第二十四話 衝撃の事実
「……邪魔だったか?」
部屋に入ってきたのはロイだった。
なんでロイがこんなところに?
何故かロイの周りには何人かの付き人がいる。
「え、あっ、全然大丈夫です!」
シャーリーは慌てて答える。
それにしてもなんて間の悪い。
というかロイならあえて入ってきた可能性もある。
「おい、ロイ! おまえなんでこんなところにいるんだよ!」
「おい! おまえ! なんて口を聞くんだ!」
俺は何故か付き人らしい人に怒られてしまった。
何が何だか分からない。
「良い。気にするな。ハルは俺の友達だ」
「し、しかし……」
「それにハルは我が国の危機を救ってくれたのだぞ? むしろ敬意を払うべきなのではないか?」
「……わかりました。申し訳ありません」
そういうと付き人は不服そうながらもロイの言う事を聞き、ドア付近まで下がった。
それにしてもなんでロイの言う事を聞くんだ?
「ハル……いずれ、言わなければいけないと思っていたが黙っててすまない。実は俺はこの国、アースハイト王国の第二王子なのだ」
……はい?
ロイが王子?
ありえないありえない!
これはキット俺がじぃちゃんとばぁちゃんが亡くなってショックを受けているからドッキリか何かで励まそうとしてくれているんだな!
「ロイ……確かにじぃちゃんとばぁちゃんの事はショックだったけどもう大丈夫だから嘘はつかなくてイイぞ?」
「ん? ……あぁ、信じられないって事か。まぁ仕方ないか」
ロイはいつもと口調も少し違って俺は笑いそうだった。
いくらドラゴンを倒したからってここまで大きなドッキリで励ましてくれなくても。
「おまえ! 王子に向かって失礼な! ここにおられるのは正真正銘アースハイト王国第二王子ロディーン=アレン=アースハイト様でおられるぞ!」
先程の付き人らしき人がまた俺に怒鳴る。
実に素晴らしい迫真の演技だ。
さっきといいなかなかの役者だな。
きっと有名な劇団員に違いない。
俺はシャーリーの方を向いた。
「シャーリーも。もう大丈夫だから演技やめてイイよ?」
「えっ、あっ、いや、その〜……本当です」
そうそう……本当。
最初から本当って言ってくれたらイイのに。
……?
本当?
えぇー!!!!!
シャーリーの顔を見る。
真面目な顔だ。
シャーリーがこんな真面目な顔で嘘をつかないだろう。
……本当なのか?
「なぁ、ロイ? これはドッキリか? それともまだ俺は夢の中か?」
「残念ながらどちらでもない。現実だ」
俺はまた今までと違う意味でのショックを受けた。




