第二百三十六話 ダンジョン挑戦 パート2 その15
スケルトンリーダーは俺に目を向けると同時に再度突進してきた。
俺は先ほどの動きを見ていたので今回は遅れをとる事なく対応する。
そして、俺とスケルトンリーダーの剣が交錯し辺りに金属音が鳴り響く。
「ハル君危ない!!」
突如としてシャーリーの声が響き水虎が俺の側に来て飛んで来た矢を迎撃する。
くそっ! スケルトンリーダーのやつ、一対一の戦いよりも勝つ事を重視して周りのスケルトン達に指示を出しているのか!
「ありがとう、シャーリー!」
俺の言葉にシャーリーは頷いてまた周りのスケルトン達や自分達に飛んでくる矢に水虎を向かわせる。
スケルトンリーダーめ、そっちがその気ならこっちも……。
「ウィル! 一旦下がれ!」
「むっ」
俺の指示にウィルは何かを感じ素直にシャーリー達の元へ下がる。
そして、その瞬間に俺はスケルトンリーダーを押し、払いのけスケルトン達の集団へと手をかざし無詠唱で魔法を放つ。
「……すごい」
「あんなの反則よ!」
「ハル先輩凄いっす!」
俺は咄嗟の思いつきで今この場で魔法を考え放った。
相手が弓矢で遠距離攻撃をしてくるならこっちもだ。やられっぱなしになってたまるか!
俺は光の矢のイメージでスケルトン達に向かって魔法を放ったのだ。
光魔法の矢は流星のようにスケルトン達に降り注ぐ。しかも、光魔法なのでアンデットの魔物であるスケルトンには有効だった。
スケルトン達は降り注ぐ光の矢の前に倒れていった。
そして、その様子を見ていたスケルトンリーダーは腹ただしげな様子で俺を見ている。
おそらく、自分の思い通りにいかず逆に仲間をやられたのに苛立っているのだろう。
「さぁ、邪魔はなしだ! 一体一で決着をつけるぞ!」




