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第十二話 初恋の予感がします

 あれから三年の月日が経った。


 俺たちは相変わらずいつもの調子で修行している。

 しかし、ロイもいろいろ忙しいのか顔を出す頻度が減ってきた。

 それに俺もじぃちゃんとばぁちゃんの為にいろいろやらないといけないし忙しい。

 最近は少し修行も壁に当たっている気がする。

 魔法に関してはそれなりに上達している気がするけど何かが足りない。

 剣術に関してはロイに勝てない。

 勝てないどころか差が広がっている気がする。

 ロイは剣術に関しては俺より先を行っている。

 俺は焦りとともに自信を失いかけていた。

 なんて事を考えながらいつもの場所に向かいながら歩いていると前方から声が聞こえる。


 「へへっ、お嬢ちゃん一緒に遊ばない?」

 「イイじゃん! ちょっとくらい!」

 「行こうよ!」

 「い、急いでるので……」


 ありきたりな感じで男三人が女の子に声をかけていた。

 女の子は困った様子で体を縮こまられせている。

 俺はこのまま知らんふりするのもあれだと思ったので声をかけた。


 「おい! その子を離せ!」


 あっ、俺もありきたりな事言ってしまった。


 「なんだ!? ……お、おまえは!?」


 あっ、俺の事知ってるのね?

 じゃぁそのままどっか行ってくれると助かるんだけど。


 「い、いやこっちは三人だ! かかれ!」


 芸もなくありきたりな展開だった。


 「くらえぇぇぇ!」


 一人の男が俺に突進してパンチを繰り出す。


 「よっと、はい!」

 「ぐっ!?」


 俺は体を横に逸らしあっさりとパンチをかわすのと同時に鳩尾にカウンターをおみまいし、さらに後頭部にちょっと衝撃を与え気絶させた。


 「ふ、二人でいくぞ!」


 次は二人まとめてかかってきたけど俺は魔法を使うまでもなく相手の攻撃をかわしちょっと一発おみまいして気絶させた。


 「あ、ありがとうございます」

 「いえいえ! どう……いたしまして……」


 俺は手を払いながら振り返ると、そこにはめっちゃ可愛い女の子がいた。

 水色の髪の毛で長さはボブくらい、それに透き通るような白い肌。

 背は少し低めでクリッとした可愛い目。

 歳は同じくらいだろうか?

 俺は一瞬で完全に心を奪われた。


 「あ、あの〜…お強いんですね」

 「……」

 「あ、あの〜……」


 ……あっ!ヤバイ!

 完全に意識が飛んでた!

 まさに雷に打たれたような衝撃を受けたせいだ。


 「えっ、あっ、いや、ちょっと寝不足で……」


 俺は動揺してワケが分からない答えをしてしまった。

 何してるんだ俺……。

 そんな俺を女の子は心配そうに見ている


 「だ、大丈夫ですか?」

 「大丈夫大丈夫! 今目が覚めたから!」


 女の子は不思議そうな目でこっちを見ている。

 ……終わった。


 「あっ、俺急いでいるから!」


 俺は急いで走ってその場を去ろうとした。


 「あっ、待ってください! 名前だけでも教えてくれません!?」


 後ろから声が聞こえ振り向きざまに答えた。


 「俺はハル! じゃぁ!」

 「……ハル……君」


 今の俺にはそれが精一杯だった。

 水色の髪の色……あの子も特別なのだろうか。

 俺が会う人は特別な人ばかりなのだろうか?

 それにしても俺はなんで……。

 いつもの場所についてから猛反省していた。

 でも、仕方ない。

 俺は今まで友達はロイしかいないし女の子とまともに話した事はない。

 女性と話したのは変装して買い物に行った時に会うおばちゃんくらいだ。

 しかもおばちゃんとは会話というより値引き交渉という名の戦いだし。

 そう考えると仕方ない。

 初恋は実らないものだと聞いた事がある。


 「はぁ〜……でも可愛かったな……」

 「ん? 誰がだ?」

 「うわっ!!」


 気づくとロイが来ていた。


 「な、なんでもない! いくぞ!」


 俺は誤魔化す為、突如ロイに魔法を放ち模擬戦を開始した。



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