No.47 外へ続く暗証番号
妾は契約のことなどをすっかり忘れて鍵の解除に本腰を入れることにした。
「さて、この鍵の暗証番号を解くとするかの」
鍵は4桁数字の暗証番号が付いている。何も手がかりが無いわけではない。
扉の横には「忘れないためのメモにゃ!」という張り紙が堂々と貼ってある。
しかし、少しは頭が回るようで、答えを直接書くほどアホでも無かったようだ。
メモにある内容をしげしげと眺める。
「どれどれ、ふむ……。漢数字は三箇所あるのぅ」
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《三賀日はいずれも風邪ではなく肉をひいていた。キャベツの千切りも二玉追加しておこう》
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三と千と二をヒントに色々と組み替えて入力してみたが、いずれもダメだった。
「ぐぬぬ……おのれ。カルカンのくせに生意気な!」
酒勘定以外は全く計算ができないカルカンのことだから計算式が入っていないだろうと予測できるが、他の単語にも何か隠された意味があるのかも知れない。
改めて本腰を入れて暗号と向き直ってみる。
「むー……風邪、肉、キャベツ……」
風邪は否定しているのでフェイクだと判断した。
それで「肉をひいていた」と「キャベツの千切り」をイメージしていたら突如として天啓を得る。
「これは……メンチカツなのじゃ!」
そしてすぐさまメンチカツを数字にしようと試みてみたが、どうにも分からない数字が多い。
「ふむぅ、『メン7カ2』までは予想できるが、残りが謎すぎるのじゃ」
暗証番号は4桁だから、恐らく「メン」で一つの数字だろうとは思う。
そう考えると1(ワン)か10(テン)が候補となる訳だが、ゼロとイチを組み合わせるだけなのでどちらも試してみることにする。
謎のままの「カ」だが、どうせ10パターンしかないので総当たり。
けれど、解けないまま時間だけが過ぎてゆく。
「いかんの……目がしぱしぱしてきおったわ」
後半はヤケクソ気味に色んな組み合わせを試してみたがいずれもダメだった。
悔しさに打ち震えていると、妾の背後に光が集まりだし、その中からひょっこりとラザとカルカンが顔を出した。
『あ~いけないござる~。部屋にいないとダメござる~』
「ヨウ! 何をしているのにゃ! それは重大な契約違反なのにゃ! コンプラ違反は答え合わせもなく追放されるのにゃーーー!」
カルカンだけならまだしも、温厚なラザまでもが仁王立ちで両手をあげ、威嚇をしてきたので妾は降参した。
自慢の尻尾も丸め込んで二人に土下座をする。
「すまぬ。ほんの出来心なのじゃ。許してたもれ」




