第二百四十話 ダンジョン挑戦 パート2 その19
「さっきまでと打って変わって静かだな」
「そうだな。やっぱりあのスケルトン達がこの辺りを縄張りにしてたのかな?」
「まぁあり得るだろうな。あの数だからな」
三階のスケルトン達を倒した後、ビアンさんの地図の通りに進むと何にも出会う事なく四階への階段を見つけた。
そして、四階へ降りた俺たちだったけど拍子抜けするくらい魔物が出なかった。
まぁ、多少の蜘蛛や蟻の魔物はいたけど、大軍で出たり強敵に出会う事はなかった。
そう考えるとやはりあのスケルトン達がこの階層付近の魔物ピラミッドの頂点に立っていたのかもしれない。
「ソニンちゃんも無詠唱出来るなんて凄いよね!」
「いや、あっ、その〜……ラートこそ詠唱省略できるなんて凄いですわ!」
後ろでは若干気の抜けた会話をしているソニンとラートがいる。
それにしても、ソニンがウィル以外の男を褒めるなんて珍しい。
「そうなんですか。ウィルさ……君も苦労されたんですね」
「いや、それほどでもない。俺はレドニンに全てを押し付けて自由にやらせて貰ってからな」
さらにウルルはなんとも初々しくウィルに話しかけている。
「ビアンさんっていろいろ研究されてるですね?」
「そうよ! これでも研究者だからね!」
「でも、ハル君に手出したらダメですよ?」
「は、はい!」
ビアンさんはさっきまでと打って変わってシャーリーの前では勢いをなくしていた。
そんな二人を隣でアリィは生暖かい目で見守っている。
なんだか、ダンジョンで危機感なさすぎな気が……。
「ハル、みんな少し注意力がなくなってるしさっきの戦闘で疲れもあるだろうから今日はここで野営するか?」
「……そうだな。それがいいかも」
これから先に魔物が少ない場所があるとも限らないしここらで休息していくがいいかもしれない。
そして、俺とロイはみんなに野営の提案をし、その結果みんな同意してくれたので、野営の準備に取り掛かった。




