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なんかそれっぽくまとまった話

「―――ってわけだ。結局、俺はアイツのことを幼馴染としか思えないんだよ」


 話し終えるのは、そう時間がかからなかった。

 昼休みもまだ終わっていない。だけど予鈴は鳴ったから、急がないと授業に遅れるかもしれない。

 それでも俺たちは、未だその場から動かずにいた。


「なるほど…」


「距離感が近すぎたんだと思う。今更、花梨のことを女の子として見ることができる気が、正直しないんだ」


 俺の言葉に柊坂は頷いていた。

 彼女は俺が話し終えるまで一言も口を挟んでこず、ただ黙って聞き入っていた。


「それで、あの子はなんて…?」


「絶対諦めないってさ。バカ野郎って捨て台詞残して帰ってった。それでもさすがのアイツにも気まずさはあるだろうから、しばらくは話しかけてこないと思ってたんだが…」


 さすがに神を名乗ってきたのは完全に想定外だった。

 ていうか、想定できたらそいつは間違いなく頭がおかしい。

 ……その頭おかしい行動を取ってるのがアイツなんだよなぁ。いかん、なんか泣きそうになってきた…


「三雲くん、大丈夫?なんか泣きそうになってるけど…」


「大丈夫だ。ちょっと育て方を間違えたことへの後悔と、アイツのメンタルの強さに脱帽しているだけだから」


「それ、大丈夫っていうの…?ていうか、本当に目線が身内のそれね…」


 実際、そうなのだろう。

 親よりも互いのことを理解しているのが俺と花梨だ。

 だからこそ、そういう対象として見られなかったわけだが…しかし、そう思うとますます疑問が深まっていく。


 花梨のやつ、なんのためにストーキングなんてしてくるのやら。

 そんなの相手のことを知りたいからやるわけで、俺たちの間で今更やる意味なんてないだろうに。

 素直に話しかけてくりゃいいんだ。今のアイツの考えが、俺にはサッパリ分からない。


「なぁ、柊坂はどう思う?アイツは、いったいなに考えてるんだ?」


 俺は一縷の望みをかけて聞いてみる。あるいは彼女ならわかるのかもと思ったのだ。

 花梨の親友である柊坂なら、俺には分からない花梨の行動について、なにかしら説明してくれかもしれないと、そう思った。

 だけど、


「さぁ、私には分からないわ」


 返ってきた言葉は、とても現状を打破してくれるようなものではなかった。


「…………そっか」


「そもそも、花梨が変な行動取るなんていつものことでしょう?ちょっと慌てすぎよ。私みたいにぼっちがバレるかの瀬戸際でもあるまいし、もっとドンと構えてるべきじゃないかしら」


 少しだけ落胆するも、後に続くアドバイスは的確なものだ。

 耳を傾けるも、何故だろう。あまり心には響かなかった。


「ありがとう、柊坂。とりあえずそうしてみるよ」


「そうしなさいな。そのほうが、きっと花梨にとってもいいはずよ」


 柊坂が言い終えると同時に、大きな音が辺り一面に響き渡る。

 午後の授業を告げる鐘の音だ。今から戻っても遅刻確定。怒られることは確実だろう。


「あちゃー…どうする?」


「私は戻るわよ。入学早々目をつけられたくなんてないしね」


「それは同感」


 顔を見合わせひとつ笑うと、柊坂は先に立って歩き出した。

 俺も慌てて後に続く。少なくとも、胸のつかえは少しだけ取れた気がした。


「ちなみについでに聞くんだけど、頭から紙袋被って神を名乗るやつがいたとしたら、そいつのことをどう思う?」


「なにその質問…有り得ないでしょそんな人。いたとしたら、間違いなくその人は頭がおかしいわ」


 ……ですよねー


「だよね、うん、俺も同意見だよ…」


「変なこと聞くのね…言ったそばから疲れた顔してるけど、大丈夫なの…?」


「うん、大丈夫大丈夫」


 空元気とはわかっているが、そう思わないとやってられん。


(しっかしアイツ、怒ってるかなぁ…)


 やや疲れながら教室に戻る途中、何故か思い浮かんだのは、頬を膨らませた幼馴染の顔だった。

かみは ちからを ためはじめた! ▽


感想たくさんほしいです。ブックマークや、↓から★★★★★の評価を入れてもらえるとやる気上がってとても嬉しかったりしまする(・ω・)ノ

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― 新着の感想 ―
[一言] かみは ちからを ためはじめた! …紙袋被った神…フフッww
[一言] 今回はどんな紙袋でしょう?
[良い点] 更新お疲れ様です! [一言] >「―――ってわけだ。結局、俺はアイツのことを幼馴染としか思えないんだよ」 親よりも互いのことを理解しているのが俺と花梨だ。だからこそ、そういう対象として見…
2021/05/10 22:10 退会済み
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