヒビを入れ杖を持った石像は動きを止めこちらを見据えた。

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