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第十四話 あの子との再会

 振り向くとあの子がいた。

 ……ヤバイ!

 また暴走してしまう!

 とりあえず落ち着け!!

 ひぃひぃふぅ〜。

 俺は高鳴る胸を落ち着かせる為、呼吸を整えた。

 そして、心の中で必死に落ち着きを取り戻そうとしている。


 「あ、あの〜……」


 これは前と同じ展開だ。

 まさにデジャブでトラウマにもなりつつある状況だけど俺は踏み止まった。

 ここで同じ失敗をしてはいけない。

 男に二言はない。

 ……ヤバイ!

 使い方を間違えるくらいパニックになっている!

 とりあえず落ち着け俺!


 「そうだけど。どうしたの?」


 ……よし!

 第一関門突破!

 心の中でガッツポーズをし、自分で自分を褒めた。

 でも、必死に表情に出さないようにしてたけど大丈夫だろうか?

 動揺して背中にはうっすら汗をかいている。


 「こ、この前はありがとうございました! ちゃんとお礼が言いたかったので!」


 例の女の子は頭を下げて俺に言った。

 俺は頭の中で次の言葉の選択肢を考えていた。


 1「大した事してないよ! 君が可愛いかったから助けただけさ!」


 2「いやいや! 俺は女の子の味方さ!」


 3「いや、困ってそうだったし。大した事はしてないよ」


 1……キザ 却下。

 2……チャラい 却下。

 3……無難。採用。


 「いや、困ってそうだったし。大した事はしてないよ」


 俺は自分のボキャブラリーの少なさに嘆いた。

 結局選んだ選択肢はミスター平均値だ。


 「そんな事ないです! 私本当に助かりました! それに急いでいらっしゃったところだったのにわざわざ助けてもらって……」


 ……あぁ、確かに急いでるとは言ったけど実際は恥ずかしさのあまり急いでその場を離れたかっただけなんだけど。

 それにしてもわざわざ俺を探してお礼を言いにくるなんて礼儀正しい子だ。

 外見だけじゃなく内面も良さそうだ。


 「でも、どうして俺がここにいるって分かったの?」

 「あ、あの〜村でハル君の事聞いたらすぐに分かったんです。本当はすぐにちゃんとお礼を言いに来たかったんですけどなかなか来れなくて……」


 そうか。

 確かに村で聞いたらすぐに分かるか。

 黒髪って言えば俺だけだし最近は魔法の訓練で時々スゴイ音もさせるしな。

 でも……。


 「そっか。まぁでも村でいろいろ聞いたと思うけどあんまり俺と関わらない方がいいよ? 君まで変に見られたりいじめられるかもよ? だから早く帰って今日までの事はなかった事にした方がいいよ」


 俺はこんな事は言いたくなかったけど彼女が俺と一緒にいるところを見られて周りから変に思われたりいじめられたりするのは嫌だったし仕方ない。

 村で俺の事を探してたとなればすでに村であまり良く思われていない可能性もある。

 だから出来るだけ早く俺と関わらず過ごす方が良いと思う。


 「そんなの嫌です! だってハル君は私のヒーローなんです!」

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