第百五十四話 ラース教皇国での出来事 その17
「昨日は悪かった!!」
朝目覚めた俺はロイとウィルに頭を下げる。
クリフ君の誕生日は大成功で終わった。
しかし、ある問題で二人の力を借りたのだった。
「まぁハルだから仕方ない。常識外れな事をするからな。まぁ大丈夫だろう」
「俺は構わん。メイファやクリフ達も喜んでいたからな。謝るならレドニンに謝れ」
「本当にすまない!」
俺は再度二人に頭を下げる。
昨日は昨日でアリィ、ソニン、シャーリーにも頭を下げている。
実は昨日『花火』を打ち上げた事により、何事かとラース教皇国内で通報が相次いだみたいで衛兵が駆けつけたのだ。
俺達は事情を説明したがなかなか聞いてもらえず、最終的に二人の名前と国の名前を使わせてもらい事無きを得た。
二人だけじゃなく、アリィとソニン、そしてシャーリーの名前も出した。
すぐに国に連絡が取れないし確認のしようがないとなったけど、マーシャル家の商人がラース教皇国に商売に来ているのでそちらに確認してもらって厳重注意という事になった。
ちなみにラース教皇国から各国に文が送られるらしい。
宿に戻った俺はすかさずロイのお父さん、アリィのお父さん、レドニンに謝罪の電話を入れた。
すると、返ってきた答えは、
『ハル(君)(さん)なら仕方ない(ですね)』
だった。
他にも言葉はあったけど、この言葉だけは共通している。
いったい俺はどう思われているのか……。
いろいろ思う事はあったけど、俺が悪い以上何も言えない。
俺はケータイ片手に見えない相手にひたすら頭を下げていたのだった。
「まぁでも、そのおかげなのかは知らないけど、巫女様が会ってみたいと言ってくれてるみたいだし良かったじゃないか」
ロイは含み笑いしながら俺に言う。
そう、実は騒動の後で衛兵より翌日に巫女様の元へと言われた。
怒られるのかと思い謝ったけど、そうじゃなくて巫女様が俺たちと話をしてみたいらしい。
「そうだ。これでゴルゾーラ教の事が分かるかもしれないのからな」
ロイに続いてウィルも言葉を発する。
「じゃぁ結果オーライって事で!」
「でも、今後は物事の後先を考えて行動しろよ?」
うっ……。
ロイの奴、上げてから下げるのやめてくれ。
ともかく、いろいろあったけど俺たち巫女様と会う機会ができた。




