第二百二十五話 ダンジョン挑戦 パート2 その4
「さて、次が例の三階だな」
「そうだな。懐かしいと言うかなんて言うか……」
「ハル君凄いよね! 小さい時にこんなところに来てたなんて! 私は今でも怖いよ」
「いや〜あの時はロイにつられて悪ガキ街道まっしぐらだったからな。大丈夫! シャーリーは俺が守るから」
「ハル君……」
「こらこら! いちゃつかないの! でも、ロイ君も小さい時に来てたなんて驚きだわ」
「まぁ俺の方こそハルにつられて悪ガキ街道まっしぐらだったからな。あの時からハルはいろんな意味で常識はずれだったしな」
「おいおい!」
「流石ハル先輩っすね!」
俺たちは順調にダンジョンを進み三階に降りる階段の前にいる。
ここまでは俺とロイが小さい時に来た時同様に蜘蛛の魔物や蟻の魔物が出てきたけど、難なく討伐する事が出来た。
というのも、小さい時はロイの魔法が火という事もあり、魔法を使うには俺しかいなかったけど、今は俺を除いてもシャーリー、アリィ、ソニン、そしてラートがいるしビアンさんもいるしウィルも魔法を使う事は出来る。
ラートとビアンさんが使う土魔法は地面から岩が突起して飛び出し対象を狙う魔法を主体にしていた。
これが土属性の魔法の基本らしいけど、小さい時の俺にはその考えがなかったのは誰にも言うまい。
それと、俺が最初に苦戦した魔物、蟻の魔物に関しては今となっては剣に魔力を纏わせたらどこを切ろうがすっぱりと切れるし問題なかった。
そう思うとエターナル・ログのおかげもあるけど、俺もあの時と比べるとだいぶ成長したように思う。
ちなみに魔物から出る魔石とかは手持ちが文無しになっているビアンさんに譲ってあげる事にした。
変わりに今回このダンジョンの攻略が終わったら地図をもらう事になっている。
思うにビアンさんは研究よりもスケルトンに拘っているな。
「ったく、ラートは……まぁでも、そういや懐かしいな。ここを降りた瞬間にあの女性を抱えたバルトさんが助けを求めてきたんだよな」
「そうだな。あの時はそのせいで俺は帰るのが遅くなって監視がついてしばらく城から抜け出せなくなった」
「俺もじぃちゃんとばぁちゃんに心配されたなーー」
いろんな意味で。
グレたと思ったとかも言われたし。
「えっ? あなたたちバルトを知ってるの?」
俺とロイが思い出話に花を咲かせているとビアンさんが口を挟んできた。




