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第百七十八話 ラース教皇国での出来事 その41

 「何人かいるな」


 ロイの言う通り足音は一人ではなく複数聞こえる。

 その足音が段々と大きくなり人影が見え始めた。

 やはり集団のようで複数の人影が見える。

 そして……


 「……やはりあいつか」


 ウィルが呟く。

 その視線の先に捉えているのはあの(・・)人物だ。


 「エイブラム司教……」


 シャーリーの言葉通り集団の真ん中を歩いているのはエイブラム司教だった。

 そしてエイブラム司教を囲うように白いローブに身を包んだ男達がいる。

 やはりルルの護衛としては見慣れない顔だと思ったらエイブラム司教の息がかかっている奴らだったのか。

 アンジェさんは? アンジェさんは無事だろうか?

 気になるけど今はどうする事も出来ない。

 くそ、こんな事なら見張りと二手に分かれたらよかった。

 でも、ゴルゾーラ教が絡んでた場合対応出来ない可能性もあったし……ダメだ、考えても仕方ない。

 今はアンジェさんの無事を祈るしかない。


 「やっぱりあの男が犯人なのね」

 「あのおっさんめ」


 アリィとソニンが口を開く。

 ソニンはなんだか最近口が悪い気が……。

 でも、ルルの暗殺を企ててるのなら司教と呼ぶまでもない。


 「やっぱりエイブラム司教が黒幕か……どうする? 出るか?」

 「いや、もう少し様子をみよう。今出て行ってもとぼけられる可能性がある」

 「……確かに」


 ロイの言う事も一理あるので俺たちはもう少し様子をみる事にした。

 でも、アンジェさんの様子も気になる。


 「ロイ、アリィと二人でアンジェさんの様子を見て来てくれないか? 様子が気になる」

 「……確かにな。分かった。アリィ行くぞ」

 「う、うん」


 二人は俺たちと分かれ山道を降りて行った。

 おそらくあちらにはそんなに戦力もないだろうし罠もないと思う。

 でも、敵がいた場合ウィルは近接攻撃型で魔法はあんまりだしソニンは魔法だけだ。

 ロイならどちらでも対応出来る上にアリィも水竜でいろいろ対応が出来る。

 本来なら俺が行けばいいのだろうけど、こっちが本命な以上、罠やゴルゾーラ教が来る可能性もある。

 ロイは俺の話で全て理解してくれたようで助かった。

 まぁ、普段から心読まれてるしこういう時は察してくれて助かる。


 「巫女様」


 様子を見ているとエイブラム司教がルルに声をかけた。

 

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