第百八十七話 ラース教皇国での出来事 その50
エイブラム司教が引き金を直前、ウィル達の近くの木々の間から人影が走ってきた。
俺たちはみんなエイブラム司教に気をとられていて、それまで全然気づかなかったけどエイブラム司教が引き金を瞬間にはウィルの前に飛び出していた。
「ウィルお兄ちゃん危なーい!」
その時に聞こえた声は聞いた事ある声だったけど、ここでは聞くはずのない声だった。
『パン』
その声が誰か俺の脳が認識するよりも前に銃声が鳴り響いた。
「なっ!?」
「っ!? メイファ!?」
エイブラム司教が驚きの声をあげた瞬間にウィルもまた状況を理解し声をあげる。
その瞬間にはメイファちゃんは倒れ、赤い液体が地面に広がり始める。
「メイファちゃん!!」
そして、状況を理解したシャーリーがメイファちゃんに駆け寄る。
「エイブラムー!!!」
そして、ウィルは驚き動きが止まっていたエイブラム司教に飛びかかった。
「グハッ」
動きが止まっていたエイブラム司教はウィルのパンチを避けれずに左頬にくらって吹き飛ばされる。
エイブラム司教は木にあたり止まって木に寄りかかり座った状態になった。
俺はその様子を見てエイブラム司教の元に走った。
「おまえ! 何したか分かってるのか!?」
俺はエイブラム司教から銃を取り上げ、怒りに言葉を吐き捨てメイファちゃんの元へ駆け寄る。
司教だろうがなんだろうが関係ない。
人を傷つけたのに偉かろうがなんだろうが関係ない。
それよりもメイファちゃん無事でいてくれ……。




