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第九十四話 コルト都市国家での出来事 その9

 翌朝、準備を整えた俺たちは宿屋を後にして、待ち合わせ場所の北門へ向かう。

 結局昨日はゴルゾーラ教に関するめぼしい情報は得られなかった。

 多少、名前を知っている者もいたみたいだけど、詳しい事は知らないみたいだ。

 見た者によると、信者は黒いローブを纏って不気味ではあるけど、特に何かある感じでもないとの事だ。

 やはり、奴らは表では大きな行動はしてないのだろうか。


 「よう! よく寝れたか?」

 「おかげさまで」


 なんて社交辞令を合流したダリウスさんと交わし、一緒に目的地へ向かう。

 なんか昨日もこんなやりとりをした気がするけど……。


 目的地に着くとすでに他の冒険者も多く来ていた。

 ゴルゾーラ教の事を聞いて回ろうかとしたけど、そんな雰囲気でもないし……。


 「そう言えば、お前たち戦闘狼(ウォーウルフ)と戦った事はあるのか?」


 どうしようかと思っていたところでダリウスさんが俺たちに聞いてきた。


 「いや、ないよ。でも、どんな魔物かは知ってる」


 そう。

 俺は戦闘狼(ウォーウルフ)と戦った事はない。

 ダリウスさんと依頼を受けるとなった時、みんなで話したけど、ウィルとソニンは戦った経験があるみたいだ。

 というのもラーク大森林はコルト都市国家とイストニア帝国の間にある。

 だから、ラーク大森林から稀に出てくる魔物を練習相手にして、訓練していたようだ。

 もっともイストニア帝国とコルト都市国家の間にあると言っても大森林と呼ばれているだけあって広く、また、奥に入れば入る程、魔物などが多く、広さも広大な為、方向感覚を失いやすく、人が大森林を抜けてイストニア帝国とコルト都市国家を行き来する事はまぁないみたいだ。


 ウィルとソニンが言っていた話では戦闘狼(ウォーウルフ)は名前の通り、狼のような姿で、大きさは俺たちの背丈くらいの大柄な魔物で一番の特色はスピードと群れを成して襲って来る事らしい。

 周りを囲まれるとスピードに物を言わせ前後左右から攻撃される為やっかいのようだ。

 しかし、Cランクとは言え、俺たちは魔力操作や無詠唱、それに魔法障壁が出来る為、遅れを取る事はないと思うけど……。


 「そうか。まぁ知っているなら話が早い。戦闘隊形(フォーメーション)を決めようか?」

 「戦闘隊形(フォーメーション)?」

 「なんだよ、お前たち今までどうやって戦ってきたんだ?」


 どうやって戦ってきたと言われても……。

 ダンジョンの時はロイと二人だったし、ドラゴンの時は一人、イストニア帝国との戦争もロイと二人だし皇帝が魔人化した時は四人だったけど、行き当たりばったりだった。

 盗賊は……特に戦闘じゃなかったな。


 「はぁ〜……まぁお前たちなら必要ないのかもしれないな。でも、今回はどれだけ数がいるか分からない上に群れでも動く魔物だ。今から説明するから聞いておけよ」


 俺が過去の戦闘を思い出してる間にダリウスさんが、言葉を放つ。

 まぁ一つ言わせてもらうなら、必要ないというより考える時間がなかった。

 思い出してみたらきっとそういう事だ。

 うん。


 俺が心の中で抗議している間に、ダリウスさんの説明が始まった。

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