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第百六十五話 ラース教皇国での出来事 その28

 「えっ……!?」


 ルルと名乗る巫女は目を見開き驚いた顔をしている。

 というか俺もロイも。

 というかウィル以外はみんな目を見開き驚いた顔をしている。


 「ん? 俺たちが護衛して何事もなく帰って来れば問題ない。そうだろ? それにおまえが死んで姿を見せなくなったらメイファ達も悲しむ」


 それはそうだけど……。

 儀式の迷惑にならないかとか国の偉いさんの怒りを買わないかとか……。

 ……そうだ。

 ウィルはこういう時そんな事を考えずにただ正しい事、やるべき事だけを考えている。

 迷惑とか怒られるとかは二の次だ。

 命が一番大事だという事、それに悲しむ人を作らない事、それを最初に誓ったはずなのに俺はいつからか少し体裁を気にするようになってたな。

 ダメだな……よし!


 「ルル様……いや、巫女様か? とりあえず! 俺たちは勝手(・・)に霊峰の祠の見学に行きますので」


 そうだ。

 肝心な事を忘れてはいけない。

 俺は一人でも多くの人を救うと決めたのだから。

 命が狙われていると聞いてほっとけない。


 「おい、ハル! それは巫女様に言ってはいけないだろ? こっそり行く予定だったのに。……巫女様、今の事は聞かなかった事にしてください」


 ロイは横目で俺の方を見ながら口角を上げる。

 ロイの奴……なんだかんだ言ってロイも一緒の気持ちみたいだ。

 女性陣は……良かった、みんな同じ気持ちみたいだ。

 シャーリーとアリィにも勘違いされなかったみたいだ。


 「皆さん……気持ちは嬉しいのですが危険です!」

 「そうなんだ。じゃぁロイ君、ハル君、ウィル君しっかり私達(・・)を守ってね?」

 「アリィったら、巫女様の前で言ったらダメじゃない」

 「あっ、そっか! 巫女様聞かなかった事にしてくださいね?」

 「皆さん……ありがとうございます」


 アリィとシャーリーのやりとりに巫女は俯きながら目に涙を浮かべる。

 とりあえず話がまとまったみたいで良かった。

 俺たちの次の行動は巫女様の護衛になった。

 

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