第百七十六話 ラース教皇国での出来事 その39
俺たちはあれからもう一度見回りをしたけど、結局怪しいもの・ところは見つからなかった。
それで、今は山道の入り口から少し外れたところでルル達が来るのを待っている。
「しかし、本当不気味だな」
ロイが呟く。
本当今までとは違った展開で不気味だ。
ただ単に俺たちの考え過ぎなのか何か訳があるのか。
「嵐の前の静けさじゃなかったらいいけど」
俺はロイの言葉に返す。
「ねぇ、あれかしら?」
アリィが視線を向けている先を見ると馬車がこちらへ向かっている。
白い馬に白いローブの付き添い、そして護衛と思われる兵士の鎧まで白く塗られているところを見るとラース教の関係者、そしてこの時間って事を考えるとルル達だろう。
「そうだろうな」
隣でウィルが呟く。
「ここからは見つからないように気をつけながら辺りを警戒しないとな」
ロイ言葉にみんな頷き俺たちは警戒しながらルル達を見守る。
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近くに来るとルル達の様子が見て取れた。
やっぱり馬車に乗っているのはルルのようだ。
ルルと一緒に来ているのはアンジェさんとなぜかあのエイブラム司教が一緒にいる。
あとの人たちは見た事ない人たちだった。
「今のところ問題なさそうだな」
隣のロイが呟く。
確かに今のところは問題ない。
でも、エイブラム司教がなぜ……?
それに昨日見た巫女の護衛はアンジェさんしかいない。
俺は胸に一抹の不安抱きながらルルを見守った。




