外伝 あっさりとこってり(新作投稿記念SS)
新作始めました! 本作の面白さを引き継ぐ作品ですので、是非、読んでいただけると嬉しいです。
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「ジロー系ラメーン美味しかった」
フィルはえびす顔でご満悦。
「さすがはフィル様です。ジロー系の良さを理解されるとは」
「えへへ、ボク、ジロリアンになっちゃうかも」
「ふふふ、しかし、ラーメンはジローだけではないんですよ」
「そうなの!?」
「むしろジローはラーメンではなくジローという食べ物、いえ、生き様なのです」
「なんだかよくわからないけど、すごそう」
「私のラーメン仲間に毎日ジローを食べて寿命を縮めたものがいます。彼は遺族に葬式の後の食事会はジローにしてくれと言い残しました」
「す、すごい」
「ラーメンは遊びではないのです。というわけで今日は天下二品に行きましょうか」
「天下二品?」
「天下にふたつとない至高のラーメンを提供してくれる場所です。チェーン店ですが、どろっどろの濃厚ラーメンを提供してくれます」
「おお、すごい」
「どれくらい濃厚かと言えば普通に麺を食べているだけで麺にスープが絡み、食べ終わる頃にはスープがなくなっているくらいなんです」
「それはすごい!」
さっそく天下二品に行くフィルとセリカ。ここはチェーン店なのでジロー系よりは殺伐としていない。店員さんも水をくれる。
「刺すか刺されるかの雰囲気も悪くないけど、こういった牧歌的な雰囲気も悪くないね」
「チェーン店ですから家族連れも来ますしね」
さっそくふたりはラーメンを注文する。
セリカは濃厚なラーメンをずずーっとすすって堪能する。
フィルも同じようにラーメンをすするが、途中でとあることに気が付く。
「……あれ、フィル様のスープがなにかおかしい」
セリカはまじまじとフィルのどんぶりを見ると、とんでもないことに気が付く。
「フィ、フィル様、もしかしてあっさりを頼みました?」
「うん、そだよ」
「な、天下二品にきてあっさりを頼むだなんて!?」
セリカは邪教徒を見るような目でフィルを見つめる。
「え、もしかしてあっさりは駄目なの?」
「駄目に決まっています。ここではこってりしか頼んではいけないのです!」
じゃあ、なんでメニューに載っているの? ということになるが、ことラーメンに関してはセリカの言に従うしかない。
フィルは異端審問官に宗教裁判に掛けられる前にこってりも注文する。この辺はフィルの胃袋の面目躍如だ。
ちなみにフィルはあっさりもこってりも両方美味しいと思った。
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