表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
204/494

第百九十五話 ラース教皇国での出来事 その58

 「帰ってきたな……」


 ウィルが馬車の中で呟く。

 今はアンジェさんが馬を走らせ、馬車の中には俺たちの他にメイファちゃんとエイブラム司教の遺体、そしてアンジェさんの見張りをしてた奴らを捕らえて乗せている。

 元々巫女用に作られた物で護衛も乗ったり合わせて荷物を運ぶ事もある為大きく作られている為に中は広い。


 俺とロイはあの後、エイブラム司教の遺体を俺が異空間から出した木の板に乗せて運んだ。

 この板はいろいろ作るのにとりあえず手に入れといたものだけどこんな場面で役にたつとは……。

 ちなみにメイファちゃんも別の木の板に乗せてある。

 本当はちゃんとした柩を作って入れてあげたいけど今は時間がない。


 エイブラム司教の顔は俺の最初見た時の印象と違い安らかだった。

 最後な綺麗な心で奥さんと子供のところへ行った事を願うばかりだ。


 「なんか凄く長く感じたね……」

 「そうだな……」


 俺はシャーリーの呟きに言葉を返す。

 ラース教皇国を出てから今帰って来るまで半日程だ。

 太陽は少し降り始めているけど、まだまだ明るい。

 朝が早かったってのもあるけどエイブラム司教の事や戦闘、そしてメイファちゃんの死……半日の間にいろいろあって凄く長く感じて一日の間の出来事、それどころか半日程の事だったとは思えない。


 「みなさんいろいろ申し訳ありませんでした」


 ルルは俺たちの様子を見て謝り頭を下げる。


 「ルルは悪くない」

 「そうよ、ルルちゃん気にしちゃダメ」


 ウィルとアリィがすぐさま言葉を返す。

 俺も含めみんな頷く。

 そう、ルルは悪くない。

 悪いのは……。


 「俺たちに出来る事は一つ。あった事をそのまま伝えよう」


 ロイの言葉にみんな頷き馬車はラース教皇国へ入って行った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ