No.49 美ボディ vs KY
「さ、それはもう忘れて契約違反のおしおきの時間なのにゃ!」
カルカンは腕を組んで鼻息を荒くする。
しかし、妾も無策で挑んだ訳では無い。
「ところでヴィンテージ高級ブランデーのレア物を事前に入手しておったの……」
「はい許すにゃ! それをくださいにゃー!」
酒で打開を試みるとあっさりカルカンは陥落。
秒殺ではなく瞬殺だった。既にブランデーの栓は天寿を全うしている。
こちらの許可を待たずにグラスに並々と注ぎ、勝手に乾杯宣言して飲み始めているカルカン。仕方が無いので妾も手酌をして自分の分を用意した。
「お値段が張っただけあって旨いのぅ」
「にゃっにゃにゃっにゃ♪」
既にほろ酔いなカルカンに妾の呟きは聞こえなかったようだ。金額を聞くとまた騒ぎ出しそうだから黙っておいて、酔っている間に先ほどの件を尋ねる。
「のぅ、カルカン。ちなみにおしおきは何を予定していたのじゃ?」
「ぷは~うぃっく! んにゃ? ヨウは水風呂にでも入れて、頭を冷やさせて反省して貰おうと思っていたのにゃー」
「いやいや水風呂じゃと頭じゃのうて体が冷えるじゃろうに。ん? いや待て、そうじゃのぅ……」
どうせ屋内な訳だし、せっかく用意したのに使っていなかった水着で、ナイトプール気取りも悪くないかも知れない。
用意していたプールには季節感が足りないので、屈強な男たちを電話で呼び出し、内装と室温を常夏風に改造してもらった。
その間もずっとブランデーを飲んでいたカルカンがお代わりを所望している。
「ヨウ、ヨウ。何だか二階が騒がしかったけど、早くお代わりを欲しいのにゃ」
「ふむ。お代わりはお預けじゃ」
「そんなこと言うなら水風呂のお仕置きを復活させるのにゃーーー!」
カルカンが勢いよく吠えた。
だが、妾も準備万端で迎え撃つ。
「望むところじゃ! 妾の美ボディをとくとみよ!」
服を脱ぎ捨て、既に着けていた水着を見せびらかす。
サイズが無かったので、Zimmermannに特注オーダーメイドを作らせた。これもカルカンの精神衛生上の理由でお値段は秘密。
フリル付きのビキニタイプで、胸にはこれでもかとフリルを使いボリュームアップさせている。
「どうじゃ? 可愛かろ?」
おまけでくるりとターンも披露したのに、カルカンには鼻で笑われてしまう。
「なんじゃ? 思う所があるのならゆうてみぃ」
「盛り盛りで誤魔化すくらいなら大人しくスクール水着でも着てれば良いにゃ」
酔った勢いとは言え、この酔っ払いは言ってはならぬことも分からない模様。
「ギルティなのじゃ!」




