表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/494

第二十四話 衝撃の事実

 「……邪魔だったか?」


 部屋に入ってきたのはロイだった。

 なんでロイがこんなところに?

 何故かロイの周りには何人かの付き人がいる。


 「え、あっ、全然大丈夫です!」


 シャーリーは慌てて答える。

 それにしてもなんて間の悪い。

 というかロイならあえて入ってきた可能性もある。


 「おい、ロイ! おまえなんでこんなところにいるんだよ!」

 「おい! おまえ! なんて口を聞くんだ!」


 俺は何故か付き人らしい人に怒られてしまった。

 何が何だか分からない。


 「良い。気にするな。ハルは俺の友達だ」

 「し、しかし……」

 「それにハルは我が国の危機を救ってくれたのだぞ? むしろ敬意を払うべきなのではないか?」

 「……わかりました。申し訳ありません」


 そういうと付き人は不服そうながらもロイの言う事を聞き、ドア付近まで下がった。

 それにしてもなんでロイの言う事を聞くんだ?


 「ハル……いずれ、言わなければいけないと思っていたが黙っててすまない。実は俺はこの国、アースハイト王国の第二王子なのだ」


 ……はい?

 ロイが王子?

 ありえないありえない!

 これはキット俺がじぃちゃんとばぁちゃんが亡くなってショックを受けているからドッキリか何かで励まそうとしてくれているんだな!


 「ロイ……確かにじぃちゃんとばぁちゃんの事はショックだったけどもう大丈夫だから嘘はつかなくてイイぞ?」

 「ん? ……あぁ、信じられないって事か。まぁ仕方ないか」


 ロイはいつもと口調も少し違って俺は笑いそうだった。

 いくらドラゴンを倒したからってここまで大きなドッキリで励ましてくれなくても。


 「おまえ! 王子に向かって失礼な! ここにおられるのは正真正銘アースハイト王国第二王子ロディーン=アレン=アースハイト様でおられるぞ!」


 先程の付き人らしき人がまた俺に怒鳴る。

 実に素晴らしい迫真の演技だ。

 さっきといいなかなかの役者だな。

 きっと有名な劇団員に違いない。

 俺はシャーリーの方を向いた。


 「シャーリーも。もう大丈夫だから演技やめてイイよ?」

 「えっ、あっ、いや、その〜……本当です」


 そうそう……本当。

 最初から本当って言ってくれたらイイのに。

 ……?

 本当?

 えぇー!!!!!

 シャーリーの顔を見る。

 真面目な顔だ。

 シャーリーがこんな真面目な顔で嘘をつかないだろう。

 ……本当なのか?


 「なぁ、ロイ? これはドッキリか? それともまだ俺は夢の中か?」

 「残念ながらどちらでもない。現実だ」


 俺はまた今までと違う意味でのショックを受けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ