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第百三十三話 ラモル山での出来事 その14

 「チッ!」


 ゴード=ザイールとカルザルが去って、俺と漆黒の鎧の男がその場に残される。

 漆黒の鎧の男は舌打ちをし、俺に向き直る。

 俺はさっきのゴード=ザイールの言葉、そして目の前の男、カルザルの行動……いろいろあり過ぎて少しボーっとなってしまっていた。


 「……おい、貴様」


 漆黒の鎧の男に声をかけられ俺はハッとして、漆黒の鎧の男を見据える。


 「……なんだ?」


 聞きたい事はあるけど、今までの様子を見る限りこいつが素直に答えてくれるとは思わない。

 なら、せめて言葉を交わしてみようと思い、向こうが何を言うのか聞き出してみる事にした。


 「今後俺の邪魔をするな。ゴルゾーラ教は俺が始末する。邪魔するようなら斬る……それだけだ」


 漆黒の鎧の男はそれだけ言うと俺に背を向け歩き出した。


 「お、おい! こっちだって理由がある! そういう訳にはいかない!!!」


 俺が言葉を放つと漆黒の鎧の男は立ち止まった。

 

 「……貴様が戦う理由はなんだ?」


 漆黒の鎧の男は顔だけこちらを向け問いかけてくる。

 戦う理由……それは……。


 「詳しくは言わないけどゴルゾーラ教は俺と無関係とは思えない。だから奴らをほっとく訳にはいかない! 奴らが世の中を不幸にするなら俺はそれを阻止する!」


 俺が言うと漆黒の鎧の男は沈黙のままこっちを見つめる。

 しばらく、静寂が流れた後、男は歩き出した。


 「……戦う理由を忘れぬ事だ。しかし、邪魔をするなら貴様は俺の敵だ」

 「お、おい!」


 俺の呼び止めも虚しく、漆黒の鎧の男は木々の中に姿を消して行った。

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