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感染戦線  作者: ヘロおやじ
第 一 章 調 布 編
29/72

29.Pday 9日目

どうも事件が関わると、文が長くなる傾向が有る様です。


今回は15才以下が、旅立つシーンが有りますので、嫌なら飛ばして下さい。


悪質な犯罪者はやはり、一切の成約を設けないで被害者の、無念をまず晴らしのが先決だと、作者は思って居ますので、年齢の過多に拘らず処分すべきと思ってます。


この考えは間違えだと思う方は、読まないでパスした方が良いと思います。

AM10:50 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 西4階調理教室前


「甘莉さん、何か〝視"えたのですか?」


多少は俺の事情を知って居る、蒔田君が聞いて来た。


「かなり詳しくね! 子供がやった事と笑って許せる、限度を超えた事を行った馬鹿には、相応の〝罰"(ばち)を当てないと、示しが付かないからね」


おれが冷静に返すと、蒔田君はやはり波動には敏感なのだろう、只ならない俺の気を感じたみたいだ、顔を青くして思わず黙り込んでしまった。


伊田君も〝気″を感じるのか、彼を見ると俺の出している、殺気を感じて顔を強ばらせている。


おれは〝気″を緩め、二人に訳を話した。


「伊田君は知らないだろうが、私は陰陽道を修めていてね、人の出している強い念や思いを、受けてしまう時があるのだ。

それだけで無く、その人の守りに着いて居る〝者″から、事情を説明される事も有るのだよ。


今回彼女の受けた仕打ちに対して、流石に子供のした事だから水に流す訳には、行かない程の犯罪をして居る餓鬼・・に、けじめを着けさせないとね」


「そんなに非道い事をしたのですか? その子達は」


「ああ、先程も言った様に、〝守りの者″からの情報提供は、言葉ではなく追体験とでも言うべき、バーチャルな情報なのだよ。


又彼らが、日常彼女に対して行なって来た、陰湿で小狡い行為を目の当たりに〝視"せられてしまったのでね」


「と言う事は、その子達は悪質な詐欺師系の嘘を着き、大人を騙す良く居る一見いい子ちゃんタイプの、陰湿なイジメをする連中ですか?」


「ああ、蒔田君の友人はその手の陰湿なイジメをする、悪質な奴らの所為で、無念の最後を辿ったのでしたね」


「その通りです、以前代表に話した通り寄って集って幼馴染が、イジメ殺されましたからね!

しかしイジメに加担した奴らは、巧妙に立ち回ったのでお咎めなしでした」


「先程彼女の守りから伝えられた事は、それに匹敵する悪質さでしょうね、パンデミックが起こらなかったら、後1月持ったかどうかの陰湿さですから。


男女生徒と教師も加わった、クラス包みの一番質の悪いタイプの犯罪ですので、私としては加害者側に相応の責めを負って貰いますよ。


一番の加害者はここと、体育館で幸か不幸か生きながらえて居ますのでね」


「私は裁定を代表にお任せします、お手伝いする事が有れば自分の責任に置いて、手を貸しますのでどうぞご自由に」


「伊田君はどうします? かなりな行為になると思いますので、耐えられ無いと思うのでしたら、田辺君の所へ合流していた方が良いですよ?」


「いえ、私も高校の頃人とは変わった価値観を持って居たので、その手の奴らの標的に成った事が有ります。


私の場合ハッキリした目標と、古武術を修めて居ましたので、目に見える行動には出ませんでした。


しかし蔭に回っていやらしい行動を取って来たので、リーダー格の奴の住所を突き止め、最初はカギに瞬間接着剤を差したり、生ゴミを扉の前に撒いたりしたのです。


しかし相変わらず止めなかったので最終的に、ネットへ奴らの本名と住所・電話番号入のお誘い書き込みを、ホモサイトに掲載したら翌月から、学校に来なく成りました、全く根性の無い薄っぺらな奴らですよ。


そう言う訳で、奴らの汚いやり口も手口も良く解っていますので、今更そいつらがどんな裁きを受けようと、大勢で寄って集って一人をイジメ殺す連中が、どんな目に会おうと自業自得だと思っていますので」


俺と蒔田君はその報復のあまりの凄さに、思わず顔を引き攣らせて身を引いてしまった。

こいつは絶対怒らせては、不味い奴だと認識した。


「ではこの後私がどの様な行動を取っても、黙って見ていて下さい」


俺は二人にそう言い置いて、調理実習室に向かった。

田辺君を外したのは、彼が今までイジメの実害を、自身で身を持って体験した事が無いからだ。


もし彼が一緒だと加害者に、不必要な慈悲を与え、彼らの逃げ道に使われ兼ね無い。


この手の悪事を行うクズ人間は、自身の利益の為なら何でも利用し、責任転嫁をして罪を逃れようと、合作する質の悪さを本能的に持って居る、狡猾な確信犯だからだ。


蒔田君や伊田君はその毒を自ら被った事があり、相手の強かさ、厚顔さを経験しているから、騙されにくいのだ。


私? 私は除霊をして居る時に、胃の中を戻す程に経験しているのだが? 

今更騙される程純真無垢(物知らず)じゃ無い。


俺達は調理実習室の前に立った。




Pday 9日目

AM11:12 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 西4階調理実習室前


俺はカギがかかって居るのを確かめ、調理実習室の戸を叩き、声を掛けた。


ドンドンドン・ドンドンドン!


「誰か居ますか? 私たちは隣の町会の自警団です。

この校舎のゾンビの掃討は終わり、安全は確保しました!

誰か居ますか~~?」


戸の内側で気配がすると、扉超しにこちらへ少女が、声を掛けてきた。


「あ、あの、助けに来てくれたんですか?」


「ええ、私達は隣の水原町の自警団だけれど、この校舎内のゾンビは掃討した、もう安全だから出てきても大丈夫だ」


「本当ですか? 良かった、助かったよ! 麻里・省吾助けが来たよ!」


「えええ! 本当か? 早く開けろよ」


「ミーコ、助かったんだ! 良かった~」


中にいる子達が慌ててカギを開け、扉を開き中から飛び出して来た。


「お兄さん助けてくれて有難う! もう怖くて、怖くて、いつあいつ等が扉を壊して入って来るか、わからなかったの!」


ミーコと呼ばれた、髪が肩で切り揃えられた、可愛い系の少女が、上目遣いで訴えてきた。


「有難うございます! 助かりました~」


こちらは麻里と呼ばれた、ウッスラ茶髪にした髪を、肩甲骨の中程まで伸ばした、男好きのする容姿の少女が、目を潤ませてお礼を言った。


「あ、あのう、助けてくれて有難う御座います、お陰で奴らに喰われず助かりました」


如何にも好少年と言った立ち居振る舞いの、解らない程度に髪を染めた優等生ポイ少年が、省吾と呼ばれる子だろう。


おれは何も知らない振りをして、彼らに答えた。


「やあ皆さん、私は隣の町会で自警団の長をしている、甘莉と言います。


今回、町会内の安全をある程度確保出来たので、周りの治安の確保する一貫で、ゾンビに呑まれたこの中学校内のゾンビを、一掃する目的で今日はやって来ました。


後は生存者の保護と、周りの状況確認も含めてですが。

しかし君達は食べ物をどうしていたんだい? 調理実習室だから、食料は有ったのかな?」


「はい、幸い次の時間が、調理実習の実技が有ったので、ここには充分な食料が有りました。

お陰で3・・で、後10日は持つ量が有ったので、何とか持たせることが出来ました」


ミーコと言われる少女が答えた。


「それは運が良かったな、所で君たちの名前を教えてくれるかな?」


「あ、済ません、私は2年2組 葉山 美子(よしこと言います」


「私は同じく2年2組 佐藤 麻里です」


「僕は、2年2組 藤堂 省吾と言います、宜しくお願いします」


これは一見どの子も真っ直ぐ育った、イジメ等をする様には見えない、素直そうな子供達に見えるが・・・・・・・しかしダナ。


幾ら取り繕おうが、能力者である俺から見ると、頭隠して尻隠さずの状態にしか見えない。


御霊の輝きを見れば、その人間の性など簡単に透けて見えてしまい、どう擬態しようがバレバレで、興ざめも良い所なのだがな。


しかし単純で馬鹿な、DQNでは無い所が味噌だ。


普段は優等生を取り繕い、陰では似た者達で獲物と定めた、生贄をジワジワ精神的に追い込み、責め殺す事に快感を感じる最低の地獄霊、それがこいつ等の正体だ。


「そう言えば君たち以外に、生き残った人は居ないか知らないかな?

実は内の町会に住んでいる子が、この学校に通っていて、その子の安否を確認する為もあって、今日は来たのだよ。


名前は高椋 由依ちゃんと言って、君らと同級生の2年2組だと聞いて居るのだが、行方を知らないかな?」


俺は何食わぬ顔で彼らの表情を見ていたが、ほんの一瞬3人の表情が変わったのを見逃さなかった。


「ああ、高椋さんは見なかったけど、麻里は知って居る?」


「う~ん、彼女はあまり転校してきてから、目立たなかったから私も良く知らないわ」


「僕もあまり親しくしていなかったから、解らないな~」


「そうか、私はここへ上がって来るまで、彼女が居ないか注意して見ていたんだが、この校舎には見当たらなかったからな~。


実は彼女のお婆さんと知り合いで、くれぐれもお願いされてきたのでね、ひょっとすると体育館に、避難して居るかも知れないか・・・」


俺は彼らにカマを掛けて、パンデミックから合って居ないと、彼らから言質を取った。

無論高性能ICレコーダーで録音も、忘れていない。


私の使って居るSDカードは128GBの容量で編集をする事は、事実上不可能な証拠能力の高い特殊な仕様であり、録音1回限りの高音質長時間録音の特殊なSDレコーダーだからだ。


本来一流の商売人は、契約をした事を守るのは無論であり、口約束も責任を持て無い者は、彼らのグループから相手にされない。


しかし悲しいかな世の中は、一流の商売人だけではなく、詐欺師紛いの手合いも横行して居り、言掛りを付けて小銭を稼ごうとする、奴らも多くこの様な器具を、携帯しなければならないのだ。


「そうですか、残念ですけど私達はずうっと此処にいましたから、あの日から会って居ませんよねえ?」


「ええ、会っていないわ」


「うん、残念だけれど知らないな」


「ほう、そ~なんですか?

解りました、実は貴方がたを助ける前に、彼女にお婆さんが預けたICレコーダーを彼女から回収し、再生して内容を確認したんですよ。


どうやらクラスでかなり悪質な、イジメに合っていた様なので、会話の内容を録音する為、大容量SDカードを搭載した物を、お婆さんが預けておいたのですが、彼女はそれを外から見えない位置に仕舞っており、だから無事回収出来たのです、皆で聞いて見ますか?」


俺は3人にニヤリと笑い掛け、先程由依ちゃんから預かったICレコーダーをポケットから、取り出して見せた。


実は由依ちゃんのお婆さんは、彼女がイジメに合っているのを、薄々感づいていたらしく、パンデミック発生の前日に、由依ちゃんに肌身離さず身に着けておくように、小型高性能のICレコーダーをネックレスタイプの鎖に着けて渡して置いたのだ。


彼女の持っていたICレコーダーは、旭工機製の超小型機種XX-2096Wと言う機種で、microSDカード128GBを使い、高音質録音を1充電で連続2000時間以上(83日)可能としたプロ用の機材だ。

電池もBJ電池を使い連続3000時間(125日)稼働出来る、防水ステレオ録音仕様の機械である。


3万円近くする決して安い物では無い、プロの戦場記者や営業マンが使って居る、衝撃や水濡れにも強い機械だが、それを孫娘の身の安全の為に買い与えた、彼女のお婆さんの気持ちに応えるために、おれはこれを有効利用させてもらう事にした。


それを首から掛け、パンデミック初日から先程助けられるまで、連続300時間録音して来た証拠がここにある。

実は先程由依ちゃんからそれを聞いて、預かっておいていたのだ。


それを聞いた3人組は顔を真っ青にして、引きつらせた。


「ああ、それと4日前に政府が決めた、非常事態特別立法と言う非常事態に使われる臨時の法律の事だが。


その法で、他人に対して意味なく死につながる行為をした場合、その行為をした者は、死刑が適用される事に成っているからね。


早い話、子供が腹を減らして老夫婦から食料を奪った場合、その子を殴り殺しても合法と言う事になるのだよ。


何故なら老人が食料を盗難されると言う事は、再度老人がゾンビを駆除しながら、新たな食料を得るのを強要する事であり、餓死か感染して死ねと言うのと一緒だ。


だから例え子供の行った行為でも、非常事態なので少年法は適用されず、罪を犯しても逮捕拘留して居る、物資も人手も無いので簡単に死刑が適用出来るのさ。


今回君達が行った行為は、これに該当する非常に悪質なケースでね、安全な場所からイジメの延長で、彼女を追い出した行為は明らかに、彼女の殺害を目的とした、残酷な殺人事件と断定出来る。


君達は非常事態下で、証拠が残らず残酷に殺人が行えると思っていた様だが、実は非常事態では犯罪者の人権は、一切無視され簡単に死刑に出来るのさ。


早い話、非常事態になったら犯罪者は即死刑にしても、国が認めると言う犯罪者に取っては厳しい事態になるのだよ、解ったかね?」


俺はイジメの主犯格である、彼らの顔をマジマジと見ながら、安部内閣が新たに適用した、非常事態による臨時立法を、彼らに説明した。


この非常事態の臨時法は、国が再度法的な執行機関を立ち上げ、原状回復宣言をするまで有効な法的根拠を持ち、犯罪者に対して非常に厳しい内容になっている。


非常事態法が行使される条件として、災害・戦争・爆発感染等による社会制度の崩壊時に、生存者の最低限の生存権を守る為、凶悪犯罪者や生存に関わる犯罪から弱者を守る為に、行使される正に非常事態に対処した法律である。


又、非常事に於いて犯罪者を悠長に、貴重な食料と時間・人手を使い、判例に則った刑罰を施行するのは物理的に不可能な為、犯罪被害者の権利が優先させられる事となる。


因って、犯罪者の人権は一切停止され、厳罰主義により治安を維持する目的で、施行される法律である。


以上の理由により、複雑な刑法は適用されず、追放・無償の重労働・死刑等の単純な刑罰しか適用出来ないため、犯罪者に取って自身の権利は無くなり、犯罪行為は即死刑か無武装での追放刑、軽くて重労働刑となる。


その為気軽に暴徒に成った者は、今後狩られた場合その場で即処刑がルールになる。


「私はこのICレコーダーを回収した時、彼女の発言やどうしてそんな場所に、彼女がいたかダイジェストで聞いたのだ。

どうやら君ら三人が、彼女をイジメていた主犯格のようだね?


そして由依ちゃんを、ゾンビの居る中へ追い出した時間が最大の問題だよ? いつだったか覚えて居るかね?


一昨日の朝9時36分だったね、その時は既に非常事態法が適用されて、2日以上経った時間なのさ。


このICレコーダーは録音された日時が、音声と一緒に記録されるタイプでね。


これから行われる町会に於ける、簡易裁判の有力な証拠に成るもので、まあ死刑は確定だろうが仕様が無いね、自業自得なのだから」


「な、なな、何で私達があんな女の為に、罪に問われなければならないのよ!

フザケンジャね~ぞ、私は出てく!」


ミーコと呼ばれた少女は、今迄被っていた化けの皮を脱ぎ捨てて、逆ギレして校舎から外階段に向かって、走り出した。

他の子達も彼女に続き、走り出した。


俺は彼女の背中に声を掛けた。


「いや~それは助かるよ、わざわざ私達が手を汚さず勝手に自滅してくれるのなら、手間がはぶけるからな。」


おれはニヤリと笑い、一緒に逃げようとした3人へそう言った。


「言っておくがこの近辺は、水原町会がほぼ仕切って居るから、君らの居場所は無いし、校庭にはゾンビがウヨウヨ居る状態だからね。


後この近辺の自治会は、内の町会と提携して居るので、指名手配は直ぐにされる事になるので、少なくとも30kmは離れた土地に行かないとまずいな。


内と提携して居る他所の自治会に発見されると、問答無用で逮捕後即刑が執行されるから、頑張って逃げなよ。

君達の顔写真はこのヘルメットに付いている、CCDカメラに高画質で録画しておいたから、手配写真も簡単に作れるしね。


後もう一つ悪いニュースを教えてやろう。

間も無く都心部で生存者が居なくなる、するとそこに居るゾンビは生存者を求めて、大移動を開始するそうだ。

ゾンビのスタンビートと呼ばれる現象だがね、C国から我が国のエージェントが調べた、確度の高い情報であり、日本の人口の少ない中小都市で実際に、起こっている現象だから間違いは無いだろう。


だからそこから見える崖下の、内の町会の防備を見てみな、どうしてそこまで守りを固めているか、理由が解るだろう?」


彼らは廊下の窓から見える、町会の擁壁の厚さ・高さ・規模を見て、改めていま俺が言った事が脅かしの為の、ハッタリでは無い事に気づき、顔を青くした。


「ねえお兄さん、彼女にしたイジメは悪かったからさあ、お願いだから助けてくれない?

何でもするし、奴隷になっても良いからどうか助けて下さい。


大体イジメをしたのは私達だけじゃないし、担任の高田だって見て見ぬ振りをしてたんだ、それどころかあの女を皆んなの前で無視したり、自分で汚した床を奴のせいにして、臭い液を無理やり素手で拭かせたりしていたのにさ。


後、吉田 優樹や斎藤 誠・谷部 慶太それと女子では前川 皐月や越谷 沙織に刈谷 恵の6人だって同じく、非道いイジメに参加していたんだ。


クラスの他の奴らも、見て見ぬ振りをしていたんだから、皆同罪でしょ!

何で私だけが死刑にならなきゃ行け無いのよ、お願い助けてよ」


「私も何でもするから助けて! お願い!」


「もうしないから勘弁して下さい!」


彼らは必死で詫びをして助かろうと必死だ。

所謂『支那人の後悔』別名喉元過ぎると恩も忘れる、忘恩の徒がする後悔のなのだ。


3歩歩けば忘れる類いの、空手形でありこの手の詐欺人格の持ち主は、典型的な人に厳しく自分に大甘な裁定者であり、我侭勝手な最早その性格が矯正される奇跡は、起こりえない者たちである。


良く人と言うものを知らない、法曹間系者が犯罪者に対して、改心の姿勢が見られると阿呆な判決を述べるが、彼ら生来の詐欺師は刑務所に入って、より巧妙な手口を考えて出所後、どうやって一般人から簡単に金を毟り取るかを計画するものだ、と言う当前の事が解って居ない。


彼ら法曹間系者曰く、『99人中1でも、改心する可能性がある犯罪者が居れば、重罪に問えない』と。


しかし考えて見れば、他の99人の犯罪者が世に放たれる事を意味するのだ。


彼ら弁護士や裁判官は、その恐ろしい犯罪行為に対する責任は取らず、どう言う訳か社会制度の歪が、犯罪を誘発すると言う訳の解らない、理論に寄って自己正当化をする始末だ。


しかし考えて見て欲しい、所詮この世は神ならぬ不完全な人が作る世の中だ、始めから不完全な社会しか出来ないのが前提だ。


その不完全な世の中で、必死に決まりを守って生きていく人と、同じ社会に住んで社会の歪で犯罪に走った犯罪者、どちらを優先して守り優遇するかを?


この様な余りにも基本的な優先順位を忘れ、犯罪者の人権を守れと合唱する者に対して、俺は決してエールは送れない。


やはり同情は同情、犯罪の清算は清算で別個にして、まず被害者の無念に対して充分に斟酌した判決をした後で、犯罪者個人の情状酌量や減刑を、被害者や被害者家族を交えた、裁定機関で審議してまず被害者の裁定を優先して、決めるべきであろう。


早い話刑罰が嫌なら、2度と罪を犯して刑務所に入所したくない環境を作り、刑罰を厳しくして入所と考えただけで、2度と罪を犯さない様にしないと、今後犯罪は増えこそすれ、減ることはないだろう。


彼ら犯罪者は甘やかされて育った、餓鬼と同じメンタリティーの持ち主で、罰を与えた社会を憎み、決して自身を変えようとはしない。


彼らに同情し慈悲を与えるのは、ギャンブルで身を持ち崩した者に、無償で金を貸す行為をしているのと一緒だと、馬鹿な慈善家と同じだとどうして気付かないのか?


更にそれより罪は重くすべきなのに、職業的詐欺師を損尺詐欺なみの、刑罰で直ぐに社会に犯罪者が復帰する仕組みを作る、地獄の行為では無いかと俺は思って居る。


だから彼らに対しての同情心が浮かぶ余地は、俺には無かった。


「ホウ! ではお聞きしますが、彼女を部屋からゾンビが徘徊する、地獄の様な廊下に追放する時、彼女は必死に君達外道に謝り懇願しましたが、貴方達はどうしましたか?」


彼らは俺の質問に言葉を詰まらせた。


「私は同害原理を信望する者です、同害原理とはモスレム信者のコーランで信望されて居る考え方で、本来ユダヤ教徒の思想原理の一つだったのですが。

『目には目を、刃には刃を、恩には恩を、友愛には友愛を』と言う考え方です。


もし彼女の持っていたレコーダーに、彼女を弁護する人の声が残って居たなら、私はその人を助けたでしょうね。


お聞きしますが貴方達は、自身を弁護する自身の言葉を出しましたか? 何の瑕疵もない彼女を、楽しみの為追放する時に、誰も彼女を助け様としなかったですね?」


俺は[バイパー]を向けながら、彼らにそう聞いた。


やはり幾ら厚顔無恥な犯罪者でも、自身が一方的に犯した犯罪の証拠を握られての断罪に、グウの音も出ないようだった。


しかし先程から真っ先に騒いでいた、ミーコと呼ばれる女生徒が逆にキレた。


「い、いいわよ! あんな糞の為に死ぬなんて真平ごめんよ! 私は出てくからね!」


「私も知らない、勝手にすればいいだろ、このバカ供!」


「全くだよ、何であの根暗女の所為で、俺が死ななきゃならないんだ?」


そう言うと彼らは外階段を開け、校舎から出ようとした。


「皆さんに選別を上げます!」


俺はそう言うと、彼らの足を抉る狙いで[バイパー]を発射した。


パス・パス・パス・パス


「ギャ!」


「アイテー」


「ヒィ!」


「その傷なら全力疾走は無理でも、小走りなら出来るでしょう?

追放刑にはハンディは付き物です、がんばって逃げ切りなさい。

後言っておきますが私は陰陽道を修めた、所謂陰陽師ですので忌野際で化けて出てやると思ったら、何時でもいらっしゃい。

式神と言う奴霊にして、魂が擦り切れるまでこき使って上げますよ」


俺は他の二人を促して、外階段を使い泣き叫ぶ彼らを、1階まで引きずって行き、校庭で開放した。


「言っておきますが、崖下には行かない方が身のためですよ、我々の縄張りですから、見つけ次第直ぐに処刑しますからね。


逃げるとすると正門から出て崖と反対、東の方へ向かって行けば我々の縄張りから外に行けます。


早く逃げないと貴女方が、騒いだ所為でゾンビが集まって来たのでね、其の辺をウロウロしているのを見たら、射殺しますよ?

では頑張って逝って下さい!」


彼らは最早物も言わず、痛む足を引きずりながら、正門から出て行った。


俺と蒔田君は2階へ上り教室の窓から、彼らの様子を伺っていたが、彼らの後を5体程のゾンビが追いかけており、何れは捕まる可能性が高いなと思いながら、見送ったのだった。


すると1階を施錠していた、伊田君が上がって来たのに気を取られて居ると、蒔田君の「あ!」と言う声に振り向く。


彼が指を指す方を見ると、脇道から出て来たゾンビ2体に、3人が襲われており、省吾と呼ばれた男子が二人を突き飛ばして、逃げに入ったがあっさり後ろから来たゾンビに捕まり、噛まれてしまった。


女子はミーコと呼ばれた方がもう一人の足にしがみつき、助けを求めている所を足蹴にして、助かろうとした所を2人相次ぎ噛まれ、御終いであった。


「ふ~、最後まで生き汚いと言うか、自分さえ助かれば良いと言う態度を崩さない、ある意味意外性の無い典型的な小悪党でしたね。

もし助け合って居たら、狙撃して逃走を支援してやったのに」


蒔田君があきれ果てたと言うように、ため息をつきながら言った。


「まあ彼らの御霊を見られれば、この結果は予想がついたのですがね」


「この事態で助け合えない欠陥人間は、当然淘汰されて然るべきでしょう?

それよりそろそろ昼飯が温まった頃です、腹が減ったので昼食にしませんか?」


伊田君がサバサバ言ったので、俺と蒔田君は思わず目を合わせて笑い合い、1階の給湯室へ行く事にした。



Pday 9日目

AM11:45 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 西1階給湯室前


俺達3人は中央階段を降り、西校舎の1階給湯室についた。

室内からは楽しそうに笑う、高椋 由依ちゃんの声と田辺君の声が、聞こえた。


俺達がノックをして入ると、プラスチックの皿に、インスタント味噌汁の椀とカップラーメンに、温めた缶飯と割箸を用意した、二人が何やら楽しそうに話しているのだった。


どうやらトイレに籠城していた、ストレスも簡単な食事の用意で、気が紛れて居る様でほっとした。


「やあ楽しそうだね、そろそろ昼飯にしようか?

由依ちゃんは何か、食べれられない物はあるかな、缶詰のご飯は初めてかい?」


「はい甘莉さん好き嫌いは特にありません、でもご飯の缶詰は初めてです」


「結講昔から有るそうだけれど、自衛隊の戦闘食料で開発されたらしいんだ、昔は白米の缶詰もあったらしいけど、樹脂パックのレンジでチンタイプが出回ったせいで、売れなくなり今日持って来た品目で落ち着いた見たいだね」


「お赤飯・五目ご飯・牛めし・ドライカレー・鳥めしの5種類があるんですね、後コンビーフ・ハンバーグ・牛肉の大和煮・ウインナー・鳥もつ野菜煮と沢庵・福神漬なんて初めて見ました」


「もともと自衛隊の戦闘糧食Ⅰ型と同じメニューらしい、この間宅急便の配送所で、トラックを調達して居るときに偶々見つけたのだ、

まあここに居る野郎どもは、皆一度はお世話になった経験がある食事だな」


「サバイバルゲームやバイクキャンプで、お世話になりましたからね、ご飯は結講な量があるので、少しずつシェアして色んな種類を楽しんだ方が、盛り上がりますよ」


「だからカレー用スプーンが5個あるのか、確かに1缶丼1杯分有るから、シェアした方がいいね


そう言えば改めて自己紹介はしてないね、私は水原町6丁目町会の臨時自警団長をしている甘莉 丈太郎と言います、他の人は私が旭グループの代表をしているから、良く『代表』と呼ばれるね」


「僕は警備会社ソーテックで働いて居る、蒔田 総司と言います」


「私は同じくソーテック勤務の田辺 洋司です、言った様に洋司兄ちゃんで良いよ」


「俺はトラック運転手をしている伊田 浩平と言います、宜しく」


「私はこの第9中学の2年2組高椋 由依と言います、助けて暮れて有難う」


「さて、一通り自己紹介は済んだので、昼食にしようか」


俺達は付属の缶切りでめし缶と副食の缶を開け、それぞれ皿に盛りつけて、カップラーメンがいい者はラーメンを、味噌汁がいい者は味噌汁を取り、皆で頂きますを唱えて食べ出した。


「やはり規定時間通り湯煎すると、缶めしは美味しいですね。

東日本大震災の時ボランティアで、出されたレーションは、湯煎する暇が無くてボソボソの、缶飯だったから酷かったな」


「そんなに非道い味ですか?」


「レンジでチンのご飯を、温めないで食べると解るよ」


「あ、前友達の家で小学生の頃、食べたことがありました。

お腹が空いていたので、普通の冷ご飯のつもりで食べたら、酷かったですね。

慌ててラップを掛けてチンしました」


「それと同じ悲惨な味だよ、レンジで2分か湯煎20分で、美味しくなるから手間を惜しまない方が良いよね」


「「「ああ!」」」


どうやら皆湯煎無しか、レンジで加熱してない缶飯の、お世話に成ったことがあるみたいだ。


「しかしこの沢庵漬け美味しいな、缶詰だから期待してなかったけど」


「缶詰ウインナは所詮、缶詰ウインナだな」


「ハンバーグウマ!」


「鳥もつ野菜煮も美味しいです!」


「コンビーフを食べるとビールが飲みたい」


「牛肉の野菜煮って、牛肉の大和煮に味が似ているな」


「そう言えば由依ちゃん、プールの塩素剤って何処に置いてあるか知っているかな、後体育で使う白線の粉を仕舞ってある、体育倉庫見たいなものはあるかな」


「えーと、塩素剤は4階の更衣室のロッカーに、沢山仕舞ってあります。

体育倉庫は東教室を出て、直ぐの外にある倉庫ですよ」


「良し、塩素剤が有れば水の消毒ができるな、後は白線用の粉が消石灰か、炭酸カルシュウムかで話は変わるが」


「何にするのですか、塩素剤や白線用粉で」


「塩素剤は水一般の消毒に使えるので、井戸水の衛生対策や川から汲んだ水を濾過した、生活雑水に利用する場合の消毒にも使えるからね。


白線用の粉は消石灰なら、漆喰や土質改良剤にも成るし消毒剤の替りにもなるんだ。

炭酸カルシュウムなら、研磨剤に使って車の窓の掃除や充填剤の基材、人に無害な目潰しに使えるな」


「結講使い道がある材料なんですね、そう言えば昔体育の先生に白線の粉で遊んでいたら、目に入ると失明するとおこられたな」


「そう言えば1階の東校舎に理科室も有ったな、後で薬品の品揃え等も見て、使えそうな薬品を回収して行くのも良いか。

由依ちゃん、体育館には体操用のマットが結講あるかな?」


「ハイ、20枚以上あったとおもいます、体育館演台脇にある体育倉庫に仕舞ってありますが、あんな物どうするんですか?」


「体操マットは結講優秀な防弾材になるんだよ、監視塔の防弾防寒対策で鉄板の周りに貼れば、効果覿面なのさ」


「そう言えば甘莉さん、この間アクリル加工会社の倉庫が見つかり、とても喜んでいましたが、アクリルなんかどうするのですか?

強度もそんなに無いし」


「アクリルは少々加工すると結講防弾効果のある、窓を作れるのだよ。

5mm位のアクリルに透明シリコンシートを、アクリルと交互に貼って5重の層にすれば、ライフル弾1発位なら防げるからね。


そうすれば監視塔の監視人が、狙撃されて死傷するリスクが減るから、安心して監視任務に着けるだろ?」


「成る程、そう言う訳だったのですか、道理で監視塔の梯子も鉄板で覆ったわけだ。

交代や緊急事態で上がり降りする場合の、安全確保の為の覆いですか」


「死傷すると相手を喜ばすだけだからね、出血させるのは相手であって、決して自身がしてはいけ無いのさ。


その為に準備は怠らないし、そうすれば皆安心して、生き残りの為に戦えるだろう」


「そうですね、人事を尽くして貰えれば、安心して戦えますからね」


「そう言えば由依ちゃん、君とお婆さんが住んでいるのは、どこの辺だろう」


「私達の家ですか、都営住宅の大沢第2アパート3-203に住んでいます。

場所は此処から東へ歩いて8分位ですが、直ぐ近くですよ」


「解りました、我々の用事が済んだらそこまで行って、お婆さんをさがそうか。

もし良ければ二人して、此方の町会に引っ越した方が、より安全だと思うよ。


どうしてかと言うと、後10日前後で都心部のゾンビが餌の人間を求めて、大移動を開始する可能性がとても大きいからだ。

ゾンビのスタンビートと呼ばれている現象だが、TVやラジオ・ネットで今注意を呼びかけている最中だ」


「じゃあこのままお婆さんと、アパートにいたらゾンビの大群に飲まれてしまうのですか」


「アパートの住人が何の手も打っていなければ、個別にゾンビの餌食になるか、食料や電気、ガス、水道がやられて餓死や絶望から、自殺等も考えられるよ。


幸い今内の町会は、避難する人が出てかなりの不動産に、空きがあるので比較的引っ越すのは楽だろうね。


最も持って来るとしたら、洋服や履物・思い出の品や、貴重品だけにしておいて、スタンビートが落ち着いたら又、取りに行けば良い距離だし、引越し先には居抜きの状態で、生活道具は一式揃っているから苦労はないよ。


只、こんな御時世だから由依ちゃんに、覚悟だけはしていて貰わないといけないが、帰ってお婆さんが行方知れずかも知れないし、最悪ゾンビ化している可能性もある、その時は着替えと貴重品に思い出の品だけ持って、内の町会に来て貰うから良いね」


「ハイ、あの、い、良いんですかこんなにして貰って?

どうしてそこまでしてくれるのですか? わ、私では何もお返し出来ないですし」


「まあ・・・・私の偽善だとでも思ってください、泣いてる子が居る、そして私は助ける力がある、それが理由と言ったら理由ですね。


早い話、金持ちの道楽と思って、気軽に受けてくれると有難いのですよ」


「まあ由依ちゃん、この甘莉さんは実際ホントのお金持ちだから、正に大船に乗ったつもりで、安心して居れば良いのさ。


会社を5つも経営して居る実業家でもあるし、もし恩を返したければ、将来甘莉さんの会社に入って、活躍すれば良いのだしね」


田辺君が援護射撃をしてくれたので、由依ちゃんも少し気が楽になったようだ。


「解りました、今は御好意に感謝して御受けします。

でも私が大人になったら、甘莉さんの会社で働かせて下さい、命懸けで頑張りますから」


「・・・・今はそれでも構わないよ、でもやりたい事が出来たら、構わないから自分の道を進むと良い、そして私に直接恩を返さなくてもいいさ、世の中に出て余裕が出来て、その時困っている人を見つけたら、その人に私から受けた恩を、返してもらえばいいんだよ」


「え、でもそれでは甘莉さんに恩が返せません」


「子は親に直接恩は返しきれないんだよ? だから子は自分の子に親に受けた恩を返すのさ。

それと同じで子供の内に親以外から恩を受けたら、社会に出て余力が有ればその恩を他の誰かに返せば良い。

そうして貰えば私は本望だ、これは君が大人に成って見れば解るさ」


「??良く解りませんけど、解りましたその言葉を大人になるまで、わすれません」


「今はそれで良いんだ、解らない事は解らない、知らない事は知らないそれが解かれば、何の問題もないさ。

それより・・・・・・な、何してるんだ奴ら!

全員緊急事態! 校庭側体育館の前に行くぞ、急げ!」


「「「解りました!」」」


俺達は、銃とヘルメットを慌てて被り、校庭へ急いだ。



Pday 9日目

PM12:25 調布飛行場側 三鷹私立第9中学校 体育館前


校庭へ出ると体育館の前に、一人の少年が蹲り足を抑えながら、ゾンビから後ずさっていた。


それを体育館の2階窓から、面白そうに笑いながら見ている、同年代の少年3人に、女子3人と20代後半の男性1人がいた。


「貴様ら! 何をしているか! その子を落としたのはお前らか?

全員、ゾンビに向かって発砲!」


俺達は落ちた男の子に近寄るゾンビを、次々と射殺していった


「な、永井君! 大丈夫?」


由依ちゃんが後ろから、倒れている男の子へ駆け寄ろうとしたので、慌てて止めて聞いた。


「由依ちゃんまだ危ないから、今は行くな! 

今行くと攻撃出来なくなり、彼を助けられなくなるぞ。

それより彼は誰だい?」


「永井 桂治君って言います、隣りのクラスですがイジメから、良く庇ってくれた人です。

同じ都営住宅に住んでいる、同じ塔の子ですが、両親が亡くなってお婆ちゃんに引き取られた私を、良く元気ずけてくれた人です。


でも何で永井君があんな事に! 誰がやったの?」


「あそこで窓から見ている男性は誰だい?」


「あ、あれは私のクラスの担任の高田先生です。

私がイジメられて相談した時も、私が悪いからイジメられるんだと言って、相手にしてくれなかった所か、一緒になって私を、私を・・・・ヒック、エッグ・・・・エ、エ、エ・・・」


「ふん! 大体読めたよ、蒔田君に伊田君、援護をお願いします。

田辺君と由依ちゃんは私と彼を救助!」


俺達はゾンビが動けないか確認しながら、永井君という男子の側に駆け寄った。


「永井君! 大丈夫、足痛くない?」


「高椋か! 無事で良かった。

俺は大丈夫だよ、2階からあいつ等ゲスに突き落とされたが、足を挫いただけで頭やその他は打って居ない」


「どうやら本当に足を挫いただけの様だ、私は隣りの水原町町会の自警団長をして居る、甘莉と言う。

足はこれ位なら直ぐに治すが驚かない様に、所謂心霊治療と言う奴で、捻挫や打ち身・脱臼などは簡単に治せるのでね」


「あ、有難う御座います。心霊治療ですか?初めてだなそれは」


「前に師匠に習ったのさ、私の副業は陰陽師だからね、これくらいは簡単な事だよ。

由依ちゃんは先程校舎の掃討の時、トイレに篭って居た所を救助したのだが、どうも非道いイジメを受けていた見たいだね」


「はい、実はそうなんです。 先程僕もそのグループに窓から突き落とされて、危うく殺される所でした。

体育館の中には俺を含めて18人いたのですが、高田を含めた5人が勢力を拡大して、勝手をし出したので口論に成ったら、奴らの一人から行き成り突き落とされたのです」


「そうか、じゃあ肩を貸すので、ちょっと車まで行こうか。

それから彼らには、ケジメを着けて貰うからね」


俺達は永井少年に肩を貸しながら、パジェロに向かい彼と由依ちゃんを車の中に入れると、二人を残して不足している装備を身に着けると、アホ共と対決する為に体育館へ向かった。


誤字脱字がありましたなら、一言でご指摘下さい。


なるべる早く修正しますので。

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