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第百六十四話 ラース教皇国での出来事 その27

 「お願い?」


 ルルと名乗る巫女に言葉を返したのはウィルではなくロイだった。

 でも、巫女からのお願い……何があるんだろう。

 全く想像がつかない。


 「はい、……私はもうすぐ殺されると思います。なので、私が死んだ後も時々孤児院を訪れて欲しいのです。勝手なお願いなのは承知ですが……」

 「「「殺される!?」」」


 俺たちは皆同じように声を上げた。

 巫女様ってみんなから尊ばれて敬われるし殺されるなんて考えられないけど……まさかゴルゾーラ教か?


 「……実は私、光の精霊様の加護の影響なのか何か分からないのですが人の心が読めるのです。……読めると言っても完全に読める訳じゃなくてなんとなくオーラというか色と言うか……ぼんやり感情が分かるのですが……おそらくですが命を狙われているのです」


 まさかの発言に俺たちは反応する事も声を出す事も出来ずにいる。

 巫女が命を狙われる……何の為に……?


 「なぜ、おまえが命を狙われなければならない?」


 沈黙を破ったのはウィルだった。


 「それは……ラース教とは言え、私利私欲に走る者もいるのです」


 ラース教とは言え私利私欲に走るって事はラース教徒の中に疑わしき者がいるって事か。


 「ならそいつを捕らえられば良いのでは?」


 ウィルがすかさず言葉を返す。


 「ダメです。証拠がありませんし……」


 確かにそうか。

 心が読めると言っても証拠にはならないし。

 うーん……。


 「なら、いつ命を狙われるんだ?」


 ウィルの奴、ずかずかと良く聞くな。

 大丈夫だろうか?


 「分りません……ただ、ここにいる間は迂闊に動けないと思いますしおそらく霊峰フォルクレストの祠に祈りを捧げに行く時ではないかと思っているのですがーー」

 「よし、俺たちが護衛しよう」


 ウィルがルルと名乗る巫女の言葉を遮って言った。

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