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1-02 鑑定書無しでポーションを売り切ろう! 3/3(挿絵付き


1-02 3/3 鑑定書無しでポーションを売り切ろう!


 まーそれはそれとして。

 探索は順調に進みました。

 予定を変更して地下6Fまで足を伸ばしちゃいまして、そうするとちょうどそこに良さげな薬草採集ポイントを見つけた次第です。


 なのでここは勇気を出してお願いしましょう。手伝って下さい。やった、OKだそうです。

 合計13名による総力でガッツリ材料が確保されました。


 まあ……見覚えのあるやつは数種だけで、他はどれが使えるのか使えないのかわけ判らないんですけど。

 判別はアクアトゥスさんが出来るので、今度お菓子か何かで釣ってお願いすることにしましょう。


 で……。


 最下層ではないのですが、一般的な迷宮にはボスとか中ボスがいるそうです。

 6層目がその中ボスの節目らしく、まあアルケミポーションによりメンバーの体力も無事温存出来ていましたので……。


 いっそ、一狩りいっちゃう? いっちゃう! って流れになりました。


 ってことで。

 やって来ましたよ、ボスですボス!

 四つ足の巨大鷹、ヒッポグリフです!



 ・



「気をつけろよ兄ちゃん! コイツは前も後ろも関係ねぇ! 襲って来たら避けろっ耐えろっ、そんでひたすら魔法をぶち込めっ!!」


 ボスのレベルで言うとB-クラスだそうです。

 なんだそりゃ、高いのか低いのかわかんないけど、とにかく……は、はええっ?!


「来るぞっ!」


 最前列が暴れ回るヒッポグリフと斬りむすび合い、その隙にこちとら後衛もぼんぼこファイアボルトを撃ち込みます。


 その巨体と速度を生かした突撃力。

 え、来るって何が来るのっ?! とか思ってたらバカとしか思えない巨大質量ヒッポグリフさんがこっちに猛突進して来るんですよ。


「先輩ッ、先輩は自分が守るっス!」


 なにこれトラック?

 みたいな巨鳥さんにアシュリーが俺を守るべく突っ込みました。

 彼女の左手から魔法盾が展開され、ドンッと空気を振動させながら受け止めます。


 ……ええ、受け止めやがっちゃいました。


「うわ、成長し過ぎお前……」


 敵の動きが止まり、前衛がこちらに戻って来ます。

 すかさず俺もファイアボルトではなく、溜め系の大技でいっちゃおうってことで、杖を右手に左手を空に、魔法の火炎弾の生成増幅を始めます。


「先輩こそ無尽蔵っス! ……むふふっ、ヤバいギリギリまで自分がカバーするっスから、そのまま溜めまくっちゃえっスよ!」

「お、いいねそれでいこう」


 引き続きアシュリーのすぐ後ろに陣取って、マジシャンこと俺はひたすら火炎弾を増幅した!

 ヒッポグリフの猛攻を回避して、回避して、回避不能なヤツをアシュリーがドカンと受け止める!


 そうしてゆくうちにヒッポグリフのダメージも蓄積し、ついに前足を踏み外して転倒するのだった!


「今っス先輩! スーパー先輩玉っス!!」

「ちょ……せっかくのいいところで変な名前付けないでよ……。あーじゃーいきます。スーパー先輩玉~~どーん」


 やる気のそがれたアレクサントくんの声とともに、必殺のファイアーボールが回避不能のヒッポグリフに弾丸発射される。

 すると着弾するなり全身にガソリンぶっかけたみたいな猛火が上がり、敵はあっという間に絶命してチキンではなくただの灰へと変わっていた。


 いや訂正。


 その灰の中にはヒッポグリフの爪と呼ばれる高額素材と、その他もろもろのボス撃破報酬的な物が散らばっていたらしいです。

 うん、撃破=お宝。これはわかりやすくて良いな。

 さすが本場の迷宮。


 今回は回復剤だけ持ってきたけど、こりゃ美味いし、今度はアクアトゥスさんが使ってたような爆弾も作ってみようか。

 もし錬金術師以外が使えるように調整したら……これも売れ筋商品になるかも。


 ボスを倒せばお宝が出てくるんだから、決定打になれる攻撃アイテムってすごく貴重じゃないか。

 そうしよう作ろう、それで作ったら今回みたいに現場で実演だ。


 俺たち13名の多人数パーティは、地下7Fに到達すると帰還の翼を使って地上へと舞い戻った。

 その稼ぎは13等分ながらそれなりのもので、俺たち二人の知らぬところで大盤振る舞いの酒宴が開かれたそうな。



 ・



で、後日談――


 ヒッポグリフを倒しての7F到達。

 それそのものもまた良い宣伝材料になったらしいです。

 あの冒険者たちの口伝てで、アルケミポーションの売り上げも一挙に爆増しました。


 つもりつもった在庫も確実に消化され、全ては計画通り。あの鑑定士モショポーも、きっと遠巻きにどこかで悔しがっていることでしょう。


 ああ、そう考えるといい気味です。

 きっとここには二度と顔を出せないでしょう。


 それとエーテルを正式に売り出しました。

 これが飛ぶようにというか、素材もないのに即日完売しました。

 だからこれは儲かると思って……市場素材を買い入れて作ってみたんですが……。


 あれ、なんか違う……。

 鮮度かな、成分濃度かな……効果が薄いです。


 こんな不安定な物はちょっとお売りできません。

 残念……。


 ところでものが売れたということは、商品の補充をしなければならないということです。

 だからまあ、最近ポーション屋のアレクサントとか呼ぶ人がいるんですけど……。


 まあお金もっと欲しいので力の限り、アルケミポーションを作って作って作りまくりました。

 幸いあの迷宮で採集した素材がたんまりとあるので、毎日毎日毎日……ぐーるこんっ。です。


 あーでも、でも錬金術って錬金術のMPを使うようです。

 無くなると釜がうんともすんともいわなくなります。

 なりました。


 ならしばらくはゆっくりと休むことにします。

 MPの消耗は魔法職の宿命らしいですから、こういった休暇も珍しいことではないそうです。


 なにせ釜をかき回す動作が無意識レベルまで染み着いてしまって、寝ぼけたりするとついつい手が動いちゃうくらいだったので……。

 はい、ここは休むべきですね。ヤバいー。


 そんなこんなで、はい。

 アトリエの経営が軌道に乗ってまいりました。

 この追い風を生かして、焦らずコツコツ足場固めをしていきたいと思います。


 あ、人造妖精ホムンクルスについてですけど、短命なパターンとかはやっぱダメです。

 不老不死のかわいい女の子。ってところまでは固まってるんですけど、うーん……。


 等身大か、フェアリーサイズか、幼児サイズも捨てがたいので悩んでます。

 

 じゃあ逆にそう、巨人サイズとか……。

 あ、ダメです。ダメだけど別なの思いつきました。


 ゴーレムとかも作ってみたいなぁ……とか。


 奇跡のスーパー錬金術ならきっといけるはずです。

 何でも作れるはずです。


 ……うん、信じる心が、大事。


挿絵(By みてみん)

イラスト:シーさん

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