第二百三十四話 ダンジョン挑戦 パート2 その13
「きゃっ!?」
「ソニン!?」
ソニンの方へ飛んで行ったのはよく見ると短剣のようなものっぽい。
予想外の展開に俺の行動は遅れ対応出来なかった。
しかし、まだソニンの方にはウィルがいる。
きっとウィルが……。
「岩の盾!」
ウィルが動くより先にラートが土魔法でビアンさんと同じように岩の壁をソニンの前に放ち短剣を防ぐ。
そして、短剣は岩の壁に阻まれ壁の手前に落ちる。
「ソニンちゃん大丈夫っすか?」
「あ、ありがとう……」
ラートは憎めない笑顔で微笑みながらソニンに声をかける。
ソニンはその笑顔に何も言えず感謝の言葉を述べる。
……きっと俺がソニンちゃんとか言ったら怒るのに。
それにしてもラートの奴、今無詠唱とまではいかないけど詠唱省略したな。
精霊と契約してる影響だろうか?
「ちょ、ちょっとハル! 油断してるんじゃないわよ!」
あっ、俺が悪いって事になるんですね。
いいですよいいですよ……。
それにしてもあいつ……今までのスケルトンとは違うな。
もしかして、あいつがこのスケルトンの集団のリーダーだろうか?
なんか着ている鎧もどす黒いし何か邪悪な気配がする。
俺が小さい時に来た時からいたかもしれないと思うとゴルゾーラ教は関係ないと思うけど……。
「ハル! 油断するな! そいつは雰囲気が違うぞ!」
後ろからロイの声が届く。
ロイまで俺が油断してると思って……って違うか。
きっと俺の事を心配してくれているんだろう。
……そう思っておく。
「あぁ! 分かっている!!」
俺はロイに言葉を返すと現れたスケルトンのリーダーらしきものに向き直った。




