表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

559/575

54-1 カマの力でカマを救うべきか否か とかいう命題 - 公都ぶっちぎりの凄い客 -

前章のあらすじ(ざっくりエディション)


 夏島作るよ。

 ドロポン凄い。

 アルフレッド結婚するって。

 生態系破壊、ココナッツ、イカ、MAGURO!

 

 やっぱりマナ先生には勝てなかったよ……。


――――――――――――――――――――

 水涸れの村 あとオカマとアインスさん

――――――――――――――――――――


54-1 カマの力でカマを救うべきか否か とかいう命題 - 公都ぶっちぎりの凄い客 -


「じゃあ後よろしく、大公様」

「うむっ、こっちは任せておけ。まったく俺もいい友人を持ったものだ」


 しばらく出番がなさそうだから、いったんドロポニア島の開拓から手を引く。

 そうみんなに伝えると、なんと大公様がここの管理者になりたいと立候補してきました。


 なんかべらぼうにこの島が気に入ったそうで、経済的に自立するまで面倒を見たいとか、なんとか。

 やったね、出資者と管理者を同時にゲッツだぜ! でした。


「けどみんな不審に思うでしょうね。日に日に大公様が、焦げ茶色の肌になっていくんだろうし。あ、今さらだけど、日焼け止めとかいりますー?」

「うむ、俺は要らんが妻とマハが欲しがるはずだ。後で直接取りに行こう」


「ははは、勝手知ったる他人のなんとやら、ってやつですね。んじゃ、そういうことで」


 それと大公家の財力を使って、スレイプニルの石段をもう一つ作りました。

 これはこの南国ドロポニア島と公城を繋ぐやつです。


 大公様たちがいつでもこの島にこれるようにと、最初は友人としての心付けのつもりでした。

 ですが大公様は、これを開拓に使う気満々です。


「アレクサント殿のおかげでいい夢が見れそうだ。そうだ、後でレウラを一匹貸してくれ。リィンベル殿と一緒に西の大陸との商談を取り付けておこう」


「いや、公務があるでしょ、大公様……」

「問題ない。マハに代わらせる」


「なるほどそんな手が。酷い父親ですね。んじゃ、しばらく島を任せましたよ」

「うむ。公務の片手間に栄えさせておく」


 なんだか、大公様との主従が逆転しているような気がするけど、まあ本人が楽しそうならそれでいいか。

 開拓を大公様とヤクザ、アルフレッドに丸投げして、俺は平穏なアトリエ生活に帰りました。



 ・



 それから穏やかな日々が続きました。

 いつものように店を開いて、釜をかき回して、たまにアシュリーと冒険もして、帰ってきたみんなと賑やかな夕飯を食べる。そんな当たり前の生活です。


「先輩、ドロポン島に弟たちも連れてくっス。先輩もくるっスか?」

「いや遠慮しとく。つか、なんかやたら日焼けしてないか、お前……?」


「やっぱ海は最高っス!」

「日焼け止め持ってけよ、そのうちガングロギャルになっちまうぞ……」


「なんスかソレ?」

「特殊メイク」


 繰り返す。夏島にまだ浮かれてる連中もいたけど、平穏な日々が続いていきました。

 お嬢は大公様にくっついて西の大陸に渡ったかと思えば、あちらの王侯貴族に接触して、島に遊びにきてもらう約束を取り付けたそうです。


「あのねっアレク、悪いんだけどあのキラキラした光が浮かぶキューブ、作って!」

「……キューブ、キラキラ? そんなのあったっけ?」


「もうっ作ったじゃない! 温泉街の泉に入れて、観光名所にしたでしょ。アレをドロポン島に使わない手はないわ! 今度向こうのお偉方の接待があって――」

「そういえばそんなのあったかもね」


 精霊伝説とかでっち上げて、アルブネア温泉街を観光地として盛り上げよう。としたんだっけ……?


「あったかもね、じゃなくてアンタが作ったのよっ!」

「うーん……そうなんだけど、レシピがなぁ、アレの製法どうだっけ……」


「錬金術師がっ、大事なレシピをっ、なんで忘れられるのよっ!?」

「ぁ……あの、私、覚えています。綺麗、だったから――」


「じゃあアインスさんに任せた」

「ぇ……」

「そうね、アレクに任せるのは心配だから、ここはアインスに頼むわ」


 そういうことになったので、寝ながら作れる調合薬ポーションを完成させた俺は、アインスさんと店番を交代することにしました。

 カウンターに腰掛けて、客足の落ち着いた昼過ぎのアトリエをぼんやりと眺めながら、いい加減な接客をしてゆきます。


「アインスちゃんはおらんかのぅ……?」

「奥にいるけど仕事中だよ。今邪魔したらお嬢が怒る」


 湿布薬一枚だけ手にした爺さんたちが、それをピラピラさせながらレジに並んだかと思えば、ため息を吐きました。

 アインスさんはジジババに、特にジジの方によくモテます。


「ロリコンから物を買うのは気が引けるのぅ……」

「そうじゃのぅ、もう帰るべや」

「はいはい、帰った帰った。アインスさんが悲しむから、ポックリ死ぬなよ~」


 職人街の爺さんたちは湿布薬をカウンターに投げ捨てて、杖も突かない健康な足取りで立ち去っていきました。


「グリムニールちゃんまで囲ってるくせに、このロリコンが偉そうに……」

「最近の若者はのぅ、風紀の乱れが醜いもんじゃのぅ」

「ダリルにまで手を出してるからなぁ。はぁぁ、とんだドスケベ野郎じゃの……」

「さっさと帰れよ……」


 今度コイツらの湿布薬、強い薬にすり替えて悶絶させてやるかな……。

 いや、それはアインスさんが怒るかな……。このジジィどもと妙に仲良いし。


「ん……? どうしたジジィ、忘れ――ありゃ?」

「おほっ、あらいい男っ……♪」


 入り口の鈴が鳴ったので、てっきりジジィどもが引き返してきたかと思ったら、なんかもっと物凄いやつがエンカウントしていました。

 つーか、おほっ♪ とか久々にきいたよ。ウィンクとかされちゃったし……。


「あらやだっ、目が合っちゃったわっ♪」


 それは立派なオカマさんでした。

 鍛え上げた痩身の体躯の男が変な内股で、一直線にこっちに早足で迫ってきたら、あなたどうしますか? 俺はイスを後ろに下げて十分な距離を確保しました。


「何かお探しですか……?」

「ウフフ……シャイボーイなのね♪ アタシの名前はトレンデ、あなたにお願いがあってきたのよ。希代の錬金術師アレクサント様。んほっ♪」


 濃いな……。ノースリーブから露出したその肩が、同性から見ても非常に男らしい。

 だけどオカマ。マッチョ系オカマ。すげぇ濃い客がきたもんだな……。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

小説家になろう 勝手にランキング
よろしければ応援お願いいたします。

新作を始めました。どうか応援して下さい。
ダブルフェイスの転生賢者
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ