第二百四十五話 ダンジョン挑戦 パート2 その24
「オリハルコン!?」
「はい、そうです」
まさかこのあたりにオリハルコンがあるのか!?
まだこんな浅い階なのに……。
って言うか精霊ってそんな事も分かるのか!?
「精霊ってそんな事も分かるのか?」
俺が聞くより先にウィルが口を挟む。
「精霊が……って言うより私だからでしょうな。土の精霊ですので鉱石類は感知できますので……まぁある程度の範囲ですがな」
そうなのか。でも、その能力ってある意味反則だよな。そんなん使われたら他の冒険者からクレーム来るだろうに。
……あっ、そもそも精霊と契約なんての出来る人普通はいないよな。
「ハル様が仰ったあたりに一つ、それと下の方の階にも……オリハルコンだけじゃなくて、他にもいろんなものがありますな」
「えっ? それってどういう事?」
「わたしにも分かりません。ただ、鉱石としてだけじゃなくて下の方の階には加工されていそうなものもありますな。……もしかしたら、遠い昔の物を誰かがここに残したのか、それともなんらかの理由でここにあるのかもしれません」
なんてこった。ダンジョンって自然に出来た訳じゃなくてなんらかの理由で出来たのかもしれないって事か。
それに、いくつあるって事はルイーズさんはたまたまどこかでオリハルコンを入手したって事なのか。
「アーティファクトか」
唐突にロイが言葉を放つ。
アーティファクト?
「おい、ロイどういう事だ?」
「ダンジョンでは時々、古代の遺産かとてつもない物が発見される事があるらしい。それをアーティファクトと呼んでいる。魔法宝具も一種のアーティファクトだが、より珍しい物をアーティファクトと呼んでいるらしい。アースハイトにも一つある。まぁラース教皇国にも一つあるらしいがな」
そうなのか。ダンジョンっていったいなんなんだろうか? そんな物があるなんて……古代文明の遺産だったりするのだろうか?
でも、そんは物が残っているのか……。
「そんな物が……アーティファクトってどんなんなんだ?」
「まぁその辺の詳しい話はまた今度だな。それよりどうする?」
まぁ確かに今は時間がおしい。
この階より下にもあるみたいだけど、時間を考えるとこの階で取った方がいいだろう。
「この階でオリハルコンを入手して帰る。そうしたいと思うけどどう?」
俺はみんなを見渡す。
みんなは無言で頷いてくれた。
ビアンさんも異論ないみたいだ。
「よし、じゃあ行こう!」
俺たちの次の行動はこの階を散策して違和感を感じた空間へ行く事になった。




