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第百七十話 ラース教皇国での出来事 その33

 「……ルル、あの男か?」

 「……はい」


 ウィルの問いかけにルルは頷き答える。

 やっぱりあいつがルルの命を狙っているのか。

 でも、どうやってあいつがルルの命を狙うのか、ゴルゾーラ教が絡んでいるのか……気が抜けない。


 「そうか」


 ウィルは短く返事を返すのみだった。

 

 「エイブラム司教……あんな奴が次期大司教候補なんて……」


 今まで黙っていたアンジェさんが呟く。

 確かにエイブラム司教はラース教らしからぬ格好だしお世辞にも向いてるとは思えない。


 「アンジェさん、なんでエイブラム司教が大司教の候補なのですか? お世辞にも向いてないと思うのですが……」


 俺は思った疑問を口にした。

 さっき顔を見たけど、おそらくエイブラム司教はルルのお披露目の時に横で民衆に応えてた人だろう。

 そして、もう一人の人が大司教と呼ばれている人なんだと思う。

 あの時はエイブラム司教は装飾を外してたんだろうけど、ラース教の総本山で見かけた人は人前じゃないところでも煌びやかな装飾をつけてる人は見ていない。

 そう考えるとみんなラース教の教え通りの生活をしているのにエイブラム司教は全く反対って事だと思う。

 それに、あの巫女様のお披露目の時に横であたかも自分が目立つように民衆に応えている姿は俺でも常識的にどうかと思うし。


 「そ、それはーー」


 アンジェさんは困惑した顔で戸惑っている。

 あっ、巫女の専属護衛になるほど人にラース教の汚い部分であろう話をするのは不味かったかな。

 でも、普通に考えてエイブラム司教が大司教に向いてないのは分かるはずだ。


 「私から話ます」

 「み、巫女様ーー」

 「大丈夫です、アンジェ」

 

 ルルはそう言うと俺たちに向き直って口を開いた。

 

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