スライムの闇取引 2
「おい、そこの行商人。少し止まれ。」
荷を急いで運ぼうとする行商人と助けを求める反応、そしてかなり高密度の魔力の反応。間違いなく運ぶ物は禁止とされている魔物だった。
「あ?なんだお前?・・・ってこいつは魔女だ!」
恰幅のいい髭を生やした男は最初こそ威勢は良い反応だったが直ぐにしりもちを付き、腰が引けていた。
だが、横にいた背の高い男は予想外の反応だった。
「魔女か、よしこれは高い金になる。」
そう言うと舌なめずりをして毒を縫ったナイフを取り出した。
「おい、魔女大人しくしとけ。そうしないと痛い目を見て貰う。」
そう言うと、隣にいた恰幅のいい男はそれに続くように言った。
「そっ、そうだ、兄貴は最強なんだ!この前も、デッドリーウルフの群れをナイフ一本で退けたんだぞ!だから死にたくなければ俺たちの言うことを聞け!」
正直、呆れて物が言えなかった。
「そうやって、強者の前でしか振る舞えない愚かなお前は、獣以下だ、羽虫と比べても失礼だぞ。」
恐らく、これまでも魔物や子供等を拐い、自らの至福を肥やしていたのだろう。
昇進署名の下衆だ。まさしく我欲を満たす獣以下だ。
「獣以下のお前達は僕が消す。」
何故か分からないが、下衆や外道を見ると何も思わなくなった。
まず、檻を破壊して中に居たスライムを安全な地帯まで逃がした。
その時間僅か3秒だった。
まず、恰幅のよい男の四肢を切断し、鮮血が流れる刹那の瞬間に首をもぎ取った。
「これで、分かった?自分達が犯した罪に対する罰が。」
身長の高い男が目を丸くして起こった現象に対して脳をフル稼働させていた。
なぜ、どうして、何があった?、弟が殺されたのか?、この数秒間で?
あり得ない、こんな魔女初めてだ、いつもならすんなり降伏してくるはず?、だけどうして?・・・・そして身長の高い男が出した答えは・・・・
「うぉーーーー!」
ナイフを思いっきり振り上げ脳天めがけて刺そうとした。
だが、気づけばナイフが手を離れていた。全く意味がわからなかった。
「お探し物はこれかい?」
そう言うとイヴァンはナイフを舐めた。
男は勝ち誇った顔で笑い始めた。
「はっ、ははははは!馬鹿が、そいつは致死性の高い毒を混ぜ合わせた物を縫ったナイフだぜ!せいぜいのたうち回って死ね!」
次に、そのナイフが自分の首に刺さっている事に気づいた。
「こんな毒では、僕の体を蝕む事は出来ないよ。」
そう言うと、男の首を中心に血管が紫へと変色した。
「あっ、が、がががっ!」
そう言い残すと白目を剥いて生き絶えた。
「さて、聞きたい事は色々ある。ねぇスライム君。」
そう言うと、数十メートル先にいるスライムは背筋が完全に凍りついた。
先ほどの惨状を見てしまえば誰でも逃げる場面だったが、完全に動けなくなった。
先ほどの男達には恨みや憎しみがあったが、それでも残虐すぎる殺し方を見て、人間性を疑った。
やはり、生きようと願わなければよかった。
突如現れた救世主を頼ろうとしたが、頼ったのは文字通り悪魔だった。そうやって思考を回したが、その悪魔は数秒も掛からずに掴まれていた。
「――――――――――!(ひいっ!助けて下さい!何もしませんし、何でも言うことを聞くので命だけはお助けを!)」
「殺すつもりは無いよ。殺すのならとっくに燃やしている。いくつか質問するだけさ。」
「君は、何で行商人に捕まっていた?」
冷酷な声音でイヴァンは言った。
「――――――――――――。(わっ、私の里が襲われて、仲間が殺されて抵抗したけど、捕まってしまったんです。)」
「そうか・・・・じゃあ別の質問をしよう。」
――――――――――君は人を殺めたかい?スライム君。―――――――――――――
こんにちは!くぼってぃーです!
今回はイヴァン目線がかなり少ないけど、それでも面白くする為に尽力して来ます!
まだまだ連載続くので頑張って行きます!




