19 真・暗黒竜王VS魔導王、決戦
SIDE ミラ
「ドラゴンさん、大丈夫でしょうか……」
ミラは不安な気持ちを口に出した。
もちろん、あの姿のガルダの強さは承知している。
魔導王の側近たち──『神樹伯爵』『機甲巨人』すら圧倒する戦闘能力。
だが、今回の相手は魔導王だ。
しかもガルダと同じく『暗黒竜王』の姿や能力を再現し、すさまじい力を発揮している。
いかにガルダとはいえ、果たして勝てるのか。
「どうか、無事に戻ってきてください……」
「問題ないさ。奴は勝つ」
勇者アーバインがつぶやいた。
「この間の戦いでも、あいつの強さは圧倒的だった」
「その戦いは参加できなかったが……こうして間近で見て、実感した。あの竜は異常な強さだ。あれなら魔導王にも勝てる」
と、その隣でつぶやいたのはラースだった。
「ただ、その後で俺は奴に挑むぞ」
「勇者として、か」
「当然だろ。神託は奴を『世界の敵』とみなした。なら、倒すだけだ。勇者の名にかけて──」
「ならば、私は全力でお前を守ろう。勇者パーティの仲間として」
※
俺と魔導王は漆黒の宇宙空間で向かい合っていた。
翼を羽ばたかせても、手ごたえがない。
どうやら周囲の空間には空気がないらしい。
俺はほとんど無意識に魔力を放出し、そのエネルギーで飛んでいるようだ。
その辺りの細かい調整は俺にはできないが、この体の方が自動的に飛行のための魔力調整をしている感じだった。
体が覚えている、ということか。
『さあ、決着のときだ。魔導王』
『ふん、望むところだ』
魔導王がうなる。
空気がなくても互いの声が聞こえるのは、【意思疎通】のスキルが作用しているからだろうか。
ほぼ同時に、俺たちはブレスを放った。
青白い輝きが、紅蓮の炎が、黄金の稲妻が、漆黒の宇宙を照らし出す。
爆光が辺り一面に弾ける。
ブレスの威力は俺が上回っているようだ。
だが、魔導王は自分のブレスを上手くぶつけ、その威力をそらしている。
『遠距離の撃ち合いじゃ、なかなか決まりそうにないな……』
俺は翼を羽ばたかせ、一気に加速した。
スキル【光速飛行】。
まさしく光の速さであっという間に魔導王の懐に飛び込む。
そこから繰り出した【爪撃】が、奴の胸元を切り裂いた。
『ぐおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!』
絶叫する魔導王。
『おのれぇぇっ! 我が力、未だ竜王には及ばず! おのれぇぇぇぇぇぇぇっ!』
黒い体を鮮血で濡らしつつ、【爪撃】で反撃してくる。
俺はそれを尾の一撃ではたき、さらに爪で奴を切り裂く。
『お前はなぜ力を求める。なぜそこまで執念を燃やす?』
血まみれの魔導王を見据え、問いかける俺。
『なぜだと? 分かり切ったこと! 力を得た者は、さらなる力を欲するはずだ! お前は違うのか!』
魔導王が吠えた。
『強大な力を持つという魅力には、誰も抗えぬ! 余は誰よりも強大な魔導の力を備えている! だが、足りぬ! だからこそ、足りぬ! もっと強大な力を求めるのだ! 心が、本能が、魂が!』
叫びながら、青白いブレスを吐き出す。
ゼロ距離からの【滅びの光芒】だ。
『俺は──違う!』
直撃を受けながら、俺は三発目の【爪撃】を繰り出した。
だが、浅い。
今の魔導王のブレスで、俺も多少はダメージを受けていたのだ。
ただ、ここで距離を取れば、奴が逃げるかもしれない。
こちらもダメージを受けることは承知で、距離を詰めたまま攻撃を続ける。
最後の最後の瞬間まで、容赦なく仕掛ける。
魔導王は絶対に逃がさない。
必ず、ここで打ち倒す──。
【お知らせ】
『Sランクパーティを追放された俺は、真の力に目覚めて史上最強の賢者になる。今さら戻ってこいと言われても、もう遅い。九つの魔導書(全員美少女)とともに、自由気ままに生きていく。』連載中です。
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