第二百二十九話 ダンジョン挑戦 パート2 その8
「出たわね!」
俺たちの前方にはおよそ二十体程のスケルトンが姿を現した。
手にはぼろいながらも剣や弓矢などの武器持っている。
二十体と言えば普通なら脅威だろうけど、俺たちの相手じゃない。
「さて、俺とロイとウィルで行くぞ!」
「さっさと片付けるか」
「了解だ」
「頑張って〜!」
俺とロイとウィルの三人が戦闘態勢に入るとビアンさんは呑気に『頑張って〜!』とか言って応援している。
ビアンさん、やり返したかったんじゃないのかい?
それとも、スケルトンが倒されるところを見たら満足なんですか?
「あっ、あの! 私がやります!」
俺たち三人がスケルトンに攻撃を仕掛けようとしたところでルルが叫んだ。
「大丈夫! 俺たちがーー」
「いえ! 私も戦います! 自分の意志でついて来たのですから。それにアンデット系の魔物なら神聖魔法が有効です!」
ルルは頑なに戦うと言い張る。
もしかしたらビアンさんの件でやきもちを妬いててウィルに自分の事見て欲しいのかもしれないな。
まぁいざと言う時に動けるようにしておけば問題ないか。
でも、巫女がそれでいいのか?
……まぁ巫女様と言えど女の子だしな。
「わかった。でも危険だと思ったら助けに入るからな?」
「ルル、気をつけろ。詠唱が終わるまでは俺たちが守ってやる」
「はい!」
ルルはウィルの言葉に嬉しそうに返事すると、詠唱態勢に入った。
「世界に宿りし光の精霊よ。我、汝の導きによりこの命を捧げる。その誓いの代償に我に力を与えん。聖なる浄化!」
この神聖魔法はメイファちゃんを助けようとした時に使った上級のやつだな。
しかも、巫女レベルのものだ。
スケルトンか俺たちに迫るより早く、ルルが詠唱を終えスケルトンたちを白い光が包む。
そして、スケルトン達は半透明になったかと思えば魔石と武器と骨を残して浄化した。
神聖魔法は邪なる物を浄化するから、このまま骨か残っても再度スケルトンになる事はないだろう。
「ルル、良くやった」
「あんた凄いじゃん!」
「ありがとうございます」
ウィルとビアンさんがルルに声をかける。
ルルは微笑みながら言葉を返し和やかな空気が流れた。
「……簡単には行かないか」
でも、和やかな空気は長く続かずロイが呟く通りさっきのスケルトン達の奥から、さらには背後からスケルトンが姿を現した。




