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第二百五十一話 ダンジョン挑戦 パート2 その30

 「うぉっ!?」

 「凄いわ!」


 俺が魔方陣に魔力を流し込んだ瞬間、魔方陣の輝きが強くなり俺たちを包む。

 珍しくロイが驚きの声をあげたが無理もない。

 だって、光が強くなりさっきまで見えていた壁が見えないからだ。

 まぁそれでもロイにひと泡吹かせたのはさっきの俺に対しての報いだと思うと少しやった感がある。

 ……まぁ俺が何かした訳じゃないけど。


 とにかく光の中に俺たちだけがいるというなんとも幻想的な光景だ。

 なんとも言えない光景だからかみんなも驚きと少し不安の入り混じった表情をしている。

 それにしても、魔力操作できないと魔方陣を起動させられないと言う事は遠い過去に誰かが仕掛けたものなのだろうか?

 この辺はまた落ち着いたら調べてみたい気がするな。俺の親の事も何か分かるかもしれないし。


 「どうやら着いたみたいだな」


 俺がいろいろ考えていると、段々と光が弱くなり視界が開けてきた。

 さっきまではすぐ近くに壁があったけど、開けてきている視界には壁は近くになさそうだ。

 やっぱりどこかに転送されたのだろう。

 そして、魔方陣の光は収まり視界が晴れる。


 「これは……」


 俺たちの目の前に現れたのは四方が壁に囲まれた大きな部屋だった。

 そして、俺たちの前方、奥の方に宝箱だと思われるものとその両側に人型をした石像がある。

 一つは剣を持ち一つは杖を持っていて胸のところに何か宝石のようなものがハマっている。


 「ハル君!! 魔方陣が!?」


 シャーリーの声で俺たちの下にあった魔方陣を見ると魔方陣が光を失いかけていて見ている間に消えた。


 「どういう事!? 一度きりだと言うの!?」


 魔方陣の光が消えビアンさんが慌てた様子で魔方陣を調べて始めた。


 「おい、ハル!!」

 

 次はロイが声を上げ、その声に反応して視線を魔方陣から外し顔を上げるとロイとウィルが剣を構えていた。

 そして、その構える前方には胸の宝石のようなものと目を赤く光らした石像が動き出しそうと揺れていた。

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