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第二百二十八話 ダンジョン挑戦 パート2 その7

 「さて、何処から出てくる……スケルトン野郎」


 ビアンさん、口が悪くなってますよ。

 俺たちは今警戒しながら例の地下三階を進んでいる。

 以前は下に降りた瞬間にバルトさんとビアンさんが

、スケルトンを連れて逃げてきたからもっとスケルトンがうようよいるのかと思ったけど、予想に反して静かだ。

 どっちかと言うとさっきからビアンさんがうるさいくらいだ。


 「ビアンさん、何かスケルトンに恨みでもあるんですか?」


 これだけスケルトンを目の敵にしているくらいだ。

 何か事情があるんだろう。


 「大ありよ! 奴らは私に勝ったまま勝ち逃げしている! 負けたままなんて私のプライドが許さないわ!」

 「「「……」」」


 ちょっと複雑な理由があるんだろうと一瞬でも思った俺がバカだった。

 むしろ俺だけじゃなくてみんな面を食らっている。


 「まぁ負けっぱなしが嫌と言うのは分かるが生活も大事にしろよ」

 「大丈夫! 本業の研究はこのダンジョン以外のはちゃんと進んでいるから! こう見えて凄い研究者なのよ? ダンジョンは趣味!」


 ……ダンジョンの研究が目的じゃなかったでしたっけ?

 もはやスケルトンに対する復讐しかないのでは?

 しかも、自己中の恨みから。

 それにしてもウィルも普通に返すなよ。


 「な、なによ?」

 「えっ、いや、なんでもありません」


 俺がジト目になっているとビアンさんが問いかけてきたので軽く流した。

 

 「そ、そう言えばビアンさんって他に何の研究をしてるのですか?」


 空気が悪くなったところですかさずシャーリーが気を使って話題を変えた。

 細かな気配りが出来るシャーリー……さすがだ。


 「よくぞ聞いてくれた! え〜っと、いろいろしてるんだけどメインは精霊かな?」

 「精霊!?」


 まさか、精霊を調べてるとは。

 ラートの事があったから過剰に反応してしまった。


 「あら? 精霊に興味がーーっ!?」


 ビアンさんが俺に言葉を返そうとしたところで前方から『カタカタ』という音が聞こえてきた。

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