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第二百四十八話 ダンジョン挑戦 パート2 その27

 「ビアンさん!?」


 俺はビアンさんが消えた壁へと走る。


 「いったい何が?」


 俺の後ろから走ってきたロイが壁を見て呟く。

 そして、その後ろからみんなも走ってきた。

 ビアンさんは壁を叩いてて消えた……って事はこの壁には何かあるはず。

 俺は右手を壁を調べる為に近づける。


 「ハル君!?」

 

 後ろで聞こえるシャーリーの声をよそに俺は右手で壁を触る。


 「これは……!?」

 

 ウィルが驚きの声を上げる。

 そう、俺の手は壁に飲み込まれ手首から先が消えた。飲み込まれたって言ったら表現が悪いかもしれない。右手自体は何の違和感もなく、手を握ったり出来ている感触がある。

 これは……。


 「ハル君やめて!!」

 「大丈夫だよ」


 俺が思うにおそらく……。

 心配してくれているシャーリーに声をかけ俺は壁へと足を踏み入れる。

 


 「ハル君!!」


 後ろからシャーリーの声が聞こえるのを振り切って俺は体を壁へと入れていく。


 「これは……!?」


 俺が壁を越えた先、そこには青い光を放つ魔方陣のようなものが地面に描かれている部屋だった。

 そして、その魔方陣の前ではビアンさんが両手を着いて魔方陣を見入っている。


 「すごい……すごいわこれは!!」


 ビアンさんは魔方陣を見て感嘆の声を上げている。

 あの魔方陣の模様は……。

 それより先にみんなを連れてきた方がいいか。

 この部屋は危険もなさそうだし。

 ビアンさんもあの調子だとすぐに動いたりしないだろう。

 俺は魔方陣に見入っているビアンさんをそのままに壁を抜けみんなの元に戻った。


 「ハル君大丈夫!?」


 壁を抜けるなりすぐにシャーリーが抱きついてきた。こんなに心配してもらえて俺は幸せだな。


 「大丈夫だよ、心配かけてゴメンね」

 「良かった……でも、危ない事しないでよ? ハル君に何かあったら私……」


 シャーリーは目に涙を浮かべながら上目遣いで言ってくる。

 やばい……めっちゃ可愛い。ってそれじゃない。心配かけてしまったの反省しないと。これからはちゃんと心配かけないようにしないとな。


 「ゴメン。気をつけるよ」

 「……本当だよ?」

 「うん」

 「えーっと、お取込み中悪いけど壁の向こうはどうなっていたのかな?」


 アリィの声に俺とシャーリーはハッとなって我に戻った。

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