聖女ちゃんあーんする。
ちょっと『はいむる珈琲店』における前話までの描写を変更(2020/05/30)
食べログとか見るに、昔わたしがこの店に行ったときと内装とかサービス変わってるようなので。
主な変更点:
カウンターに並んで座る➡厨房傍の座席に座る
ツェツィリーちゃんときょーすけが向かい合って座っていて、きょーすけが奥に座る(ツェツィリーちゃんが客に背を向ける)位置で座っている感じになります。
ご迷惑をおかけします。
ツェツィリーちゃんにもう2口かき氷を食べさせ、今度は頂上の半分にカットされたイチゴをスプーンに掬う。
ここのイチゴ、本当に美味しいんだ。
彼女の唇が迎え入れたイチゴを噛みしめる頰の動き。溢れる果汁がツェツィリーちゃんの口内を蹂躙したことだろう。笑み崩れた彼女が言葉にも出来ず身体を揺すって美味しさを表現する。
「美味しい?」
全力で首を縦に振る。食べ物を美味しそうに食べる子は可愛いよね、うん。
もう1口かき氷を掬って彼女の口の中へ。
コトリ、とスプーンを置く。
「冷たいモノを急いで食べるのも良くない。お茶を飲もう」
紅茶を指し示す。ツェツィリーちゃんは頷き、ゆっくりと紅茶を口にして、ほぅ……と息をついた。
俺もコーヒーを口にする。甘味はツェツィリーちゃんを見てればいくらでも補充出来るからブラックで充分だよね。
ツェツィリーちゃんがスプーンを手に取る。ふふ、やっと自分で食べるということを思い出してくれたか。
ただ、この店のかき氷は崩れやすいからね。気をつけて。
「はい きょーすけ」
だがしかし、ツェツィリーちゃんは慎重にかき氷をスプーンに乗せると、あろうことかそれを俺に差しだしたのである。
「あー、ツェツィリー?」
「どーぞ」
ツェツィリーちゃんは背中を向けていて気付かないだろう。
だが俺からは他の客の顔が見えるのである。奴らは不自然に手元のスマホや雑誌に目を向けながら、その気配は明らかにこちらを凝視している。
「きょーすけ たべて?」
俺はゆっくりと口を開け、差し入れられたスプーン、彼女が口をつけたそれからもたらされた甘酸っぱい氷菓を堪能した。
「おいしい?」
「ああ、とっても」
他の客から『くたばれこのバカップルどもが!』というオーラを感じる。
うん。
俺も君たちの側にいたらそう思うだろうね!




