表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/19

No.13 飼えるペットは?

「そもそもこの結界の中に通常の生物が入ったら即座にマナ酔いで死ぬにゃ」

「な、なんじゃとーーー!?」


 妾は神にも等しいマナを有していて、しかもコントロールできていないそうだ。

 並みの生物ではマナ酔いという症状を起こし、最終的には死に至ると言う。


「私だから傍にいられるのにゃー」

「腐っても神であったのか」

「んにゃ? 私はBL好きでは無いにゃー。でもそういう訳だから諦めるにゃ」


 慰めているつもりなのかカルカンが妾の肩をポンポンと叩く。

 そしてすかさず酒瓶を奪おうとしてきたので振り払っておく。


「ええい! 禁酒じゃとゆうておろうに!」

「チッ……今なら油断していると思ったのに抜け目ないにゃー」

「どっちがじゃ! とにかくペットが飼えん間は封印なんぞされてやらん!」


 酒瓶を抱きかかえて徹底抗戦の構えを見せるも、カルカンは鼻で笑う。


「我慢比べかにゃ? 付き合ってやるにゃー」

「妾の望みにペットが飼えん間の光の神の禁酒も追加じゃ! ほれ、飲みたいのであろう?」

「そういえば飼えるペットの心当たりがあったにゃ」


 酒を人質に取ったら秒で意見を翻してきた。わざとらしく掌まで叩いている。


「して、どんなペットじゃ?」

「今、連れてくるにゃ」


 そう言ってすぐに光の中に包まれて消えていくカルカン。

 ペットと言っても幅が広いからな。爬虫類は勘弁して欲しいところ。

 NGペットを頭の中で思い浮かべていたら、空間に光が集まりだした。


「おまたせにゃー」

『う~、ここなら甘いもの食べれるござる~?』


 カルカンが連れてきたのは銀色の子グマだった。妾は座したまま後ずさる。


「の、のぅ。食べられたりはせんのか? 昨今は熊の被害が多いと聞くのじゃ」

「大丈夫なのにゃ。見た目はくまさんだけど、中身はドラゴンなのにゃー!」

『おいしいの~? おいしいなら食べるござる~』


 妾は咄嗟に死んだふりをした。迷信と言われているが藁にも縋る思い。

 その間にもカルカンが懇々と食べてはいけないことを説明していた。


「ヨウ、そんなに怯えなくても良いにゃー」

『ヨウは食べないござる~!』

「ほ、本当かぇ?」


 銀色の子グマは大地の神で、名前がラザだと自己紹介を受ける。


『ボクはラザ~。よろしく~ござる~』

「う、うむ。妾を食べないのであれば良い。ん? ラザよ、足に土がついておるわい」


 そのせいで畳が土塗れになっている。畳をさっと拭いてラザの足も拭いた。

 けれど、何度拭いてもラザの足には土がついてしまう。


「これ、自動的に寄ってきておらんか? まるで磁石なのじゃ」

『う~?』

「ラザ様は大地の神だから、ちょっと土が寄ってきやすい体質なのにゃー」


 それは困る。畳は土足厳禁とさせて頂きたい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
最近は、熊が人気ですね。 でも、土は困りますね。 畳ですし。 ゜+(人・∀・*)+。♪
ついにペット登場!と思ったらくまちゃんの神様でしたかw わぁ何か親近感が湧きますね〜(*^^*) 怖いもの知らずのヨウちゃんがちょっとビビってるのが可愛いですね♪
ヨウちゃんのペットに銀色の子クマがΣʕ•ᴥ•ʔ 反応せずにいられませぬ。脳内ではすでに灰色熊。ナカーマ♡(ᵔᴥᵔ) 作者様、ドラゴン裏設定なくとも、クマはファンタジックですよー⭐︎
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ