No.55 中華屋の二冠達成!
「ぷはぁーーーにゃーーー。それなら知り合いを講師に紹介するにゃ」
「おぉ、かたじけないのじゃ! してどこのどなたじゃ?」
カルカンの知り合いでも、ケーキの腕が確かならこの際は不問としよう。そう考えていたら、カルカンが一枚のチラシを持って来た。
「猫飯亭のバイトの子にゃ」
「何故にバイト? して何故に中華屋なのじゃ? 妾はパティシエを希望する」
妾が問うと、カルカンはチラシをずいっと目の前に突きつけてきた。
チラシの内容に目を通して見ると、そこには二冠達成の文字が掲載されている。
「な、なんじゃと!? パティシエコンクールとパティシエコンテストの二冠達成じゃとー!? ってコンクールとコンテストは何が違うのじゃ?」
「そこは重要じゃないのにゃ。二冠達成している事実が凄いのにゃ!」
確かに凄いとは思うが、何故中華屋でアルバイトをしているのかが気になる。
カルカンが早速連絡して、料理のレクチャーを依頼してくれた。
通話が終わるまで妾は黙って待った。電話が終わったと同時にすかさず茶化す。
「カルカンお主、ああゆう娘が好きだったのかぇ? いつの間にアドレス交換したのじゃ? ん?」
カルカンはお店の電話番号ではなく、バイトの子の携帯に直接連絡をしていた。
妾の知らぬところでラブが進展していたようでどうしてもウキウキしてしまう。
「にゃ? なんかニヤニヤしてて気持ち悪い顔にゃー」
「気持ち悪いゆうなや! それであの子とはどこまで進んでおるのじゃ?」
「何のことにゃ?」
恥ずかしいのかすっとぼけた反応で返される。
全くういやつよのう。ういやつ……コヤツ、まさか素で気付いていないのか?
カルカンは色々とアドバイスしたと鼻高々に語っている。話を聞いていると、所々で余計なアドバイスがあるような気がしてきた。
「のぅ、バイトの子が凄いのは分かったが、何故に猫飯亭はチョコレートフェアをやっておるのじゃ?」
「二冠達成したから私が勧めたのにゃ!」
二冠達成は確かに凄い。
それにチョコレート付きでも値段が変わらないのも凄い。
だけど、需要があるとはどうしても思えない。
妾はチラシを逆にカルカンの顔に突きつけて、猛抗議をしてやった。
「このチョコレート入り餃子は要らんじゃろ。チョコレート麻婆もじゃ。一番要らんと思ったのはこのチョコレート炒飯じゃたわけ! 何が光の神監修じゃ!」




