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間話 巫女の苦悩

 「ハル、やっぱりお前のやる事は常識外れだな」

 「何言ってんだ!! そのおかけでスケルトン達を殲滅できたんだからいいだろ!?」

 「まぁあの光の矢は効果絶大だったわね!」

 「うん! それにハル君の魔法綺麗だったよね」

 「確かに! それを言えばルルちゃんの魔法も綺麗だったわね」

 「そだね! なんだか温かい光だったし! 凄いよね!」

 「いえいえ! そんな事ないですよ!」


 皆さんと一緒に行動するようになってから、私は一人違う世界からやってきたような感じていました。

 私は巫女。

 自分は意識してなくても周りの人は私を『巫女』として見て普通に接してくれる事はありませんでした。

 しかし、皆さんと一緒に行動するようになって、最初はきっと皆さんもそう接してくるんだろうなと思っていましたが、そんな事はなく、皆さん一人の『ルルという個人』として接してくれます。


 「ルル、初めての戦闘大丈夫だったか?」

 「あっ、はい! 思ったより大丈夫でした!」


 そして、ウィル……君。

 なぜか彼と接している時、私は緊張してしまいます。

 最初はそんな事なかったのに……。

 なぜこうなったのか……いえ、分かっています。

 私はきっと彼の真っ直ぐな性格と綺麗な心に惹かれているんだと思います。

 私はオーラが見えるので、ウィル君がどれだけ綺麗な心の持ち主か分かります。

 それにウィル君は確固たる自分の意思、信念の元に行動しているので、とてもかっこいいです。

 でも、私は巫女。

 その役目があるので、恋仲になるなんて望んではいけません。


 「どうした? やっぱり疲れたのか?」

 「いっ、いえ! 大丈夫です!」


 ウィル君そんな顔を覗き込まないでください!

 顔が近くて恥ずかしいです!


 「そうか。ならいいが……疲れたなら正直に言えよ? 先は長いんだから」

 「ありがとうございます!」


 やっぱりウィル君は優しいです。

 こんなに心が綺麗で優しい人と一緒になれる人は幸せだと思います。

 願わくば私がそうなりたいですが……いえ、世界の為、巫女としての役目を果たさなくてはなりません。


 「ウィルく〜ん!!」

 「な、なんだ!?」

 「聞いて聞いて! ハル君ったらーー」


 ……でも、ウィル君がビアンと仲良さそうにしていると私の心はかき乱されます。

 巫女だから心を平常に保たなければならいけないと分かっているのですが……。


 「ちょっと待てビアン! ……ルル本当に大丈夫か? 目が座っている気がするぞ?」


 それは……。


 「大丈夫です。ウィル君は優しいですね」

 「ねぇねぇ、ウィル君!」

 「分かったから待て!」


 ……私の苦悩は尽きません。


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