19.Pday 5日目
第19話を投稿します
15000字平均での投稿なので週1位の投稿になると思います
AM05:00 調布飛行場側 調布[ひよく寮] 前庭
夕べも呑み会が発生した・・・・・・。
しかし2回目だと流石に慣れるものだな。
ついでに呑み会前に例の水を作らされ、酒に混入した蟒蛇達は前日に輪をかけて飲みまくったが、今回はスーパーで調達して来た酒を提供したので、寮の在庫はそんなに減らなかった。
あの調子で飲み倒されたら、ストックしてある倉庫の酒は1年を待たず、全て奴ら謎の異次元アルコール分解胃袋に消滅させられる。
俺は夕べの狂態を忘れる為、一心不乱に古武道の型を辿って体に残っている酒気を、汗と共に体外へ搾り出した。
20分後シャワーを浴びて、スッキリした俺はリビングに降り、いつも通りコーヒーを入れて、タブレットでニュースとメールを確認して過ごした。
東シナ海と南沙諸島の情勢は、いよいよ逼迫して来た様だ。
何時C国海軍が出撃して来るか待ちの状態で有り、彼らの技術力では衛星の監視網を誤魔化す力は無いので、正面から戦うしか手はない。
天候も台風のシーズンは過ぎて、比較的安定した気候のため、荒天に紛れて進出する手も取れない。
かと言って、潜水艦で奇襲を掛け様にも、世界的に最高水準を持っている、海自のハンターキラーに取って、C国潜水艦は標的艦がわりにしか成らないのだ。
まして一年前より、海自全ての潜水艦の蓄電池は、旭工機製のBGBに換装され、潜行時間は従来の20倍になり、静粛性では原潜を上回り、トップスピードはそれ以上の、通常型潜水艦の概念を超えた、正に海魔と言うべき存在に成ってしまったのだ。
その様な、海の魔物が待ち受けている海域に、迂闊に立ち入ればどうなるか、彼らは甘い戦力予想の基に作戦を立て、我が国領海に攻め入る事に成るのだ、それがどの様な結果をもたらすかは、予想するまでも無い。
ましてや、[おもいかね]の戦域支配圏の中に入れば、戦いにすら成らない結果になり正にC国海軍兵は、水漬く屍を晒すだけに成るだろう。
そしてその戦いの情報は、我が国とアジアの国々の都合の良い様に加工され、A国やR国・ヨーロッパ連邦に開示されるため、不要な警戒をされない様にして居る。
そう思いを巡らして居ると、田中君と佐田婦人が何時ものように起きて来た。
「お早う御座います代表、C国軍に何か動きが有りましたか?」
「お早う御座います甘莉代表、戦争でも始まったんですか?」
「お早う二人共、未だ出撃はしていない様だね、だが何時仕掛けて来るかは予断を許さない状況だ。
多分明日早朝辺りから前哨戦が始まり、明日中で決着が着くだろうね」
「松浦海将に、日本近海は任せても大丈夫でしょうし、南紗諸島は横山提督が居らっしゃるから、まあ余程のイレギュラーが起こらない限り、結果は見えていますからね。
C国海軍が気の毒になりますよ本当に」
「明日は曽根氏・佐々木会長との会合が有るが、私は対C国戦のバックアップ要員の一人として参戦するので、私の名代として鬼山君に出席して貰うか・・・」
「私でなくて宜しいのですか」
田中君が聞いて来たので、
「いや君には連絡や各部署の調整役として、一緒に観戦して居て貰わないと困るからね」
「解りました、では鬼山隊長には代表が直接仰ってくださいね」
「そうするよ、もうジョギングから帰って、シャワーを浴びている頃だから、あと10分程でここに来るからその時頼むさ」
「今日は特に予定の変更は無いんですよね、でしたらシフトもあまり変わらず私は連絡調整ですね、田所さんはどうなさるのですか?」
「田所君は今日一緒に八王子だな、ウニモグの運転をしてもらうからね。
あれはウインチが着いているから、事故車が道を塞いでいる場合に撤去するのには便利だし、排土板が着いているので、押し出す場合も簡単に作業出来るから便利だしね。
4tトラックは、ユニック付きを1台持って行くんで、障害物撤去には威力を発揮するんじゃ無いかな?」
「何人で行く予定何ですか?」
「4t装甲ユニック付きは、田嶋工務店の社長と社員の大川君と言って電気間系の専門家だ、もう一台の4t装甲トラックは田嶋工務店の大型特殊の免許を持つ、大森君と大型免許を持つ安川君だ。
2.5tの装甲パネルトラックには運転手に同じく、田嶋工務店から喜海君と、[アナコンダ]担当に鬼山隊長、警備に逆髪元一等陸曹と田嶋工務店の山本君とトラック運転手の畠山君だよ。
後ウニモグは田所君と私に、我社のライバル警備会社、ソーテック勤務の蒔田君と田辺君かな。
総勢13人の1個小隊規模だね」
「田嶋工務店さん総出撃ですか、流石自衛隊出身で固めた会社ですね、戦闘力が段違いです、後ソーッテク勤務2人組なら[バイパー]は扱えるのですよね? 即戦力に成って使える人材だと良いんですが」
「視た感じ大丈夫だね、彼らは使える人達だから、今日の遠征に選んだんだ。
それと朝食後、私がここから八王子倉庫の間の道を、[GEN H-4]改でざっとVTR偵察をして来る予定だ、あれの操縦は今の所このメンバーでは私しか慣れて居ないからね」
「・・・・どうしてもですか? ハッキリ言うとやって欲しくは無いんですが遣らないとダメですか? ・・・・・そうですよね、代表の性格ですと無理だとは解っているんですが・・・・ハア~、絶対無理をしないで下さい!
良いですねヤクソクですからね? じゃないと帰ってからOHANASIですよ・・・・・(ー_ー)!!」
「イエス・マム・サー!!」
「・・・・・・・では後はお任せします、私は明日の為に情報の整理をしておきますので」
「・・・・・宜しく頼むよ」
コワ・・・・・!
Pday 5日目
AM09:30 調布飛行場側 水原町6丁目町会 公民館前
俺達は今公民館前の駐車場で集合していた。
今日は旭工機八王子倉庫配送センターに行き、ソーラー発電ユニットを確保しに行く予定である。
朝食後、個人ヘリで一飛び偵察に行き、大体通れるルートを決定して置き、途中で迂回路や自動車を撤去する場所を決定しておいた為、その場でルートを開拓せず済んだのは時間の節約になった。
車両は4台で、総勢13名での片道約38kmの行程だが、ルート20号線は各所で塞がれて居るため、かなり迂回を余儀なくされる。
俺は全員を集めてルート説明をした。
「皆さん、今日は八王子までで距離としては最短で、約21kmだが途中で放置車両や事故車に道を塞がれ、かなり迂回や撤去に時間を取られると思うので、片道約38kmの道程になる予定だ、これからルート図を渡すので、この赤い線の道順でいくのが最短のルートになる。
このルートは、今朝私が個人ヘリで上空から偵察した結果で出した、最も早く着ける安全なルートだと思う。
途中で車両を排除しなければ成らない場所が、3箇所ほどあるがそう心配する必要はない、何故ならウニモグには排土板やウインチが着いているし、ユニック付きの4t車もあるからだ。
無論作業中にゾンビも出て来て、戦闘になる事もあるが、今回支給した[ライジグサン]の戦闘服は、対弾・対刃性能は優秀でAK-47の7.62mm弾が至近距離で直撃しても、軟球を当てられた位の衝撃で済むので、保護されている場所以外に、被弾や噛み付き攻撃を受けなければ、まず安心出来る。
しかし一番恐ろしいのが銃器を持った暴徒の存在だ。
特に車両に乗って居る場合の被弾が一番怖い事態だ、事故車のせいで車列が止まった場合など、暴徒は必ず運転手の頭を狙撃して来る。
だから車両に乗って居る場合でも、必ずヘルメットの着用とバイザーを下ろす事を徹底して欲しい。
紛争地域での軍人達が、車両の中でも弛緩せず逆により警戒を密にして居る場面が、報道映像や映画等で撮されて居るが、兵士は車内が安全な場所では無く、最も狙われ易い場所だと経験で解っているからだ。
私が暴徒のリーダーなら、道を事故車等で塞ぎ獲物が来たら、止まった車列の最後尾の運転手を狙撃して殺し、車列が身動き出来なくなったらゆっくり料理するし、相手が手強かったら逃走する手を使うからね。
何か質問はあるかね?」
『・・・・・』
「特には無いようだね、後弁当は持って来たかな? 何故弁当を支給しないか解る人はいるかい?」
「ハイ」
「流石逆髪一等陸曹は解ったか、じゃあ説明してくれ」
「ハ、もしも食中毒が発生した場合でも、被害を最小限で済ます為です。
もしも全員が同じ食事をして居ると、部隊が全滅してしまう可能性があります。
レインジャーの課程で、レーションを支給する場合でも、同じ種類は避けて配給されるのはその為です」
「その通り、近場の偵察程度ならさほど気にする必要は無いが、今回の様にどの位の時間で帰って来られるか分からない場合は、特に注意をする必要がある為だ。
では全員地図1を見てくれ、まず行程としては取敢えず道の状態が解っている、人見街道を西に走り若松四丁目の交差点で左折し、200m程直進して東保育所入口の交差点で、事故車が10台程有り、4台程退ければ通れる。
次の難所は、地図2にある関戸橋交差点手前にある、T字路で乗用車が6台道を塞いでいる、ここは2台移動すれば通行可になる。
第3の難所は、地図5の最終目的地八高線の北八王子駅近くの、高倉町交差点の事故現場だが、ここは目的地間近で脇道も多いので、その場に行ったら無線で指示をするので、無線の周波帯を1288のスクランブル通信に合わせてくれ。
分からない場合は、田所君か鬼山君に聞いてほしい。
後、インカムはチャンネル9に合わせて置けば、車内無線を自動でインカムに流す設定になるから、骨伝導なので外が騒音でうるさくても聞き取れる。
以上、では乗車」
俺達は先頭に、装甲ウニモグ改間に4tユニックと、4tトラック最後尾に2.5t装甲パネルトラックの順番で、コンボイを組んだ。
各トラックは1mm厚の、Sライン樹脂のシートを主要ボディと、フロント・サイド・バックのガラスに貼り付け、散弾銃のスラック弾や7.62mm猟銃の攻撃所か、12.7mm重機関銃に耐えられる装甲を施している。
タイヤ回りはチタン板で防弾処理を施し、タイヤ自体も新品に付け替え、リム部分にドーナッツ状の、防弾板・チタン板の泥除けにパンク修理液を充填しておいた。
サイド部分の燃料タンクやバッテリー、電源制御部・エンジンには、チタン板+Sライン樹脂のダブル装甲を施し、20mm砲の直撃にも耐え、運転席や助手席の前後サイドには、チタン板で対弾空間を作り乗員保護空間を施した。
2.5tパネルトラックは、更にパネルハウス外壁をチタン板で覆い、天井には通常は隠れている、13mm重機関銃[アナコンダ]の回転砲塔があり、砲塔自体透明Sライン樹脂2cm厚で作られ、相手が航空機の20mm砲弾でも弾き返す性能がある。
戦闘時には1m近く迫り出し、左右360°上下-15°~+75°まで回転する銃座になる。
我々は人見街道を順調に走り、若松四丁目の十字路を左切し、東保育所入口の交差点に差し掛かった。
「皆聞いてくれ、此れより第一の難関である事故現場に差し掛かったので、ウニモグ組で前方の2台を撤去する、帰りも此処を通る予定だから邪魔に成らない様にしておくつもりだ。
4tトラックは何時でも離脱出来る様に、距離を20m程開けて武装トラックは、我々とトラックの間で警戒していて欲しい。
では我々はトラックから出て作業を始めるので、田所君は残って警戒をたのむ」
俺とソーテック組の蒔田君と、田辺君は回りを警戒しながら、3人で事故現場に差掛った。
現場は右車線で、トラック3台と乗用車4台が巻き込まれた事故で、1500のセダン1台が此方の車線を塞ぎ、歩道側の1BOXが止まりきれずにセダンと、ガードレールの間に嵌まり、其処へもう一台1500ccのセダンがぶつかり、道を塞いでいる状況だった。
「前方にゾンビを6体発見、蒔田君と田辺君は3体ずつ処理してくれ」
「「了解!」」
二人は一人ずつ慎重に狙いながら倒していった。
パス・・パス・・パス・・パス・パス・パス・パス・パス
各人1発ずつ外したが、無事6体全て倒した。
「このダットサイト狙い易いですね」
「ああ俺達の使っていた、オープンサイトより数段いいな・・・」
「そうか、開発に携わった一人としては嬉しい感想だね、では3マンセルで他の車の影や車内にゾンビが居ないか確認し、発見した場合即座に射殺で頼む」
「「了解」」
俺達は回りを捜索して、他に5体のゾンビを発見、処理していった。
そして事故現場を見聞して、まず動かせる車は次々と近くの駐車場に寄せていった。
「やはり2台は引き出すしか無いか」
「そうですね、ウニモグならワイヤーロープを掛けて、引き出せるでしょうね、そんなに食い込んでいる訳でもないし」
おれが回りを警戒しながら、二人はウニモグからワイヤーを引き出し、1BOXのリアフックにワイヤーの金具を掛け、ウインチで引き始めた。
最初は抵抗が有ったが、40cm位引くと後は問題なく移動出来たので、歩道に乗せ上げた。
もう一台は引き出すより、押した方が楽に出そうな形でぶつかって居たので、まずフロント寄りを押し出し、事故車のハンドルを軽く右へ切った状態で、後から押しながら方向を修正して右車線に押し出し、1車線を確保した。
道路が片付くと、待っていたトラックを誘導して、事故現場を抜けた。
『今朝上空から確認をした時点では、次の関戸橋交差点手前までは道は塞がっていなかったので、道路を彷徨っているゾンビに注意して運転してくれ。
いくら装甲を強化しても、現代の自動車は20km以上で跳ねたり、不用意に轢いたりすると、直ぐに故障してしまう壊れやすい機械だと言う事を忘れない様に』
俺は無線で注意すると、ソーテック社の二人に話し掛けた。
「どうですか装備の具合は、そんなに暑くは無いでしょう」
「ええ、見た目より遥かに着心地が良いので驚きました、内の会社の装備より脱着も楽ですし、先程動いたけれど湿度が溜まらないせいか、非常にらくです」
「防弾・防刃服にしては軽過ぎる位ですね、これ以前業界紙で読んだんですが、AK-47の7.62mm弾を至近距離で止めてしまう性能があるとは、信じられ無い軽さですね」
「内の製薬会社と、製造会社の技術者が知恵を出し合って開発した、繊維と言うか樹脂だからね。
製薬会社からはバイオ系の、製造会社からは重合物質の知恵を出し合い、混ぜて捏ねて実際実験したら新しい物ができたのさ」
「しかしトンデモない性能ですね、自衛隊や警察のSATがこの繊維の戦闘服を、導入するとか噂が有りましたが本当ですか」
「そうですね、この服を着ている限り銃弾や手榴弾位の、至近距離での爆発なら無傷とは行かないけれど、重傷には成りにくいです。
ですからこの車両は、同じ樹脂でボディとガラス部分は防弾仕様になっているので、戦車の90mm砲位なら傷位で済みますから。
只火炎瓶は洒落に成らないので注意して下さい、ガソリン車では無いので其処までは炎に弱くは無いですが」
「それは堪りませんね、注意して於きますよ」
「先程も言いましたが、他の車両に乗る時は注意して、ヘルメットは必ず被った方が良いですよ。
アメリカ軍の実戦映像を見るとわかりますが、軍用ハンビーに乗って居る時でも、紛争地帯の彼らは必ず車両内ではヘルメットは着用しています。
何故なら敵は必ずヘットショットを狙って、停車車両の乗員を撃って来るそうです。
暴徒に知恵のある指揮者がいた場合、必ずそれを仕掛けて来る前提で作戦を立て、注意をして戦わないと、命がいくつ有っても足りないですからね」
「そうですね、やはり戦う時は最悪を想定して戦った方が、生き残る確率は上りますからね、馬鹿は直ぐ精神論や肝っ玉が据わって居ないとか非現実的な事を言出しますからね」
「私もそんな呪いか、確率論の裏付けのない事を前提に、作戦を立てる指揮官の元では戦いたくないですね。
臆病でも、部下の命を大切にするのが、指揮官の最低限の素養であり、それを踏まえて絶望的な命令を下さざるを得ない時は、諦らめも付きますから」
「馬鹿は指揮をせず、優秀な下士官の操り人形になっているか、現場に出て欲しくは無いですよ。
武装強盗が出たら根性で押さえ込めって、氏ねと言っているのと・・・・」
かなり会社の上司に恵まれ無い様だ、畠山君だったかかなりストレスが溜まっているみたいだな。
「畠山君と言ったかな、我社の代表は優秀な指揮官だから、その心配は無いよ。
君の言うタイプなら、今頃会社を乗っ取られているしね。
結講癖の強い部下も上手に使うし、何より適材適所で人事も出来るし人使いも上手だからね」
「そんなもんかね? 田所君、まあ無茶な命令はしない方だと思うがね」
「そうですよじゃなきゃ[ライジングサン]見たいな、現場出の傭兵が楽しそうに働いていません・・・。
そろそろ県民の林公園ですね、あそこを過て暫く行くと次の事故現場ですね」
「今朝上空偵察以降に、事故が起きて無ければ大丈夫だが、現在基本的に道が寸断されている情報は、広く知られているからあまり人出は無い様だったね。
今朝見た所動いている車は、滅多にいなかったよ、暴徒じみた集団が二つに、パトカーと警察の護送車の車列が、都心部から川崎か相模湖方面へ移動して居るのは見たが、個人で移動して居るのはバイク2台の組と、1BOXに窓を金網で補強した2台組を見ただけだね」
「バイクで移動ですか? 怖くは無いんですかねこの状況で」
「返って道路状況と、生き残りのテクニックが有れば、バイクは結講有力な移動手段だね。
要は囲まれず、安全な宿泊場所を見つける発想が有れば、この状況では有力な移動手段だよ。
ゾンビは梯子を登れないし、そんな場所に寝泊り出来る技術があり、囲まれた場合でもキッチンタイマーや、防犯ベルを上手く利用しゾンビを誘導する発想が有れば、充分生き残れるからね」
「そうですね、私が個人でこの状況を生き残ろうとした場合、バイクはとても有力な移動手段にしますよ。
バイクで守るに易く、攻めるに難い地形の拠点を探して置き、そこをベースにソーラー発電ユニットを入手し、近場のスタンドからガソリンと軽油を手に入れて、1BOXやトラック・小型重機を入手して、入口を不自然に成らない様塞ぎ、人が入らない障害物を置いて、その奥に本格的なゾンビのバリケードを作り拠点を守りますね。
組む人数も5~6人に抑えて、組織が割れない様にします」
田所君が生き残り方法を話した。
二人組は興味深げにその方法を聞いていた。
「まあ私が、今の集団と意見が別れてしまったら、組織を乗取るより今田所君の言った様に、別行動を取るね。
派閥が出来て分裂するのは、人の作った組織では常に起る事態だからね。
その場合組織を乗っ取るのは、結講リスクが大きいのさ、一番なのは自分と近い考えの者達、5~6人で別組織を作り、活動する方が後々同じ様に、組織を乗っ取られる心配をしなくて楽だからね」
「5~6人ですか、どうしてその人数何ですか」
「5~6人は軍隊で言えば小隊の最小人数で、生き残るには一番機動力が有り、バランスが取れている人数だからね。
良くあるダンジョン攻略ゲーム等でも、大体パーティがこの数だろう、先程言った小隊最小人数で実戦でも、プルーフされているのがこの数だ。
偵察要員が1~2名、前衛のポイントマンが1名、ポイントマンの援護が1~2名、メディック(衛生兵)兼無線手が1名、指揮官兼遠距離支援が1名の編成で、各部署の人数は変わるが、大体この様な編成になるだろう。
なにより集団の意志を統一して、団結し易い人数がこれだけなんだ、これ以上増えると派閥が出来易くなるんだよ」
「へ~そうなんですか、だから軍隊の小隊の人数がこの数か、その倍に設定されているんですね」
「そうだ、大きい小隊は更に小隊を二つに割って、片方を偵察小隊にもう一方を後詰の小隊にして、先鋒が戦闘に入った場合の増援にするか撤退する場合の戦力にする、威力偵察の小隊がとる戦法を使う場合に、良く採用される人数だね」
「そうだったんですか、しかしゲームも馬鹿に成りませんね、攻撃や防護の最小人数をちゃんと、採用して居るのは驚きですね」
「開発者やパーティを組むプレイヤーが、それだけ良く戦いの事を研究しているんだろうな・・・・。
そろそろ次の難所に着く頃じゃないかな田所君」
「後2~3分と言った所ですね、平均30~40km/hで進んでいますから」
「じゃあ後続に無線を入れておくか、『こちらA-1後3分程で第2の事故現場に到着するので、A-1が止まったら先程と同じ間隔で停車してくれ』」
『『『了解』』』
Pday 5日目
AM10:30 関戸橋北交差点 東70m手前 T字路
暫く行くと車が、6台ほど先に溜まった事故現場に差掛った。
状況は、T字路から出て来た自動車に、右側車線から直進して来た2BOXワゴンが、かなりの勢いで衝突して、左側の自動車に突っ込み、後ろの2台が更に衝突した事故であった。
その他後2台の車が、歩道と土手に乗り上げて停車して居る状況だ。
ゾンビは、20~30体程徘徊して居り、子供も結講いる所を見ると、学校が近いか避難場所が、破られたかしたのだろう。
「さて取敢えず、サンルーフから狙撃をして、減らせるだけ減らそううか。
このままじゃ、作業所じゃ無いからね。
初めは安川君に半数狙撃して貰い、残りは畠山君が処理してくれ」
「「了解」」
初めに安川君が、サンルーフと言うか屋根のハッチを開けて、屋根上から狙撃を始めた。
セミオートで慎重に狙い、ほぼ93%位の命中率で、ヘットショットを決めていった。
後半は、畠山君も同じくヘットショットで、96%位の命中率で当てていった。
[バイパー]は、球形弾を撃つ銃だが、ライフリングも切って有り、弾道は安定した軌道で進むので、命中率は150m位までは良いのだが、それ以上は弾の形状のせいか、安定が悪くなり400mは飛距離が有るが、其処までは何処に当たるか、神のみぞ知る状態だ。
その代わり、静粛性は火薬銃を遥かに凌駕するので、対ゾンビ戦には遥かに有利な。」、武器に仕上がっている。
しかし、サプレッサーが付いていても、やはりゾンビは音で集まって来てしまう。
「畠山君、一寸待ってくれ! 70m程先にある道路案内標識が見えるかな、あそこへ1.5秒起きに5~6発当ててくれないか」
「??は、ハイ解りました」
ガキン・・バン・・バン・・ゴキン・・ガゴン・・ガン
畠山君が、標識を狙い撃ち出すと、此方に集まり出したゾンビが音に吊られて、標識の方へ移動し出した。
驚いた顔をした二人に俺は言った。
「良く周りの状況を見て、戦いを此方に有利に持って行くのも戦いだよ
その為には切迫した状況に成れば成る程、深呼吸をして脳に酸素を多く取り入れて、周りを広く見回して瞬時により良い状況を、冷静に判断しないとね。
それでは再度狙撃を始めてくれ」
畠山君は、落ち着いて狙撃を再開し、その間安川君は消費した弾を弾倉の中に詰め直して用意した。
15分程で、二人合わせて狙撃で、40体のゾンビを始末し、我々3人は外に出て掃討を開始した。
左にある玉川の土手に上り、視界を確保して更に15体を始末して、漸く辺りにゾンビが居なく成った。
「多分会社か、避難所が弾けたな、色々な年代のゾンビが居たのは、そのためだろうな・・・・」
「原因は、ゾンビが押し寄せた為ですかね・・・・、やはり数が揃うと数の圧力で、防備の弱い部分が抜かれてしまうんですかね」
「そうとも限らないと思うよ、私の想像だが、特に避難所で起こりうるケースだが、避難途中で家族の誰かが噛まれて感染し、それを隠して避難所に紛れ込み、其処から内部感染が広がり、避難所が壊滅する場合がある。
それを防ぐには、避難所の指導者が強権を発動して、対応するしか手はない。
人権は、生存権より価値が下がるのは、止むを得ない決断が出来ない指導者の元では、結局避難所の壊滅で、付けを払う結果に成るだろう」
「・・・・・子供が感染していた場合厳しいですね、私が父親の場合、やはり隠して避難所に、逃げ込むだろうな・・・・」
「だから指導者が泥を被る覚悟が必要なんだ、それが出来ない場合はね・・」
俺達は事故現場の撤去方法を見聞しながら、避難所の現実を慮った。
車は左車線の、衝突した3台以外の2台は、自力で移動出来た為、直ぐに右車線の離れた場所に移し、損傷の少ない1台は、直ぐに牽引で移動出来た。
しかし正面衝突をした2台は、無理やりウインチで引き離した所、車の下からゾンビが隠れていて、イキナリ出現したのは驚かされた。
最後の一台は、ウニモグの排土板で押し出し、右車線に押し込み何とか処理できたが、運転手はゾンビ化しており、運転席に挟まれて暴れて居たので止めを刺した。
「しかしウニモグは、押し出す場合スーパーローが有るから、無駄にタイヤを空回りさせずに済むので便利ですね」
「そうだね、このトラックは傾斜50°以上を条件に因っては、上り下り出来るからね、ウニモグ一台だけなら、玉川もかなりの距離を走破出来るよ」
「いいっすね~、何時か自分も欲しい車ですね」
「そうだね、男のロマンを擽る車ではあるな、私の場合は悲しいかな社員に止められて、結局レク○スやBM○のエグゼクティブカーばかりで、詰まらないんだけどね。
本来軍用オフロードカーや、250ccのオフバイクが好きなんだけどね。
何時かは自衛隊の軽装甲機動車の、[LAV]が欲しいのだが、今度防衛大臣か統幕長に頼んで、1台払い下げて貰おうかな」
「すごいですね、伝手が頂上じゃ手に入れ易いですね、身辺の安全の為と言う言訳をすれば、社員さんも納得するんじゃ無いですか」
「しかしあれは軍用だから、乗り心地は良いもんじゃないんだよ、富士の樹海を走り回るとか、林道を駆けるのならいいがね」
田所君、そんな事は想定済みだよ、せっかく高給取りなのに使う暇が無いのは悲しい事なんだよ、せめてこの位の贅沢はしても良いじゃないか。
そんな俺の心の叫びを乗せて、トラックは一路北八王子駅に向かった。
Pday 5日目
AM12:20 八王子市 高倉町 高倉町交差点付近
俺達のコンボイは、高倉町交差点手前の、R20号交差点付近にいた。
俺はウニモグの屋根に上り、前方の事故渋滞を双眼鏡で観察していたが、今朝偵察した時に無かったR20号の、事故が原因で渋滞がより酷くなっていた為だ。
「う~ん、こりゃこの道は通れないな・・・・。
『田所君、ナビで別ルートを検索して見てくれ、私はパソコンで良さそうな道を航空写真で検索してみるよ。
他の車両も少々待って欲しい、ゾンビが寄らないように、エンジンを切っておいてくれ』」
俺はインカムで、田所君と他の車両に状況を話し、車内に戻ると道を検索した。
「う~ん、やはり今朝取った写真と照らし合わせると、20m程戻って回転寿司屋の交差点を右折して、4つめの角を右折してまっすぐ行くと、20号と八高線の陸橋に出るから、そこを線路沿いに右折していけば直ぐだな。
田所君どう思う? 今言った道が通れそうだが、道幅は少し迂回すれば大丈夫そうだがね」
おれはタブレットを、田所君に見せ道を確認した。
「道幅的には問題無さそうですね、後は事故で渋滞が増えて居なければ何とかなるでしょう」
「よし無線で連絡するぞ。
『全車両今から、新たなルートで目的地に向かうが、距離的にはあと1km以内だから、道さえ塞がって無ければすぐ着く、センターには無線を入れて置くので、安全に留意して着いて来てくれ、以上』」
『『『了解!』』』
新たな迂回路はm、上手く渋滞の間隙を突く形で、無事旭工機八王子流通センターまで通じていた。
「いやー、どうなるかと思ったよ、まさか20号で新たな事故が発生して居るとはね」
「結講人が動いて居る証拠ですね、しかし調子に乗ってゾンビを轢いていたんですかね、あんな物轢いたら血油でタイヤがスリップしたり、トラックならシャフトに巻き込めば、一貫の終わりなのにな」
「冷静に予測出来る奴なら、そんな馬鹿はしないさ、普段から自動車の構造が如何にヤワな作りになっているのが、分からないと頭に血が昇って馬鹿をするのさ。
さあそろそろ着くぞ、正門前にカメラが有るから、私の顔と掌紋をパネルに翳さないと、入れないからね」
旭工機八王子流通センターは、北八王子駅東口にある広大な倉庫兼トラックターミナルで、約100m×60mの面積がある。
敷地内には、平常時は倉庫とトラックターミナルに、社員の居住塔から成っており、敷地の回りには通常2m程のコンクリート壁が、回りを取り巻きゲリラ豪雨用との用途で作った、幅3m×深さ1.5mの空堀が周りを覆っている。
非常時には、鉄板の壁が更に1.5m嵩上げされ、高圧電流と感圧・振動センサー・監視カメラが作動し、更に内側3mに2mの内壁とセンサージェルと、[バイパー]自動狙撃銃等の罠が作動する要塞に変貌する。
門も表口と裏口に別れ、普段大型トラックは表口を使い、裏口は営業車や一般客の受け入れに、使用される仕組みに成っているが、非常時は橋が内側に上り出入りを制限する。
場内に入る場合は、表口の入館機で掌紋と暗証番号を入力しないと、受け入れ拒否をされる。
俺は午前中早くに、個人ヘリでここへ訪れて居り、今日の予定を場長である高田隊長に伝えてあり、太陽光発電ユニットは既に、用意されて居るはずである。
「高田隊長 甘莉です、ようやく着きましたので開門して下さい。
車の台数は5台ですので」
俺は符丁で問題無しと通達した。
もし異常有りの場合は、台数をピッタリの4台と言い、4台でも車列の内容に言及した場合は、脅されているので注意の意味になる。
橋を下し開いた門から、俺達は無事場内に入った。
入ると直ぐ傍にある警備員の詰所(いざと成るとトーチカに早変わり)に、この流通センター責任者の高田隊長が詰めていた。
高田 甲騏(44才)
元ヨーロッパで傭兵をしていた強者である。
若い頃ユーゴスラビア動乱で参戦し、後にアフリカ・中東と渡り歩き、最終的には1軍を率いていた事もある、武も兵も動かせる指揮官である。
通常は警備主任だが、非常事態に成るとこの施設の1250人+家族のトップになる、[ライジングサン]の指揮官の一人でもある。
「高田隊長ご苦労様です、搬出する荷物の用意は出来ていますでしょうか?」
「ハ、ご足労ご苦労様でした代表、用意は全て整っています。
配送センターの会議室には、設置の技術者が待っておりますので、私がご案内します」
俺達はバンで、高田隊長に先導され、トラック配送センターの一角に着いた。
早速4t車に荷物が搬入され、次々に積み上げられて行った。
「いつ見ても発電規模に対して、荷物が少ないな」
俺はトラックに積まれる、ソーラー発電機と基台部分のパーツや、充電ユニットを見ながら思わず呟いた。
従来品なら、トン増した11t車を4台は使っても、ソーラー発電部しか積めなかったのを思い出しながら、積み込まれるユニットを横目で見て通り過ぎた。
エレベーターに乗り、3階に上りユニット取り付けの専門家に、マニュアル片手にレクチャーを受ける、田嶋工務店の技術者とは別に、私と鬼山・田所組と高山隊長は、今後の見通しについて会議をした。
「やはり提督の見通し通り、C国海軍は今晩出撃して明日朝払暁頃に、両面作戦で東シナ海と、南沙諸島に攻撃を仕掛けて来る様だ。
本来格上の相手に、両面作戦は悪手だが、彼らは最早国内の対ゾンビ戦で大敗をするのが、確定して居る為後が無い状態だ。
乾坤一擲のつもりで、質より量の優位で攻める予定だろうが、彼らが想定して居る質の差が、彼らの想定より圧倒的な開きがある為に、自身の作戦は全て読まれ、動きも電子戦の圧倒的優位な我が方は、相手の動きを全て見ながら戦える。
が、彼らは此方の影さえ踏めず、兵器自体の性能もまるで次元が違う為、成す術がなく一方的に海軍が壊滅し、1月~2月後に陸・空共弾薬と補給途絶により、ゾンビに呑まれてC国は消滅する。
大体このシナリオ通りになるな」
「やはり『提督』の戦略通り、滅びの道を突き進みますか。
半島の方も、シナリオ通りに行けば、C国と抱き合い心中ですね、奴らも旧宗主国様と逝けて本望でしょうな」
「まあ此方としても、あの国がどうなろうと興味は無いし、戦後我が国がする事は不法渡航をする船を防疫のため沈めるだけだし、今後も国内の奴らの親派はどんどん整理して行く予定だよ。
大体我が国民に、明らかな敵対行動を取る国に協力する事の意味を、もう少し考えれば彼ら自身がどうなるか解るだろうに。
日本が彼の国に非道な事をしているので、不当に差別された者達を助ける為の行動なら、私はシンパシーを感じるが事実は真逆だろ?
彼の国が一方的に捏造歴史を根拠に、此方を攻撃しているんだ、それを取り締まるのが普通だと思うのだが、我が国のマスコミはどう考えているのかね?」
「馬鹿なのでしょうね、知能が高いとか高学歴だとかで、人の馬鹿利口は判断出来ない証拠でしょう、オ○ム真理教の例もあるし。
まあ日頃代表が言っている、『高知能のサルにはまともな判断を下せない』でしょうからね」
「そうだね、大学病院なんかに行くと、結講高知能のサルは多いね。
学校時代から成績はいいが、まともな他人付合いが解らなく、善悪の判断が付かないで、患者を精神的にサポートしなければいけない職業なのに、逆に虐め殺して平気なサル人間は多いからね。
多分親がその大事な教育を、疎かにして学業やトリッキーな受験用勉学は教えては来ているが、他人を思いやるとか、基本人は騙さないとか、お天道様の下を歩けない様な事はするなと言う大前提を何も教育してない、サル人間が多いよあそこや有名大学は」
「教育ママ的なオバさんが、大元の原因でしょうな。
私は別に男尊女卑の信望者ではないし、フェミニストでもないから両方の言い分に違和感を覚えますよ。
どちらかと言うと私は、能力主義者と言うか、適材適所主義者というのかな。
性別よりその部署に合った、人材や他人を見る時の柔軟性や多様性で、幹部の人事を行なっていますが、教育ママと言う人種は我ばかり強いが、他人の我は認めない片寄った人格の人が殆どですな。
あれに教育された、ガリ勉タイプの大学生は、はっきり言って使えない性格欠損者が多く、経験から言えば変質者タイプの、犯罪予備軍が非常に多いですね」
「そうですね、・・・・本当にそのタイプが多いですね。
私の場合感が良いのか、その手の採用者は書類審査の時点で弾きますので、本採用の社員にはそのタイプが少ないと思います。
しかし他社では、求人やパートタイマー等の雇用では、その手のサル人間では困っているそうですが、我社は少ないですね」
「そうです、御蔭で我々はアホな指揮官の下で、磨り潰されないで助かっていますよ、まあ代表が責任者じゃなきゃ他で働いていますからね」
「そう言って貰って嬉しいが、本人には実感がないからね・・・・・。
そう言えば、提督はASEAN軍の中のK橋を利用して逆情報を流し、C国軍への情報戦に利用して居るそうですね。
あの方相手に下手な諜報戦を仕掛けても、上手く行っていると安心して居ると、最後に全て覆らされて泣きを見るのが関の山でしょうが」
「まああの方相手に敵対したら、偉い目に合うのは目に見えて居るのに、敵を知り己を知れば百戦危うからずと言う格言を、知らないのですかね彼の国民は。
まあ最も、あの地域は革命で文明のが断絶して居るので、C国4000年の歴史とか大言壮語して居ますが、日本の天皇家から見れば精々200~300年毎に王朝がコロコロ変わる、短命国に過ぎないぽっと出の王朝ばかりですからね。
彼の国が、日本を目障りな存在に思うのも無理無いでしょうね、何せ天皇家は世界的な歴史資料で見ても、少なくとも1600年以上続いている王家です。
だから彼らの大言壮語を、鼻先で笑う事が出来るとても、煙たい存在であり、権威を振りかざせない、更なる権威ある王朝ですからね」
「その通りですよ、本来なら日本の歴史学者は、かなりニュートラルな立ち位置にいるので、その見識で世界史を内外に客観的に示せる立場なんですが、戦後の教育界にはびこるマルクス主義の洗礼を受けた、学者の性で発狂状態に成ってしまったのがつくづく残念です。
全く日本の知識階級と豪語する、左翼系の学者達は、マルクスの亡霊に取り憑かれたマルクス教の神官だから、冷静に歴史や宗教を検証も出来ないし分析も出来ない存在ですから。
マルクスが提唱した、『宗教は麻薬だ』ははっきり言って間違いです、正確には『イズムは麻薬だ』が正解ですね!
まあ宗教も思想もどちらも『イズム』だし、盲信した時点で科学とは懸け離れた、宗教モドキに成るのだから始末におえません」
「本当にこの機会を好機として、早く彼ら狂信者を社会の中枢から排除しないと、日本所か世界の為になりませんから。
所で話しは変わりますが代表、今後ここにあるソーラー発電ユニットの扱いはどうしますか?
今の所一応国の受注で、ストックした在庫ではありますが、寝かせておくだけでは宝の持ち腐れに成ってしまいます。
場合に因っては今回の様に、一部在庫は避難場所や、自治会等の団体に供与しても宜しいでしょうか。
その場合、代表に一言確認は取りますが、基本確りした組織には供与しても構わないでしょうか」
「まあ暴徒やヤクザ等の、犯罪者組織でなければ首相も煩く言わないでしょうね。
基本あの方は、この発注したユニットは被災者に供出する予定で発注した物なので、政府からの供与品として宣伝すれば問題ないでしょう。
私から首相へ聞いておきますので、取敢えず私に受け渡し先の団体を連絡して、承認を取ってくれれば構いません」
「解りました、これで気になっていた避難民組織に、供与出来るのでほっとしましたよ」
「気になる避難先が有るのですか、でしたらその集団にゾンビのスタンビートがある可能性が予想出来るので、注意を喚起して下さい。
そろそろ都心部で、感染キャリアである人間が少なくなっていますので、手付かずの獲物が居る地方へ集団移動が、いつ起きるかは予想出来ない状態です」
「対策としては、侵入防止用の外壁の強化でしょうか、私の知って居る避難所は高校を拠点にしている集団で、元消防レスキューの隊長が纏めている所で、避難民が70名程の集団です。
防壁は従来からある金網フェンスと、出入り口をマイクロバスで塞いでいるだけで、いささか心許ないですがね」
「何か外壁の強化や、食料調達の提案をして居ますか?」
「外壁は、パイプ等で強化して居ますが強度は今一ですね、食料は冷凍コンテナを利用して保存する方向で、現在行動して居ますが発電がネックになっています」
「冷凍コンテナは良い考えですね、発電はBBLSGユニットを供与すれば問題は解決しますね?
学校なら現在あるフェンスの内側に、ハーフコンテナーを2段に積み重ねて強化すれば、防壁と資材の保管庫の両方に利用出来るので、避難所回りの重機や貸し倉庫のコンテナヤードを、チェックしておけば直ぐ手を打てると思います」
「コンテナの防壁ですか、相当丈夫な防壁になるでしょうね・・・。
解りました、早速その旨を伝えて置きます、BBLSGユニットは集合住宅用Lユニットを2セットと、保冷コンテナに戸建ユニットMサイズを1台に1ユニットずつを用意します」
「そうして下さい、後指導者が確りして居る組織なら、近場の警察署の動向を把握する様伝えて下さい。
所轄の警察署が、ゾンビに制圧された場合、信用出来る自治組織で残りの武器や、証拠品保管所の武器を回収して、対ゾンビ戦や暴徒を制圧するのに利用して下さい」
「解りました、行動指針通り我々も地域と協力して、対ゾンビ・対暴徒組織を作り、パンデミック後のワクチン接種時の、下部組織を整えます」
「宜しく頼むよ、ワクチンが完成増産後は、君達の出番がやって来るのだから、心して掛って欲しい。
そろそろ取付け講習会は終わりそうだな、終わったら我々は昼食を食べてから一休みして出発するよ」
俺達は今後の予定と、行動の方向を再度話合い、八王子センターを後にした。
主人公は女性に対してかなりヘタレです
過去にトラウマとかありそうですね
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