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第二百話 明日へ続く光

 ラース教の総本山でもある建物の中で今日は俺たちにとって重要な事が行われる。

 それはメイファちゃんの葬式だ。

 参列者は俺たちと孤児院の先生、そして大司教やラース教の幹部達だ。

 孤児院の子達にはまだ知らせるべきではないという判断でメイファちゃんの事はお父さんとお母さんが見つかって一緒に行ったという事になっている。

 ウィルの話ではクリフ君は悲しんでいたけど『メイファお姉ちゃん良かったね! 少し寂しいけど次は僕がメイファお姉ちゃんみたいにみんなの面倒みないと! お兄ちゃんもまた剣術教えてね!』って言ってたらしい。

 クリフ君もメイファちゃんを見て育ったからか小さいのにしっかりしている。

 おそらく心の中では悲しんでいるだろうけどそれを言葉にしないし本当に強い子だ。

 もっとも、少し大きい子達は何らかを察したようや素振りがあったらしいけど、何も言わず悲しむ小さい子達を慰めていたらしい。

 本当、みんなしっかりしている。


 「メイファちゃん……」


 俺の隣ではシャーリーがメイファちゃんの事を思い出し泣いている。

 俺は涙を堪え黙ってシャーリーの肩を抱く。


 周りを見ると孤児院の先生達は嗚咽しながら涙を流しアリィやソニンも泣いている。

 そんなアリィをロイは肩を抱き、ウィルもまたソニンの肩に手をやっている。

 そんな中ウィルは真っ直ぐな眼差しでたくさんの花に埋め尽くされたメイファの遺体の入っている棺の方へ視線を送っている。

 その眼差しはかつて自分の父であるイストニア帝国の皇帝の遺体を見ていた時と同じような視線だ。

 きっと何かを決意しているのだろう。

 そんな中、ルルの祈りによりメイファちゃんの葬儀が行われていく。


 「汝の魂、光の精霊の加護の元安らかに眠らんーー」


 建物の中にルルの声が響き渡る。

 俺はメイファが安らかに眠る事を願いながら、こんな悲しい事が起きないように……必ずゴルゾーラ教を倒す事をメイファちゃんに誓った。

 外から差す太陽の光はメイファの魂を天国へ導く道筋のようにメイファの遺体を照らしていた。

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