第二百三十一話 ダンジョン挑戦 パート2 その10
まず最初に動いたのは前方のスケルトンだった。
スケルトンは弓を引き矢を放つ。
それが合図となり、ロイは迫り来る矢を切り落としながらスケルトンに詰め寄る。
ロイが切り落とせなかった矢はアリィが発動させた水龍が叩き落とす。
「ロイ君気をつけて!」
アリィが叫ぶと同時に前方のスケルトンは標的をロイに切り替えロイ目掛けて矢を引き、その前にいる剣を構えたスケルトン達が立ちはだかる。
「甘い!」
ロイは立ちはだかるスケルトンを剣に魔力を纏わしまるで紙でも切るかのように次々と切り捨てて行く。
いつ見てもロイの太刀筋はきれいだ。
速く、そして鋭く放たれる斬撃はその斬撃の先にある物体が存在しないかのように一糸乱れる事がない。
悔しいけど、純粋な剣術で言えば俺はまだまだロイに及ばないな。
「ロイ君!!」
アリィが叫ぶ中、弓を引いていたスケルトンがロイに目掛けてまさに矢を放とうとしていた。
「ーーよ、我に力を! 岩の盾!」
その瞬間、ビアンさんが詠唱しロイの前の地面が盛り上がり岩の壁が出現する。
そして、スケルトンが放った矢はその岩の壁に当たり落ちる。
「天才魔法使いの力見たか!」
ビアンさんはスケルトンに向かって叫んでいる。
スケルトン達は理解しているとは思えないしビアンさんの自己満足だろうけどそっとしておこう。
でも、この感じだったらあっちも大丈夫そうだ。
「ハル! ぼけっとしてないでこっちも片付けるわよ!」
「はいよ」
いや、ただ見てただけじゃなくてちゃんと『岩砲弾』で攻撃してたんだけど。
矢はシャーリーの水虎、ソニンとラートの魔法で防いでくれてたし。
それに、向こうに危険がないかちゃんと見てたんだけど……。
そんな事を思ったけどソニンの言葉に返事して俺たちを狙うスケルトンを一気に殲滅すべく俺は剣に魔力を纏わせ詰め寄った。




