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感染戦線  作者: ヘロおやじ
第 二 章 福 島 工 場  編
41/72

41.Pday 13日目

ようやく41号完成です


お楽しみ下さい


PM14:10 福島県双葉郡大熊町野上 万右エ門ダム 駐車場


俺と薮沢君は右サイドに有る駐車スペースへ、薮を突っ切ってショートカットをしながら、まず1BOXへ近づいた。


車の中は婦女暴行遂行中の為、多少の音は中には届かない状態なので、薮漕ぎも然程神経を使わなくても、2台の車には届かない状態だ。


『薮沢君、合図と同時に1BOXの中の敵を制圧出来るか?

無理なら田所に変ってもらうが』


俺は車の影に入ると無線で囁いた、骨伝導だから充分に聞こえるのだ。


『いえ、大丈夫ですよ! ああ言う連中を野放しにする訳には行きませんし、此方を早く制圧しないとキャンピングカーの中の、旦那さんと子供が危険ですから』


『無理をしなくてもいいぞ、遭遇戦で殺るのと違い一方的な殺戮になるので、かなり難易度は高い事態だからな』


『不思議ですがそんなに緊張していません、やはり日頃狩猟で動物を撃ち殺して居るせいか、自身の資質なのか解りませんが、以外と冷静に成っていますね』


『解った、UZIのセレクターはセミオートにして、一人ずつ慎重に片付けて行ってくれ。


くれぐれも人質優先だが、女性に銃を突付けて脅されても、決して銃口は敵から離さず、銃も捨てる必要はないぞ?


銃を捨てたら2人とも殺されるし、相手は容赦しないから隙を見て、躊躇わず射殺する事だ、良いな? 


銃を捨てなければ最悪一人は助かるし、2人とも助かるチャンスも、充分作る事が出来る!』


『ハイ、見敵必殺で行きますし、人質を取られても銃は決して離さず、隙を見て射殺します』


俺は銃撃戦での人質が取られた場合の、心得を薮沢君に噛んで含める様に話した。


日本のTVドラマや映画にある様に、人質を取られた場合、プロは決して銃は放棄しないものである。


その様な行為をするのはド素人か、馬鹿者以外まず居ないのが常識である。


アメリカ等の実写動画では人質を取られ、銃を離せと犯人が警告して銃を手離す警官は、まず100%居ないのが当り前だ。


責任有る警官なら、銃や武器を所持した犯人へ、態々(わざわざ)強力な武器を与えて開放する様な、無責任な行動をする馬鹿は居ない。


目先の人質を助けても追われる犯罪者は、一度上手く行った人質作戦に味を占め、必ず第2・第3の被害者を量産するのを躊躇わないからだ。


その様な犯罪者に態々強力な武器を与えて、放流すればどう言う結果を招くか、少しでも想像力が有れば解るし、警察学校へ真面に通って居た警官なら、基礎的な事例として学んで居る事だ。


日本のTVドラマ等は其の辺、見当違いな人権意識があり、人質に銃や刃物を向けられると簡単に、犯人へ武器を渡して開放してしまう、何処か狂った設定のドラマに成っており、素人はそれに毒されてしまっているのだ。


そうして人質作戦が通用すると思った犯罪者は、それに習って人質を取れば助かるかも知れないと、勘違いをして人質を取り逃げようと、悪足掻きをして被害者を増やす、原因に成って居るのだ。


もし人質を取った場合に武器は手に入らず、必ず射殺されると解って居れば無駄に足掻かず、大人しく捕まる道を選ぶだろう。


アメリカでは犯罪のプロは、いよいよと成ると素直に投降するのは、その事が解って居り無駄に抵抗して、人質を取ると即射殺されるか、後の裁判で不利になるので、無駄な抵抗は麻薬で頭が壊れて無い限りせず、大人しく逮捕されるのを選ぶのだ。


しかし日本の場合人質を取った犯罪者を、警察官が射殺した場合マスコミは気が狂った様に、大騒ぎをするのは何故だろう?


類推すれば彼らマスコミはWW2以降、左翼系が多く国内の治安を悪化させ、共産革命を起こす下地を作る努力をしていた様だ。


その為、お為ごかしに犯罪者の人権を出汁に、国民に甘い密を嗅がせながら実は、国民の生命財産を奪い、自身の欲以外何者でも無い、革命と言う悪魔の供犠へ、民の生き血を献上して居る、悪魔崇拝主義者なのだ。


本来の共産革命は資本家と言う、彼ら狂信者が悪魔と勝手にレッテルを貼った、悪徳商人から政権を奪回し民を開放する為の、手段であって目的では無い行為を、何を勘違いしたか手段を目的に、勘違いした馬鹿者の集団なのだ。


本当に大事なのは民の幸福である筈なのに、革命家は別な路線で革命が進行し、目的を達してしまったのに、気付かない迂闊者が多い自己顕示欲の強い者達だ。


自身の思っていた革命の道筋と違う手段で、本来の目標である民の幸福が実現したにも拘らず、それを台無しにする魔物に自身が成った、馬鹿で哀れな犯罪者なのだ。


彼らは社会不安を助長させる為に、彼らマスコミが洗脳的情報操作をして国民を、社会不安が増す方向に意識を誘導し、国内の犯罪を抑止する事より、多くの犯罪者を社会に解き放つ事で、社会不安を煽り革命の親派を増やし、社会に解き放つ地獄の戦略を取って居るのだ。


其の辺の洗脳を矯正する意味で、薮沢君に発破を掛けたが、どうやら上手く遣りそうだが、後のフォローはして置く用意は必要だ。


幾ら理屈で正しくても、人の心は一筋縄では行かない場合が多く、良く観察して置かないと成らないからだ。



『よし、じゃあ5カウントでスライドドアを、開放と同時に作戦開始だ。


レーザー・ポインタを、敵の急所に合わせて撃てば良いからな! 人質には当てるやなよ!


俺はキャンピングカーの方に、注意を向けて居るから、何かあったら声を掛けてくれ』


『了解!』


『・・・では、カウント開始。


5 4 3 2 1 アタック!!』


掛け声と同時に薮沢君は、1BOXのスライドドアを開け、驚いて固まった暴徒へ向けて、冷静にレーザー・ポインタのドットを当てて、引き金をダブルタップを行い6度引いた。


パパス・・パパス・・パパス


そして暴徒3名の無力化を確認すると、気が動転して居る女性を宥める。


「タ・タス・・・助けて! 何でもしますから、子供と主人を助けて~~~!」


『奥さん! もう大丈夫ですよ! 私は救助隊ですので落ち着いて下さい』


「ヒッ・・・、エ? ・・・ア・アナタは?」


『シ! 声を小さくお願いします。

自分はこの地区の自警団の者で、先程このダムを見回りに来て、貴女を見つけて助けたのです。


ご主人とお子さんは、あのキャンピングカーの中に居るのですか?

後残りの連中は何人居ますか?』


「アア! あ、あいつ等は後2人居ます、拳銃を持って居ますので、注意して! 主人は足を撃たれて酷い怪我なんです!」


『ハイ、必ず助けますが奴らが持っていた銃は、どんな銃でしたか? お巡りさんの持って居る様な拳銃ですか? それとも長細い箱の様な拳銃ですか?』


「二人共警察官を殺して盗ったと言って居ました。

黒くて、丸い穴が沢山空いた鉄砲2つです」


『解りました! 鬼山さん残りの奴らはニューナンブと思われる、銃で武装して居ますので注意して下さい』


『了解! 薮沢君これから突入するので、援護を頼むな?


中の奴らはまだ気がついて居ない様だ、助けた女性は悪いが運転席に移って貰い、頭を低くして隠れて居て貰いなさい。


後気分はどうだ? 吐き気は無いか?』


『了解しました! 鬼山さん気分は大丈夫です。

奥さんこれからご主人とお子さんを、助けますので運転席の方に移って、そこで身を低くして隠れて居て下さい』


「は・・・ハイ! 運転席に隠れて居ますので、子供と主人を宜しくお願いします」


『よし! ではフラッシュバン(音響閃光弾)を使って無力化した後、突入するので対閃光防御!


奥さん、大きい音と強い光が出る、人体を傷付けない武器を使います、目と耳を押さえてキャンピングカーの方を、見ない様お願いします』


俺は対人用M-84フラッシュバンを用意して、安全ピンを抜くとキャンピングカーのドアを少し開け、室内に放り込むとドアを半分閉めて、4秒後の発動を待った。


俺達の戦闘服に付属の折畳みヘルメットには、スピーカー内蔵のイヤーパットが付いており、大音量はシャットアウトしてくれるので、目を腕で覆い閃光だけを防げば済むので、片手は拳銃を保持したまま出来るので非常に楽で良い。


付属のバイザーには暗視機能の、ナイトeyeは付いているが、通常光自動光量調節用の遮光機能は、まだ反応が少し鈍いので念の為に遮光防御をして居るのだ。


現在のフラッシュバンは初期型の様な、人体の近くで作動した場合に、爆圧で負傷する危険性は無くなった、軽い火傷はする事はあるが。


機動すると細かいアルミの粒子が、気化して弾体より放出され、気化爆弾の要領で旧タイプ以上の閃光と大音量で、対象を8秒程麻痺させる事が出来るのだ。


使用後は弾体を回収して再度アルミ粒子と、放出用の薬剤を詰めれば何度でも、再使用可能で低価格な武器であり、尚且使い捨てでは無いのでエコであり、3個位弾体の予備を用意すれば、パッケージされた詰め替え品を使えるので、装備の軽減に繋がる優れものである。


使い捨てじゃ無いので安全ピンは、本体にケプラーの紐でつながっており、それごとキャンピングカーに投げ込み、3秒後に起爆した。


《ピカッ!》 バァーーーーン


閃光と爆発音が車内で響き俺は突入した。


突入後、まず運転席側を視界に収め、運良く閃光を見なかった敵が居ないかを、確認してから反対の室内を索敵した。


左サイドの床に旦那さんらしき太腿を負傷し、タオルで銃創を縛った男性と、傍にボーゼンと蹲った男の子を発見し、更に奥で20代位のヤンキー系の、トッポイ兄ちゃんが二人ソファーから、ズリ落ちて座り込んで、半分モーローとした暴徒を発見した。


一人は手にニューナンブ拳銃を持ち、もう一人は腹のベルトに拳銃を差して携帯していた。


俺はサプレッサー付きのM1991A1Aを、銃を持って居る暴徒の方へ向けると、ダブルタップで心臓付近に撃ち込んだ。

更にもう一人には両腕の手首に撃ち込み、両手を使えない様にして無力化した。


ヴヴシュ!  ヴッヴシュ!


「ウ″・・・・」


「ギャ!・・・イッテェ~~~! 痛てえヨオ~~~! 助けて~~~!」


「ウルセエ! 少し黙っていろ、じゃないと腹に鉛弾ぶち込むぞ!」


俺は騒ぎ出した、暴徒の片割れの顔を蹴って怒鳴ると、車外に向かって制圧した旨を告げた。


『こちらα1、車内は制圧した。


旦那さんは右太腿に銃創ありなので、α2応急キットを持って来てくれ。


α3は外で周りの警戒を頼む』


『了解! 今からメデカルキットを持って行く』


『α3、了解!』


俺は田所への連絡が終わると倒れて居る男性に、フラッシュバンの影響で耳鳴りがして居るので、耳の後ろへ骨伝導のスピーカー・マイクを当てると話かけた。


『聞こえますか? 私はこの地区の自警団の者です。 

先程外の車を制圧して、奥さんは無事救助しました、聞こえますか?


これは小さい声でも拾える特殊な、スピーカー・マイクなので大きな声を出さなくても聞こえますので』


『あ・・・有難う・・御座います。 女房は・・美紀は無事ですか?』


『ええ、奥さんは大した怪我も乱暴もされず、保護出来ましたから安心して下さい。


坊やの方も大きな音と光で、目を回しているだけですので、暫くすれば回復します』


そこへ田所が車内に入って来た。

そして銃創に巻いてあるタオルを外し、ハサミでズボンを切り開き傷を見分した。


「どうだ田所?」


「貫通銃創だな、幸い大きな血管や神経は無い場所なので、取り敢えず応急処置をすれば良いだろう。


処置が終わったらヘリを呼んで、付属病院へ搬送すれば心配は無い」


「解った、俺は子供を連れて奥さんの方に行く。何か有ったら連絡をくれ」


「了解」


俺は子供を抱いて車外に出て、奥さんの方へ行った。


子供を抱いて俺が姿を表すと、奥さんは車の運転席から、転がる様に飛び出して来て子供に抱きついた。


「恭平! 大丈夫? 確りして!」


「奥さん! 大丈夫です。


先程使った音響閃光麻痺弾で一時的に、目が眩んで耳鳴りがして居るだけですから、暫くすると元通りに回復します。


良くテロの時に警察が使う、音と光で目晦ましをして、犯人を捕まえる道具なので、危険は有りませんよ」


「ほ、本当ですか? 良かった。


主人は大丈夫でしょうか? 足を拳銃で撃たれて動けないのですが?」


「ご主人の命は今の所大丈夫です、詳しい事は病院で検査をしないと成りませんが、今応急処置して出血を起こさない様、処置をして居ますのでじきに、搬送ヘリが来て病院に搬送します。


後、奥さんどうしてこうなったか、事情を教えて頂けますか?

私も自警団に報告書を、書かなくては成らないので、其の辺をお聞かせ願います」


俺は彼女を落ち着かせる為、質問する事にした。




Pday 13日目

PM14:30 福島県双葉郡大熊町野上 万右エ門ダム 駐車場


「奥さん、その前に少々お待ち下さい。


オイ、薮沢君来てくれ。 キャンピングカーのゴミを始末するので、ちょっと手伝ってくれないか?


ああ、外は寒いし子供が風を引いたら大変なので、今車内を片付けますので、奥さんは少々お待ち下さい」


俺は子供を母親に託して、薮沢君と二人で室内に入り、暴徒の遺体と怪我をした奴を、車外に運び出して1BOXの傍へ置き、怪我をした男はタイラップベルトで、手足を拘束して置き車内の血痕を、雑巾で掃除をして痕跡を消して、代表謹製の除霊符を貼っておいた。


旦那さんの容態は盲管銃創で、中小の血管を多少傷つけたが、大動脈や神経は無事だった様で、後は病院での簡単な手術を、行えば問題は無いそうだ。


今は応急キットのモルヒネと抗生剤、バイオパットで緊急処置をしておいたので、当分問題無いとの事である。


搬送ヘリは田所の方から無線で指示して、出動して貰ったので後15分以内でここに、着陸出来るとの事である。


俺達は掃除の終わった室内に、奥さんと回復した8才位の男の子を、招き入れ話を聞く事にした。


旦那さんの方もモルヒネで、少し意識がハッキリしない様だが、大分楽に成った様で、簡単な状況説明位は出来そうだ。


「どう言う状況でここへ避難して来たのか、奴らとはどう言う関係か話してくれますか?


その前に自己紹介が未だでした。

私は浪江町の自警団所属であり、警備会社[ライジングサン]の、要人警護部・第一警護隊隊長でもある鬼山と申します。


こちらは同じく要人警護部・第一警護隊副隊長の田所です。

そして彼は浪江町の自警団所属の薮沢君です」


おれは落ち着いて来た奥さんに話を聞く事にした。

その間薮沢君がキッチンでお湯を沸かし、紅茶を淹れてくれたので皆で、お茶を飲みながら話す事にしたのだった。


ハンターカブから副食のチョコとクッキーも、用意しておいたので子供も喜ぶだろう。


「ハイ、私達家族は郡山市にある会社、栄進技研の研究機関に勤務していた、田宮と申します。


私は妻の田宮美紀と申します、栄進技研の素材科の研究員をしています。

こちらは夫の田宮俊次と申します、重合物質の研究員をしています。

そして長男の恭平です。


私達家族はこのキャンピングカーで、政府のパンデミック放送を聞いた後で、直ぐに夫の提案で市街地から脱出しました。


伝染病のパンデミックなので市街地に居ると、何時感染しても可笑しく無い状況になるので、ともかく急いでマンションを出発して、近くの大型スーパーで保存の効く食品や、薬に日常品を出来るだけ多く買い込んで、人の少ない山に逃げ込みました」


車内を見ると食料や、生活用品が入ったダンボール箱が、かなりの量が積み込まれて居た


「それは旦那さんは良い判断でしたね、普通ならどう行動して良いか解らず、パニックになる人が殆どですが・・・・」


「ああ、それは私の趣味で・・・ゾンビ物の映画や小説を読んで居ましたから。


だから昔からもしパンデミックに成ったら、何てその当時は与太話の想定をしては、楽しんでいたのが役に立った次第です。


今回も本当は油断しなければ、色々対暴徒対策もしていたのですが、武器を使う間もなく銃でズドンと、やられたのは迂闊でしたよ・・・」


「まあ素人さんでは、幾ら想定や訓練をしても、経験が無いとヤクザ崩れやヤンキー共の様に、暴力に慣れている連中を相手では、分が悪いですからね。


命が有っただけでも幸運だったと感謝しないと」


「本当にそうですね、場慣れして居る奴らには研究ばかりして居る、インドア派では力不足でした。


学校を卒業して8年も経つと、昔取った杵柄の武道も錆び付いて、直ぐに体が動かなく成って居ますから」


「そうですね、体術は毎日少しずつ体を維持しないと、直ぐに錆び付くので鍛錬を欠かすと、覿面に思った様に動けなくなりますから。


ご主人は因みに、何か武道を嗜んでいたのですか?」


「ええ、古流手裏剣術を趣味で習って居たんですが、一応師範の免状もあるのですが、ここ4年は仕事が忙しくて、鍛錬も録にしていなかったのでね」


「手裏剣術と言うと確か棒手裏剣も、使えるのですよね?


あれは一頃嵌って手を出したのですが、難しくてスローイングナイフで、終わりにした思い出があるのですが、しかし今時暗器の技を習得するとは珍しい」


「いえ、ヘソ曲りだったので人のやらない武道を習おうと、偶々門を叩いた古武道の師匠が、手裏剣術の先生でしたし才能も有った様で、目を掛けて貰ったのが切欠でした。


そんな訳で、このキャンピングカーには隠しスペースが有って、クロスボウやコンパウントボウ、スローイングナイフや仕込み杖等の、武器や護身具が結講隠して有るのですが、使う前に撃たれたら何にもなら無かったです。


そんな訳で早めに避難していわき市の方へ、移動していたのですが彼方でも、既に市街地にパンデミックが発生し、ゾンビが徘徊していたので、此方のマイナーな溜池と言って良い、ダム湖に避難していたのです」


「奴らと接触したのは何時ですか?」


「どうも昨日の深夜に近くの雑木林の中から、こちらを伺って居た様で、襲われた後で奴らが話して居た内容からすると、白河市在住のヤクザ崩れか、ヤンキー系のチンピラの様でした。


パンデミック前にいわき市方面へ、遠征に出ていて帰ろうと思って道を戻ると、主要道が事故や崖崩れで道が封鎖されて居り、帰るに帰れずいわき市のスーパーや、ショッピングモールを荒らしていたそうです。


そしてよいよゾンビの数が増えて来たので、町中に居られなくなりこちらの山に、逃げてきたとか話してました」


「それで奴らは先程襲って来たのですか、しかし我々が此処へ見回りに来て、非常に運が良かったですね。


後1時間遅かったら取り返しの付かない、事態に成っていたでしょうね。


解りました、有難う御座いました。

俺は外で生残りの暴徒の尋問をして来ますので、席を外しますがゆっくり休んで下さい」


俺は田宮一家に断ると車外に出て、先程生かしておいた暴徒へ尋問する為に、外へ出て奴に近づいた。




Pday 13日目

PM14:45 福島県双葉郡大熊町野上 万右エ門ダム 駐車場


手首を撃って放置していた奴は、何とか立ち上がろうと藻掻いていたが、両手首の関節を撃ち抜かれて、タイラップ(プラベルト)で手足を拘束されて居るので不可能だ。


近づく俺に気付いた奴は、鼻血で汚れた顔を向け、怯えた様子で俺を見た。


「オイお前、運が良かったな! 仲間内で生き残ったのはお前だけだぜ。


他の連中は皆あの世行きだからな。 このご時勢で犯罪をする奴は、国が私刑を認めているのを知らんらしいな?


要は俺ら自警団がお前を射殺しても、後でお咎めは無いと言う事だよ」


「う、嘘だ! そんな筈は無い、投降したら助けるのは当り前だろ?」


「何を勘違いして居るのか分からんが、投降して助けるのは正規兵のみで、ジュネーブ条約で決められた戦時法だぜ?


お前の様な奴は所謂暴徒と呼ばれる、犯罪者で山賊や盗賊と同じく討伐されたら、この様な緊急事態の場合は死刑にしても、誰も俺を責めないし、賞賛こそされお前の人権や、権利を守る奴は居ないな。


平時でサヨちゃん系の弁護士や、被害者の無念を無視する馬鹿な集団は、何処にも居ないのさ。


だからお前の仲間4人を見てみろ、俺達は簡単に射殺してしまったろ? 


これは特別な処置じゃ無いぜ、このパンデミックが起こった後、政府が臨時立法でパンデミックが終息するまで、国内の治安を最低限保つ為に、地方自治組織に地域毎の自治権を移譲し、刑の執行を委託したんだよ」


「ど、どう言う事何だよ?」


「要はパンデミックの終息宣言を、日本国政府が宣言するまで治安維持上の、司法権や刑の執行権を町村単位で認め、余程悪質な事例が認められない限り、責任は問わないと言う事だ。


早い話この事態で凶悪犯罪をする馬鹿は、殺しても良いよと国がお墨付きを発行したんだ。 解ったかね?」


「お、俺は何もしてはいねえぞ! 女を襲っても居ないし罪を犯して居ない」


俺はニューナンブ拳銃を取り出すと、奴に見せながら問い質した。


「この銃は警官が装備して居る、ニューナンブ拳銃でお前が持っていた方の銃だが、何故か1発弾が発射されて空薬莢が入って居るのだが、お前の仲間が持って居た方は、4発とも未使用の様だ。


何故お前の持って居た銃が解るかと言うと、お前の銃には盗難防止用の紐が、まだ残って居てぶら下がって居たんだよ。


お仲間の方は几帳面な奴だった見たいで、キチンと外されていたからね、だからお前が旦那さんの足を撃ったようだな!


被害者家族からの証言では、この銃は警官を殺して入手したと、聞いたしその通りなのだろうから、お前らを充分処刑する条件は揃って居るのさ」


「お、俺は殺って居ない! そ、そ、そうだ、その銃はゾンビに

成った警官から頂いたものだ! 俺は何にも知らん、旦那を撃ったのはそこで死んで居る、林の奴が撃ったんだ」


「おや~~、変だなぁ? 旦那さんに聞いたらお前に撃たれたと言って居るし、銃の残弾を見てもその通りの事実しか、見つから無いのだがね。


所でお前さんの名前は何て言うんだ?」


「俺は山佳、山佳昌平と言います」


「山佳ねぇ・・・・。 察する所[崔]チェさんですか? 最早日本じゃ通名は偽証になると、法律を改正したの知らないのかな。


それとも帰化人かねぇ? どちらにしても出身国に帰った方が、今後この国に残るより遥かに楽だよ、パンデミック時に日本に攻め入った、敵性国の国民は非常に、住みづらい環境に成ったから。


半島系の人間が罪を犯したら、通常時でも厳しい罪状になるし、今だと漏れ無く処刑が待って居るからね。


まあ、戦後君らの民族と国が何れ程我が国を、世界中でヘイトして来たかK流が流行った御蔭で、皆知ってしまったから最早、サヨちゃん以外容赦はし無いよ」


こいつは本名を言い当てられると、明らかに動揺していた。


「まあ外国人で罪を犯した者を、今まで日本は甘やかして来たが、今や一般の日本人に反日思想の特亜が、何れ程嘘の歴史を盾に日本で犯罪をして来たか、日本人の5割以上にバレてしまったからね。


もう君らを庇って居た朝日ちょうにち新聞も、フジ・毎昵新聞系列も無くなってしまったんだ。


お前も日本で生活していて解って居るだろうが、戦後日本では歴史捏造が、一番出来にくい教育制度だったのを、国民が一番良く解って居るから君らの本国が、幾ら歴史捏造をして詐欺を行っても無駄さ。


お前ら在日が騒げば騒ぐほど、日本人はお前ら民族が嘘つきで、裏切り者の恩知らずだと、確信していってしまうのだからな」


奴はコッソリと「チョッパリが!」と呟いたのを耳に止めた。


やはりコイツは在日のK国人系の犯罪者だったようだ。




こいつらは本当に凶悪罪を犯す率が高く、外国人凶悪犯罪の常習民族である。


勝手に怨恨を持って居る日本に留まらず、大抵の移住先の国で凶悪犯罪・売春等、治安を悪化させる行為を平気で行い、犯罪を行わない奴らも身勝手な行動をして居るので、彼らを嫌っている国は非常に多い。


その態度は傲慢で差別的であり、他人の迷惑等お構い無しで、決して反省はしないし、ASEAN諸国やその他のアジアの嫌われ者だ。


ヨーロッパでも特亜2ヶ国を嫌う国は非常に多く、俺の知合いの傭兵もC鮮人に背中を任せる馬鹿は居らん! とドイツ人傭兵に力説された時は笑った。


ドイツはヨーロッパで嫌K断突第一位である。


「あいつ等が我がドイツの、戦後の行動を都合良く捏造して居るが、我らを馬鹿にしているのか?


我が国はユダヤ人以外保証はした事は無いし、それも1度だけ行いそれ以降してないぞ。


他のヨーロッパ各国には、一度も保証金を払った事は無いし、恥知らずの乞食国家以外請求された事もない。


何故日本はあの忌々しい国に、金を払って居るのだ? 戦争で迷惑を掛けるのはお互い様だ。


そしてあの連中は戦争中日本人以上に、熱心に戦争に参加しようとしたと、家の祖父が言って居たし、当時は日本の一部でレジスタンス活動も、在米のC鮮人以外まるで行なって居なかったと、調べたら出た事実だろ?


何で日本人はあの連中に金を払ったのだ? 訳が判らないしすべき行動では無いな、理屈に合わないので止めた方が良い」


俺は彼に率直に答えた。


「日本人はあの当時、世界ルールを知らない者が多く、アメリカやソ連他UNの戦後プロパガンダに騙されたのさ。


ヨーロッパの国々程他国間で、国際紛争を余り経験してなかったので、負ければ相手の言いなりに成ってしまった。


本来日本はアジアを欧米列強から、開放しようと腐心していたし、もっと時間が欲しかったが、アメリカがハルノートと言う卑劣な最後通牒を、突付けて来たので時機尚早だったが、アメリカとの戦を決意したのさ。


これはダグラス・マッカーサーが回顧録で、言及していたから読んで見ると良い。


そして戦争後戦勝国の言いなりになり、彼らの捏造歴史を鵜呑みにし、それに異を唱えるとやれ右翼だ、戦争賛美者だと極左勢力に焚付られ、本来の動機を誤魔化されてしまった、馬鹿な国民性なのだろう。


だから本来嘘をついているK国人にも、お前らは嘘つきの裏切り者だ、と正当な抗議も国内にある売国奴の、マスメディアに攻撃されて主張出来なく成っていたのさ」


「それは酷いな! そんなマスメディアは国民が潰さないと、今に対外勢力の手下に成って、君らの国を内部崩壊に導くぞ」


「俺としてももっと皆に頑張って欲しいが、相手は超大国の米ソ中が許している、極めて悪質な癌細胞の様な連中だ。


それに日本人は正しい事は何れ、天が明らかにすると天任せにして、自ら反撃するのは非常に下品な行為と考える、甘い考えの思想があるからな。


本当は『天は自ら助ける者を助く』で世の中は、動いて居る事にまるで気がついて居ないのさ。


それに何時に成ったら気づくのか、俺自身誰かに聞きたいが、バレた時の反動は凄い物があるだろうね」


俺は彼にそう言ってシニカルに笑って答えた。




「馬鹿な奴だなお前は! 今お前ら在日は一番罪を犯しては行け無い時機なのに、態々またこの様な凶悪犯罪を犯して死にたいのかねえ?


まあお前らウリナラ国民は、例の船が沈んだ原因も解らず、何も学ばない何処か壊れた民族だからね。


同じ失敗を永遠と続けて何も反省はしないし、進歩も進化も関係無く只生きている、変わった進化の袋小路に入った、遺伝特性を持った集団だからね。


日本人とはDNA的に継がりのない、別民族であり只の隣人に過ぎ無い事が、DNA血統学でハッキリ物的証拠が出たのは、非常に喜ばしい限りだが、姿が似ているので成済まし日本人になり、迷惑を掛けんじゃないぞ迷惑な犯罪者民族が!」


「ウェノム(倭奴)が! 戦犯国家のくせしやがって偉そうな事言うな!


本当に反省が無い民族だ倭奴は! だから世界から孤立するんだ、馬鹿めが!」


奴は彼らが行なって来た、ディスカウントジャパン戦略の、捏造歴史プロパガンダを上げて嘲笑った。


「ああ、ウリナラ歴史ね? そんな架空戦記並みの捏造歴史で、俺が怯むとでも思ったか? 既に通用しない手を使うなアホ!


一つ良い事を教えてやろう、火事場泥棒的に日本に責め入ろうとした、本国軍が敗退したのは知っているな、あの後貴様らの国は我が国海軍に、海路と空路を閉鎖されて刑務所状態に成っている。


最終的にお前ら民族ではワクチン開発は出来ず、ゾンビに国自体が飲まれて滅亡するだろうな。


今世界でワクチンを開発が出来るのは、旭製薬がある日本が圧倒的に早く、3ヶ月後には初期ロットが完成する。


無論C国とC鮮にはこの時期、侵略戦争を起こしたペナルティで、ワクチンは世界中に行き渡った後、最後に提供する予定だ。


無論有償で先払いになるが、これまで散々日本に集って来た、泥棒国家なのだから無料と言う選択は無いし、相応の値段にて販売すると、総理は決めて居るようだね、それまで生き存えて居れば良いが。


兎も角命が惜しければさっさと、こちらの質問に答えるんだな!」


俺は銃を突付けて奴から情報を引き出した。


この手の奴は自分以上の苛烈さを見せないと、甘く見て言う事をまるで聞かずに韜晦して、逃げようと合作する人犬と呼ばれる、人外外道であり決して甘く扱えない、地獄の亡者の様な人格の持ち主だ。


だから俺は徹底的に追い込み、心をへし折る気迫と行動で、奴を追い込み情報を絞り取った。




Pday 13日目

PM15:08 福島県双葉郡大熊町野上 万右エ門ダム 駐車場


奴から情報を絞り取り終わる頃に、旭製薬から輸送ヘリのシーキングが、やって来たので駐車場の空きスペースに、LED発光器を3箇所セットして、ランデングスペースを指示して、着陸誘導をおこなった。


ヘリの音を聞いた田所と薮沢君が、キャンピングカーから出て来て、ストレッチャーを下ろした隊員を、負傷した旦那さんの下へ案内した。


そして田宮一家3人を乗せると、病院へ向けて飛び立って行った。


「お~い隊長さん、俺の怪我はどうするんだよう! このまま放っておく気かよ、手当してくれないか」


俺は初めて気付いた振りをして言った。


「おお忘れていた! 済まんなじゃあ手当をするか」


そう言うと俺はニューナンブを取り出し、無造作に引き金を引いた。


パン


屋外での38口径の銃声は小さな爆竹が、爆発した時の様に間の抜けた、音を立てて山に吸い込まれた。


胃の当りに先程弾頭を削って加工した、ホローポイント仕様の38スペシャル弾が当り、悶え出した奴に冷たい眼差しを送りその場を立ち去った。


札付きの犯罪者[崔]チェは無事地獄へ、逆戻りを果たすだろう。


コイツの犯歴を聞き出した時に思わず、ヘドが出そうに成っていたからだ。


歳は24才ながら未成年の頃から凶悪犯罪を繰り返し、この歳で犯罪のハットトリック達成者とは恐れ入った。


強請に暴行・恐喝・婦女暴行・危険ドラック販売、売春の後始末要員であり、どうやら人も何人か殺して居るようだ。


痛みのあまりのた打ち回る奴を無視し、おれは田所と薮沢君の所へ行き、奴から聞き出した情報を伝えた。


「しかしあの歳でご立派な奴のようだな、まあ鬼山隊長が地獄の責め苦であの世行きにしたのは、久方振りに見たが仕様が無いね」


「そうですね、始めは随分な扱いをすると思いましたが、やって来た事を鑑みれば仕様が無いですね。


これで奴に酷い目に合わされた、被害者の無念も少しは晴らされるでしょう」


「まあな! 奴にはコッソリ代表謹製の爆霊の符を、付けて置いたので地縛霊や浮遊霊に成って、他人に迷惑を掛ける事は無いだろ。


先程はキャンピングカー内にも、除霊符を貼って置いたのでそこで死んでいる馬鹿の、念や霊もあの車には侵入不可だろうな」


「爆霊の符って何ですか?」


「ああ、爆霊の符とは逆恨みする馬鹿や、自分は悪く無いとまるで反省しない霊を、強い念に因って散らして仕舞う、爆弾の様な効果がある除霊符なのさ。


逆恨みする特亜系の馬鹿の霊を散らす場合や、始末しても逆恨みする馬鹿を、根本から消滅させる怖い対霊兵器だ」


俺は余り感情に任せて人を始末する事は少ない。


戦場では外道やどうにも成らない、サディスト等其れこそ周りの環境に因り、精神のバランスを崩して仕舞う奴は多い。


しかしコイツは普通の生活をしていて、此処まで精神を落とし汚穢に塗れた奴は珍しく、代表が良く言って居た反省しきれなかった、地獄霊の成れの果てなのだろう。


「しかし白河市も大変だろうな、奴の所属していた組織が手付かずで、自治体の治安状態は酷い事に成っているだろうな」


「こちらに遠征して来なければいいが、[草]に注意を喚起しておいて要監視対象にしよう」


田所が不安そうに言った。


「おい、フラグを立てる様な事を言うなよ、それで無くてもお前が言うと洒落に成らんからな、フラグメーカーの田所さん。


しかし奴らのリーダーは、集団型のサイコパスの様だから、心配ではある様なので、会社に帰ったら代表と相談して置いた方が、良いだろう」


俺達は新たな問題は代表に、丸投げする事にして温泉宿に行く事にした。


「そう言えばキャンピングカーはどうする? この侭じゃ不味いだろう。


さっき見たのだがカブなら一台位、載せられそうだから誰か車で行くか」


「じゃあ俺が行こう、カブを中で固定するのを手伝ってくれ」


田所がキャンピングカーにハンターカブを積み、宿まで行くことにした。




Pday 13日目

PM15:12 福島県双葉郡大熊町野上湯の神  玉の湯温泉


「昼頃ここは通ったが、本当に山の中の秘湯と言う感じだな。


3軒の湯宿があると言って居たが、今日は何処に泊まるのかな?」


「今回は川側の湯元旅館にしました、此方の方が要塞化工事が楽だったので、先に要塞化工事が終わって居ますので、こっちにしたのです。」


「確かに山側は工事が大変そうだな、斜面の木は切り倒しが終わって居るが、あそこに壁を作るには結講時間が掛かりそうだ」


「ええ、最初見晴らしの良い柵状の壁を、考えたのですが銃撃を受けた場合と、撤去の手間を考慮して、鉄板壁にする事にした様です」


「そうだな、木柵ではゾンビにも暴徒にも心許ないだろう」


「だからあそこの宿は今の所、何か有ったらこの宿に、避難する体制に成って居ます。


こちら側は川側なので、平地が多く駐車スペースも、結講有りますから楽ですよ」


そう話していると田所がキャンピングカーでやって来た。


「ご苦労さん、どうだった乗り心地は」


「悪くは無いな、S樹脂でコーティングして、下回りを防護と板排土板を付け、タイヤをチタンで覆えば充分使えるな。


後で代表に指揮車として強化型を、導入する様具申しても良いだろう、元が2tトラックだから4駆タイプなら、走破力も結講あるだろうし、枯れた車体だから信頼性もある」


「パネルもチタン板を多用すれば、S樹脂と合わせて90mm砲以上でも、弾き返せるだろうからな。


何より疲れたら寝られるし、スペースが広いから装備も、かなり積めるのが良いね。 


フム、俺からも推薦しておこう」


俺達はキャンピングカーを見ながら、そんな話をして居ると、先に宿に入った薮沢君が呼びに来た。


「お二方、そこで長話も何ですので宿に入りませんか?

宿の主人を紹介しますので」


「ああ、済まん今行くよ」


俺達はバイクから武器とその他諸々が入った、ザックを下ろすと薮沢君の後に続いて宿に入った。


宿に入ると此処の主人らしき、40代の男性とその妻らしい女性が、出迎えてくれた。


「いらっしゃいませ、私はこの宿の主人をして居ます、麓山と申します、こちらは妻で宿の女将である茉子です」


「始めまして、私は警備会社[ライジングサン]の、要人警護部 第一警護隊隊長を拝命して居ります、鬼山と申します。

本日は宜しくお願いします」


「同じく副隊長の田所と申します」


「まあこんな場所では何ですので、お部屋に案内致しますので、着いて来てください」


俺達は主人夫婦に案内されて、部屋まで行く事にした。


部屋はリバーサイドにある部屋で、そろそろ紅葉の始まった渓流沿いの、落ち着いた和室であった。


「ああ、良い景色だなー、その内代表も一緒に来られると良いのだがね。

あの人は忙しいからそんなに気軽に、出かけられないのだがな」


俺達は部屋に案内されると、荷物を下ろし各々寛ぎだした。


俺は女将さんに風呂の場所を聞き、早速装備を脱いで浴衣に着替えて、大浴場に繰り出す事にした。


「じゃあ夕飯は6時にお願いします、後キャンピングカーはあそこに、駐車していて大丈夫ですか?


我々の車じゃなくて途中で助けた、避難民の持ち物なので暫くここで、保管していて欲しいのですが」


「ええ、構いませんわ。 このご時勢ですので他所からお客が来る訳では無いですし、皆さん自警団の方々は言うなれば、お得意さんですから多少の要望は受け入れますよ」


女将さんがそう言ってくれたので、有り難く利用させて貰った。


そして我々3人は風呂へ向かったのだった。


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