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不死なるプレイヤーズギルド  作者: 笑石
本編……?
109/134

第106話 お狐様の嫁入りにんにん!



 この世界アルプラが創星された際に力を貸した『星神』達……その中でも古参であり、捧げた《力》もまた莫大だった十二柱の神。

 それぞれが、自らの世界から『異邦者』として世界アルプラに送り込んだ存在、又は世界アルプラに生まれた存在を加護者として昇華させた存在……それらはこの世界アルプラにおいて、一際特別な存在として……《始原十二星》と呼ばれた。


 彼らの全員が現存していた頃、世界アルプラにはまだ『地球』と呼ばれる世界とほぼ同じ生物しか存在していなかった。

 物理法則も『地球』に準じてはいたが、世界そのものが未完成である為に『存在不確定のエネルギー』がほとんどを占めており、それによって『地球』とは違う法則を生み出すに至る。


 そして、《始原十二星》ともなれば、そこから更に新たなる法則を生み出す事も可能にした。

 生きとし存在全てが、己よりも上位の存在に『立ち向かう』為の力……『魔法』。


 それは、《魔那マナ》……通称、『精霊』と呼ばれる《始原十二星》の一体が、その存在全てを世界へ捧げる事で生み出した、誰にでも使える『奇跡の御技』。


 そんな『精霊』の献身を見て、似たような事を《龍》と《幻獣》は考えた。


 彼らは、別の世界から贈られた異邦者である。『地球』とは違う在り方の世界で生まれた彼らは、世界アルプラにおける肉体らしい肉体は持たない……いわば存在そのものが《力》であり、《概念》に近かった。

 彼らは、世界アルプラに全てを捧げる覚悟があった。ただの愛着であり、情である。自らを後世に残したかった。その為には、世界アルプラ法則ルールに身を委ねなければいけない。


 なので《龍》は、なんとなく自分に似ているような気がする……その辺に居たトカゲを自らの眷属とした。

 それは進化だった。『精霊』が行なったように自らの存在を世界に撒いて、多くの眷属を作り、やがてそれは現在における『竜』となる。自ら知能を得ることが難しい代わりに、何故か分からないが協力した『地球』の神の計らいによって、人と『契り』を結べる様になる。



 先に『子作り』を行なった《龍》を見て、《幻獣》はまずこの世界アルプラの『主役』である『人間』とその辺に居た普通の獣に自らの存在を分け与えた上で融合させた。

 何故か『地球』の神がそれの手助けをした事もあり、それは見事に成功する。やがてその時生まれた『眷属達』は現在の『獣人』の始祖となった。




 つまり、『九尾の狐』はその『眷属』の一体にあたる。地球の伝説にもある存在と何故酷似しているかについては……あえて言及はしない。





 *



 へぇ……。やっぱ『アルペディア』は便利だなぁ。俺は掲示板を覗きながら感心した。プレイヤーの中には歴史とかを調べるのが好きな奴がいて、そういう奴らは世界アルプラの成り立ちについて深く掘り込んで掲示板にまとめていたりする。

 たまに覗くと勉強になる様な、ならない様な。ヒズミさんがプレイヤーの仲間入りをした事もあって、その知識は正直《神》視点に近いレベルに達している。

 まぁ、プレイヤー以外にそれを伝えるのは《翻訳》が上手いこと邪魔をするのだが。《神》様達からしても、現地人にあまり世界の成り立ちとかを知って欲しくはないのだろう。ロマンが無いからね。



 しかしまぁ、俺にとっては基本的にどうでも良い事ばかりなので、気が向いた時に調べものをするくらいで、たまにしか見ない。

 今回は《幻獣》ってなぁに? っていうのを調べようかなという単なる気まぐれだ。まぁ大体のことが分かったので掲示板を閉じる。


 ふむ……『眷属』、か。プレイヤーの身に寄生しておいて、振るう力はかなり高い。それこそ、元の存在そのものがどれ程強大な力を持っていたかを示している。


 残り四本の尾をフリフリとさせながら俺は燃え盛る山間の村を見下ろす。火は周囲の木へ燃え移り、もはや山火事……なんなら蜥蜴人の村と犬獣人の村をまとめて焼き尽くす勢いであった。


 すげえな……。俺はドン引きした。尾を消費することで、俺ですらとんでもない威力の魔法を使えることに気付いて少しだけ調子に乗ってしまった。

 俺は火の恐ろしさを舐めていた。いくらファンタジー世界といえど、地球準拠のこの世界で火は文明の始まりであり……全てを終わらせるのはまた、炎なのだ。


 俺は、俺自身に力がない為に火を頼ることが多かった。大体の奴が、住んでいる所に火を放つと恐れ慄くからだ。力のない俺はまずそれで精神的優位に立たなければいけない。人付き合いとはイカれていると思わせた方が勝ちだ。

 そして、今回は力があるにも関わらず火に頼った結果がこれだ。

 元の世界でも、例えば戦争の時には火炎放射器なんかを人に使っちゃダメだよってルールがあるとかないとか聞く。実際にはそんな事はないだろうが、そんな話が出て来るのはあまりに取り返しのつかない非人道的な結果を生むからだ。


 これが報いか……。胸をちくりと刺す罪悪感。風に乗って肌をチリチリと焼く炎の熱。響き渡る怒号。悲鳴。怨嗟の声。


 下手人である俺を探し、武器を掲げて一致団結する犬獣人と蜥蜴人。素晴らしい光景だ……肩がぶつかったとか、例えばそんな下らない事で対立していた二つの種族が、いまその壁を越えて手を取り合っている。

 例え、毛が生えてなかろうと、鱗が無かろうと言葉が通じるならば分かり合える……そんな当たり前だけど難しい奇跡を彼らは俺に示してくれた。

 感動的だ……俺は目頭を押さえた。だが、この俺様に逆らおうとは生意気な話である。所詮は毛と鱗に覆われた蛮族、あえてそれらを捨てて道具を纏う事に知恵の限りを尽くした人間様に、畜生風情が勝てると思っているのか?


 まぁ俺はプレイヤーなんだけど。

 しかもケモミミ生やして尻尾まである俺は、人間の強さを内心で説きながらその尾を一本引き抜いた。


 くくく……。

 操る奇跡は風。山を焼き尽くす紅蓮の炎を掻き集め、それは巨大な人型をとって中心に俺を内包した。

 炎の巨人。これが俺様の鎧……人間様の知恵って奴だよ、『亜人』ども……。この世界基準での俺の差別発言に、怒り狂う犬獣人と蜥蜴人。


 触れただけで全てを焼き尽くすであろう炎の巨人は、大きく腕を振りかぶる。俺様のヘイトスピーチ を責めたければ……! この俺様を越えていけぇっ!



 なんやかんやで俺は敗北した。

 色んなところを剣や槍でブッ刺され、ボロボロの様相で地面に転がり天を見上げる俺を囲んで犬獣人と蜥蜴人が勝鬨を上げる。


 ふっ……。俺はニヒルに笑った。

 この光景が、見たかったんだ……。お前達がよ、こう、なんか仲良くしてる、その、なんかそんな感じのさ。

 実際は別に見たくもなかったので気の利いた言葉が出てこなかった。なんならいつの間にか元に戻ったk子がぷーくすくすと笑っているのが癪に触ってそちらに気を取られている。

 というか奴の側に立つ、前後二つの頭部に四本腕の……多分だけど、元魔王軍幹部の二人が融合しただろうなって感じのキモい生物が気になって仕方がない。

 俺の炎の巨人があっさり負けたのもそのキモい生物のせいである。四本腕のオニヤマという知り合いが居るが、奴は生物として成立した自然さがあるのに対し、k子の横の化け物は二度見しても足りないくらい何度も見直してしまうほど歪だ。


 一体何故、あのような姿に……? 端正な顔とはいえ前後についていたら不気味でしかない。とりあえず聞いてみることにした。

 あの、k子さん? その横の二人……いや、一人? あの、ええっ?


「二人だとウザいから一人になってよって言ったら、こうなった」


 へぇ、そう。

 どうやら俺の理解の範疇にはないらしい。世界は広いなぁ……。


 それはさておき俺の処刑の準備が整い始めていた。俺の中の狐さんが喚いているが、既に腕は縛られ、処刑台の様なものに縛られている。

 やれやれ、この程度で……別に俺は死んでも構わないが、どうやらそれだと都合が悪いらしい狐さんが俺から肉体の主導権を奪い取った。

 そして仕方なく尻尾を消費。俺の身体だと、この窮地を切り抜けるにはそうするしかないらしい。尻尾は狐さんの命そのものに直結しているにも関わらずだ。


 転移の術だ。逃亡しようとしていることに気が付いた蛮族どもが刃を向けてくるが、それよりも早く狐さんの転移術が発動する。

 しかし、出力不足と傷だらけの肉体から生まれる苦痛に狐さんは上手く魔法を行使できなかった。


 然程離れていない所にドサリと転がった俺の身体の傷は開き、ドクドクと血を流し始める。

 朦朧とする意識。狐さんは本能で察する、このまま意識を失えば待っているのは死……だが、身体はどう頑張っても動きそうになかった。

 それに何とか動けたとしても、そもそも蛮族達からそんなに距離を取れていない。多少動いた程度では、犬の嗅覚で追い詰められてトドメを刺されるだろう。


 狐さんは、ここに来て死を確信したらしい。心の中に広がる絶望……死の恐怖。ホロリと一筋の涙を流した。


 しかし、意外な助け舟があった。


「おい! 大丈夫か!」


 狐さんにとって聞き覚えのない……なのに、どこか聞いた事がある様な……そんな不思議な誰かの声だった。

 そして、自分が何者かに抱き抱えられる感覚……朧げな視界に写るのは、一人の男。

 褪せた金髪を後ろに撫で付けて、こちらを心配そうに見つめている。死にかけの俺の身体が震えていることに気付き、その男は懐から何かを取り出して俺の身体に無理に飲ませる。ゴホゴホと咽せた狐さんは、しかし死にかけていたはずの肉体に少しばかりの生気が宿ったのを感じた。


「良かった、まだ間に合うな……。しかし何故これ程の傷を……」


 その場でテキパキと刺し傷の応急処置をしていく男。手際の良さにポカンとしながら、狐さんは為すがままに身体を預けた。

 男の手つきは優しく、女性の身体を最大限に労る気遣いと、しかし傷の手当ての為ならば普段なら見せるのも恥ずかしい部分の服を即座に破き、処置をしていく。

 その目付きにいやらしさなど一片も無く、ただ真剣に目の前の人を助けようという強い意志があった。


 ところで俺は身体の主導権を奪われたまま、ポケッと男を見つめる狐さんを内側から見ていた。

 主導権を、奪い返せないのだ。仕方なく身体から『アストラル体』を出して二人の様子を見る。超観測モードだ。世界への干渉の一切を失う代わりに何者にも邪魔をされず観測できる、プレイヤーの到達する一つの極地……ちなみに自主的にこのモードに切り替える術はまだ見つかっておらず、今回は俺が肉体から追い出される形で可能になった。


 さて……俺は頭を抱えた。

 狐さんは俺の顔……まぁ人相が変わってはいるが、その吊り目美少女ヅラを仄かに赤くさせている。

 その目線は、熱に浮かれたように目の前の男……てかラングレイなんだよな。中年竜騎士ラングレイくんが何故か山にいて、何故か狐さんの手当てをしているのだ。


 これは……まずいな?

 俺は強い力で肉体から追い出された。その力とはトキメキ……窮地に現れて献身的に尽くすラングレイに、コイツはサクッと惚れやがった。

 問題は一つ。狐さんが使っているのは俺の身体という事だ。これからコイツが何をしでかすかは分からないが、俺の身体でラングレイを口説こうものなら、俺の精神はそれだけで多大なダメージを負うことになる。気分の問題だ。


 心中で舌打ちをして、俺はとある策を講じた。狐さんを俺の身体から追い出す方法は簡単だ。

 俺の肉体を、殺す……。


 ズドン! と、大きな地鳴りと共に空から何かが降ってきた。


 それは、二人の人間を無理矢理に前後にくっつけたような、歪な生き物だった。ヒトっていうか、もはや蜘蛛とか昆虫に近いその生物は肩に女を乗せている。

 その女の美貌はまさに『傾国』。白い髪を靡かせ、妖艶な赤い瞳を嗜虐的に輝かせて俺の肉体を見た。


「みぃつけたぁ」


 まるで蕩けたような笑顔で『傾国』は艶のある唇に指を置いた。俺がk子に位置情報を送った。それに対して深く考えず、ただ俺を殺す為だけにk子は文字通り飛んできたのだ。理由は特にないだろう。その場のノリというやつだ。もう少し思慮というものが欲しいが、今回はまぁそれで助かるというもの。


 異形の生物が四本の手を広げる。それぞれの手が白い光を蓄え、叩きつけるようにして四つの光を一つに収束させる。


「な、なにっ!?」


 突然現れた化け物が放つ異様な重圧を前にして、ラングレイは即座に狐さんを庇い立つ。腰の剣に手を置いて、何事かを呟いた。


「死ねぇっ!」


 k子の鋭い叫び。同時に迸る閃光は破壊の波を起こし、地面から樹木を剥がしながらk子の前方を吹き飛ばした。

 砂埃が全てを覆い隠し、仕留めた確信を持ったk子はドヤ顔で静観している。やがて、視界が晴れるとそこには抉れた地面に立つ男女の姿。

 女は腰を抜かせて顔の前に腕を置き、その前に立ち塞がる男は折れた剣を正眼に構え、服や髪もボロボロながらしかし健在であった。


 呆気に取られたk子が、つまらなさそうに口を開く。


「おじさん、死にたくなかったら、退いて? あんたの後ろのソレは、災厄を呼ぶよ? 守る価値なんて……無い」


 チラリと、ラングレイは後ろの狐さんを見てから、またキッと強くk子を睨む。狐さんは恐る恐る眼前の腕を退け、自身を守るように立つ男の背をポカンと見つめた。


「……俺にはこの状況がよく分からないが何にせよ、今はこの女性ひとを守ろう。もし、彼女が災厄を呼ぶというのなら……龍華の騎士としてそれに真っ向から立ち向かう。何、厄介事には慣れてるんでね」


 ニヒルに笑ったラングレイに、k子が眉を顰めた。口の中で、龍華……? と呟いて、何を言っているのか分からないと言いたげに首を傾げた。


「? だったら尚更よく知ってるでしょ? ソイツ、いまはそんなんだけど、中身は……」


 しかしk子が最後まで言い切れることはなかった。どこからか飛び出した影がk子の白い首筋を切り裂く。噴き出した血を押さえながらk子はその影を視線で追い、それに追従する様に化け物が腕を振るった。

 一振りで地面を抉り木々を薙ぎ倒すそれを空中で難なくいなしてみせた影が地面に降り立つ。その影こそ、外国から龍華の騎士団に入った才能ある若者で、魔王が存在した時には《聖痕の勇者》にも選ばれた男、レイト。

 かつてk子に祖国をめちゃくちゃにされた男は、甘いフェイスを筋骨隆々の肉体に乗せて因縁の相手を強く睨む。


「ケーコ……! また、会ったな……!?」


 しかしk子の命は残りわずか、最後の力を振り絞ったk子は咆哮と共に《スキル》を発動する。《魅了》……ヤツの十八番だ! 代償術式によって強化された《スキル》は全て目の前の化け物に注がれる。

 忠誠を誓った主人まおうは塔に消え、仲間も使命も目的も全て失った化け物の、最後の拠り所が消失していく。

 元々《スキル》によって植え付けられた情に、共に過ごしたことで自然と生まれた情。そして今、死にゆくk子の執念を受け取り……化け物は涙を流して咆哮した。


 光に包まれ分離した化け物はかつての姿を取り戻し、一体の時よりも弱体化したものの依然強力な元魔王軍幹部の二人と、ラングレイとレイトの二人が対峙する……!


 だがそこに偶然その辺を歩いていた迷宮都市の探索者が、普段通らない路地で居酒屋を見つけたようなノリで歩いて来る……!


「あれ? 魔族じゃね? ホラ」

「ホントだ。なんでまだ居るんだ?」

「ちょっくら引っ掛けてくか」


 その探索者達は、俺もよく名前を聞く有名な上級探索者と呼ばれる存在だ……! 基本的に迷宮に囚われているため、滅多に都市外に出る事はないが、少し外に遊びに行くというくらいは当然あるだろう……っ! あの迷宮都市で有名になるレベルの上級探索者とは、つまり頭がイカれた化け物ということになる。

 強さの基準で言えばランスくんやガーランドなんて比べ物にもならない。木刀に鎖付トゲ鉄球、チャクラムみたいな鉄の輪を談笑しながら取り出した探索者どもは、一瞬で顔つきを変えて襲いくる。

 ついでと言わんばかりにラングレイとレイトも狙われる! 元魔王軍幹部の二人も光の武器を生み出して抵抗するが……! まるで漫画見開きのように瞬殺されてしまう……っ! 通り魔……! この世界アルプラにおける不幸な事故の一つ、迷宮都市の探索者による『轢き逃げアタック』! 


 元魔王軍幹部の二人とラングレイ、レイトを瞬殺した探索者達は迷宮の話をしながら去っていく……何という野蛮な奴ら、下手なスラムより治安の悪い迷宮都市が周りから腫れ物扱いされる所以である。


「あ、あわわ」


 突然の化け物襲来に、それでも自身を庇ったラングレイに狐さんは慌てて駆け寄った。しかし彼女は今まで人を介抱などしたことが無い。

 倒れ伏すラングレイの横に膝を突き、ただただオロオロとしているとその気配に気付いたのかラングレイが薄らと目を開いた。


「よかった……怪我は、ないかい?」


 キュンッ、と。俺の身体がときめいたのを感じる。おい、やめろ。ソイツ知り合いなんだぞ。


「あ、あ、あ」


 狐さんが壊れた機械のようにギクシャクと不自然な動きをする。不思議そうにラングレイはそれを見つめていた。やがて、意を決したように狐さんは言葉を紡ぐ。


「あの、な、名前……貴方の名前を……」

「ん? あぁ、俺は、ラングレイという」


 ラングレイ。そう、口の中で小さく呟いて、狐さんは何か大事なものを抱えるように胸の前で拳を握った。

 そんな彼女の耳元で俺は囁いた。


 忘れるな……この、俺の存在を……その身体……すぐに明け渡してもらう。


 肉体の中。魂の領域ともいうべき深淵から聞こえるその声に、狐さんはゾッと背筋を凍らせた。

 それでも彼女は目の前の男に心配をかけないように顔には出さず、彼に一言伝えたい言葉を口に出す。


「ありがとう」


 彼に対しての愛おしさ、それを大事に胸に仕舞い。自然と生まれたその笑みは……とても優しいものだった。





え?この話まだ続くんですか?(作者)

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― 新着の感想 ―
[良い点] 種族を超えた固い絆に乾杯! [一言] もっと続けてくださっても良いのですよ?
[一言] 狐さんがまるで邪悪な悪魔に体を乗っ取られそうなヒロインみたいだ……
[一言] あーに邪神ムーヴ出してんのさペペさぁん!?
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