第二百三十話 ダンジョン挑戦 パート2 その9
「くそ、挟まれたか」
スケルトン達は俺たちを挟むように前後の通路からいっぱい現れ少しずつ間合いを詰めてくる。
いったいどこから現れたのか?
それとも俺たちを挟み撃ち出来るように三階に入ってすぐではなく、中まで誘き寄せて機会を伺っていたのだろうか?
どちらにしてもスケルトンを倒さないと前にも後ろにも進めない。
「もう一度私がーーきゃっ!!」
ルルがもう一度詠唱を始めようとしたとろこで、スケルトンは先ほどのルルの神聖魔法が脅威だと認識したのかルルに狙いを定めて弓矢を放ってくる。
ルルは驚き目を閉じながら声を上げたところにウィルが瞬時に駆けつけ弓矢を叩き斬る。
「あ、ありがとうございます」
「気にするな。大丈夫か?」
「はい!」
ルルはウィルが助けてくれた事に喜んでいるようだ。
それにしても、あいつらなんて学習能力の高い奴らなんだ。
ルルに狙いを付けられている以上、いくら守りを固めていてもルルも精神を統一しながら詠唱するのは難しいだろうし何より数が多いからここままスペースを埋められていくのは分が悪い。
「ウィル! ルル達を頼む! ロイは前! 俺は後ろを受け持つ! あとのみんなは魔法で援護を!」
「了解した」
「さて、ハルに負けないように頑張るか」
「了解っす!」
「ハル君、気をつけて!」
「ロイ君、無茶しないでね!」
「私に命令するなんて早いわ!」
「わかったわ! 天才魔法使いの力見せてあげる!」
「私も!」
後手に回るよりは先手だ。
ウィルはスピードがあるから弓矢とかに対応出来るだろう。
ロイは火属性だからダンジョンでは魔法剣は使えないけどあいつは剣術に長けているからな。
それに、俺たち二人で足止めをしていればアリィ、シャーリー、ソニンの魔法が援護してくれるだろう。
それにもしかしたらビアンさんやラート、ルルも詠唱できるかもしれない。
俺は後ろに回り、ロイは前に、そしてアリィとビアンさん、ルルは前、シャーリーとラート、ソニンは後ろへ構え、ウィルは半身になってどちらにも対応出来るようにして態勢を整えた。




