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第二十三話 決意

 俺は目を覚ますと周りを見渡した。

 すると、何やらどっかのお城みたいだった。

 煌びやかな装飾がある部屋。

 夢に出てきた部屋のようだ。

 そして、俺はどうやらベッドで横になっているみたいだ。

 俺はまだ夢を見ているのだろうか?

 すると、一人の女の子が目に入った。


 「ハル君! 良かった……目を覚ましたんだね」


 シャーリーだ。

 シャーリーは泣きながら俺が目を覚ました事を喜んでくれている。

 目の下には隈がある。

 まさか、徹夜で看病してくれてたんだろうか?

 俺は身体を起こす。

 そして、記憶を辿ってみた。

 俺の記憶はあのドラゴンを倒したところで途切れている。

 そうだ。

 ネックレスは?

 胸元を見るといつも通りネックレスがある。

 確かこれは『エターナル・ログ』とかいう……。


 ズキッ。


 頭が痛む。

 俺は頭の中で考えてみる。

 すると今までにない知識が俺の記憶にあった。


 「ハル君……? 大丈夫?」


 シャーリーは心配そうに俺を見ていた。


 「大丈夫! まだちょっと頭が痛むけど」


 俺はその後シャーリーと話した。

 どうやらシャーリーが意識を取り戻した時にはドラゴンは倒されていて、アースハイト王国の兵士が来て村人の救護にあたっていたらしい。

 生き残った村人が俺とドラゴンの戦いの一部始終をどこからか見ていて兵士に報告。

 さらにじぃちゃんとばぁちゃんが亡くなったという事もあって、意識を失っていた俺は国に保護されたらしい。

 そして、意識を取り戻したシャーリーもまた両親が亡くなっていたので一緒に保護されたとの事だ。

 ちなみにドラゴンの死体はアースハイト王国が回収。

 いろいろ調べているけど、なぜいきなり現れたか、そしてドラゴン自体も今までに出現した記録のないものでその一切が謎らしい。


 そして、俺はその後三日間眠り続けていたらしい。

 ドラゴンが言っていた『覚醒』の影響と『エターナル・ログ』の副作用か相当身体に負担がかかっていたみたいだ。

 俺はエターナル・ログで得た知識を探ってみた。

 覚醒とは古代人種が一種の興奮作用により脳のリミッターが解除された時に通常時より爆発的に能力が上がるらしい。

 ただ、これは意識的にする事は難しいのと覚醒後は著しく体力を消耗するみたいだ。

 まぁ、それにしてもあのドラゴンは半端なく強かった。

 今でも勝てたのが不思議なくらいだ。

 これもきっと父さんと母さんが俺に力を残してくれたおかげだろう。

 俺はこの強力な力を正しく使わないといけない。

 今まで俺を育ててくれたじぃちゃんとばぁちゃんの為にも。

 そう言えばシャーリーも……。


 「シャーリー……ゴメン。俺が訓練なんてしてたからお父さんとお母さんを助ける機会がなくなって……」

 「……ぅぅん。ハル君に魔法を教えてって言ったのは私だし、私がいても何も出来なかったと思う。正直ドラゴンを見た瞬間に怖くて身体が動けなくなった。それにお父さんもお母さんも私より強かったし私がいても逆に足手まといだったと思う」


 どうなんだろう?

 今となれば『もし』とか『あの時』とか言ってもどうしようもない。

 でも、お父さんとお母さんと最後に話す事も出来なかったのは……。


 「それに……私もあの場所にいたらきっと死んでいたと思う。それからドラゴンにも殺されかけたけどハル君が助けてくれた……。私の事、3回も助けてくれたなんてやっぱりハル君は私のヒーローだね?」


 シャーリーは俺に向かって微笑みかけてくれた。

 シャーリーも辛いだろうに、泣きたいだろうに……。

 俺に気を使ってくれている。

 なんて優しい子なんだろう。

 俺は決めた。

 必ずシャーリーを守る。

 変な下心抜きでだ。


 「そんな事ないよ……。でも、シャーリーの事は俺が守るよ」


 そう言った瞬間、ドアが開いた。

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