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第百五話 コルト都市国家での出来事 その20

 「なっ!?」


 俺はその光景を見て驚いた。

 なんと、さっきダリウスさんにやられた戦闘狼(ウォーウルフ)の死体が黒い霧となって消えようとしていたからだ。

 普通の魔物は死んでもそのまま死体となってその場に残る。

 だから、そこから魔石を採取したり、素材として扱ったりする為、冒険者業が成り立つ。

 しかし、目の前の戦闘狼(ウォーウルフ)はその実態を残さず消え去ろうとしている。

 まさか……?


 「何か気づいたようだな」


 ダグマルは俺を見据え、言葉を口にする。

 『エターナル・ログ』の知識にそれらしきものがある。

 闇に完全に心を捧げ、魔人化した人(・・・・・・)は死ぬ最後の時に姿を残さないという。

 イストニア帝国の皇帝はダビドが言ってたように、完全な魔人化ではなかったのだろう。

 死んでも遺体が残った。

 まさか、その魔人化と同じような事が魔物でされているというのか?

 『エターナル・ログ』の知識にも魔物がそんな風になるなんて事は情報としてない。


 「まさか……いや、そんな……」


 俺は認めたくない自分と認めざる得ない状況との間で揺れていた。


 「……ハル、どうした?」


 周囲を回る戦闘狼(ウォーウルフ)に警戒しながらロイが声をかけてくる。

 その問いに合わせ、みんなが俺の方へ一瞬気を向ける。

 俺はどう説明したらいいのか迷ったけど、予想を口にした。


 「おそらく……戦闘狼(ウォーウルフ)は、あのダグマルによってイストニア帝国の皇帝のようにされたんだと思う……」

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