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第百五十話 ラース教皇国での出来事 その13

 声のする方へ振り返ると籠を持っている一人の少女の姿があった。

 白いローブに白い布を巻いてそこから見える肌は透き通るように白い。

 そして、ローブと布の間に見える顔はまだ幼さを残していて俺たちより年下だと思われる。

 でも、白い布のって……


 「安心しろ。盗賊の類ではない。ラース教ではああ言った風に白い布を頭に巻く事もあるんだ」


 ……ロイ様解説ありがとうございます。

 こう言った時(・・・・・・)は心を読んでくれると助かる。


 「そうなのか。じゃぁあの子もラース教の信者って事か」

 「そうだろうな。まぁだいたいの人がラース教だからな」


 そう言ってロイは肩を竦める。

 まぁ世の中の大半がラース教の信者であとはごく少数の宗教があるけどあまり聞かない。

 俺たちがそんなやりとりをしていると白いローブの少女は籠の中からパンを出して子供たちに配っていた。

 きっと彼女もクリフ君の誕生日に差し入れで持って来たのだろう。

 白いローブの少女はパンを配り終えると俺たちの元へやってきた。


 「この差し入れは皆さんですね? ありがとうございます」


 そう言って白ローブの少女は俺たちに頭を下げる。


 「いやいや! 俺たちは招待されたから手ぶらでって訳にはいかないから」

 「そうだ。それにきっかけはあいつだからな」


 ロイは視線でウィルの方を合図する。


 「……確かに優しい心の持ち主のようですね」


 まぁウィル確かに優しい。

 あのギャップは反則だ。

 ん? でも、そんな場面見たんだろうか?

 まぁ子供達から聞いたのかもしれないな。


 「それよりなんで君に礼を言われるんだ?」

 

 あっ、確かに。

 同じく差し入れした方だから礼を言われる謂れはないな。


 「え? あっ、いや、その〜……私もずっとここに通っているので何とか……ありがとうございました! 失礼します!」


 そう言うと白いローブの少女は走り去って行った。

 ……と思ったらローブを踏んでしまいこけた。


 「大丈夫!?」

 「だ、大丈夫です!」


 そう言うと次そこ本当に走り去って行った。

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