第二百十九話 ダンノームでの出来事 その14
「あなたは……」
俺たちの目の前に突如見た事のない人物が現れた。
小人のように小さく、茶色髪に茶色い鬚のお爺さんとはいかないまでも年のいった男の姿をした人物が立っている。
もしかして……?
「地の精霊様!?」
「あっ、ノーム!」
アドルノさんとラートが同時に声を上げる。
やはり地の精霊なのか。
見た感じからして地の精霊っぽいし背がおおきければ鍛冶屋のおっちゃんって言っても通じる風貌だ。
「こら! ラート! 地の精霊様に向かってなんという事を!!」
「あっ、しまった!?」
「ほぉっほぉっほぉっ! 良い良い! ラートは元気そうじゃな!」
地の精霊は精霊って言う割にはなんかフレンドリーっぽいな。
ラートはラートで誰に対してもあんな感じなのか。
逆にアドルノさんは国王とかに対して強気でも精霊に対しては腰が低いな。
まぁ当たり前か、精霊だもんな。
俺だって精霊は知ってても見た事ないし。
それに地の精霊はオリハルコンを加工出来るからアドルノさんからすれば師匠って感じなのかも。
どちらかと言うとラートの方が普通じゃないな。
「地の精霊様大丈夫ですか? 用がある時は聖地へと言っておられましたが……」
「少しなら大丈夫じゃ。今はラートと契約しておるからの。それに懐かしい気配がしてな」
そう言って地の精霊ノームは俺たちを一瞥して俺で目を止めた。




