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クラスメイトの王子様系女子をナンパから助けたら。  作者: 桜庭かなめ
特別編3

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エピローグ『元気になったよ!』

 8月6日、火曜日。

 今日は午前11時から、洲中駅の南口前にあるゾソールという喫茶店のチェーン店でバイトをしている。午後5時までのシフトの予定だ。

 また、今日は午後に千弦が来てくれることになっている。バイトに行く前に千弦から、


『一晩寝たらすっかり元気になったよ! 午後にゾソールに行くね!』


 とメッセージをくれたのだ。千弦が元気になって本当に良かった。千弦が来てくれることになったし、今日はバイトをとても頑張れそうだ。

 今日もよく晴れているので、たくさんのお客様が来店される。外が暑いのもあり、涼しい店内でゆっくりされるお客様もいて。中には何度か飲み物を注文しに来て長時間滞在されているお客様もいる。

 カウンターに立った直後から、たくさんのお客様に接客していく。大変さもあるけど、接客の仕事が続くので時間の進みは早い。

 何度か休憩を挟んで、午後3時半頃、


「お疲れ様、洋平君! 来たよ」


 千弦が来店してくれた。ジーンズパンツにノースリーブの縦ニットという涼しげな服装がとてもよく似合っていて可愛いな。千弦が来てくれたおかげで、これまでのバイトの疲れが少し取れた気がする。

 今はお客様の数が少し落ち着いているので、千弦と話しても大丈夫そうかな。


「ありがとう、千弦。千弦が元気になって良かったよ」

「うんっ! 洋平君がお見舞いデートに来てくれたおかげもあってすっかり元気になったよ! 改めて、昨日はありがとう!」


 千弦は満面の笑顔でお礼を言ってくれた。その姿を見て、千弦は本当に元気になったのだと実感する。とても嬉しい。


「いえいえ。昨日は千弦と一緒にいられて楽しかったよ。千弦が元気になって、今日はここで千弦と会えて嬉しい」

「ふふっ。私もバイト中の洋平君に会いに行けて嬉しいよ」

「そうか。……あと、今日の服装も似合ってるな。可愛いよ」

「ありがとう」


 えへへっ、と千弦は声に出して笑う。その反応がとても可愛らしい。


「じゃあ、そろそろ注文するね」

「ああ。……いらっしゃいませ。店内でのご利用ですか?」

「はい、店内で」

「店内ですね。ご注文をお伺いします」

「アイスコーヒーのSサイズを一つと、ベイクドチーズケーキを一つお願いします」

「アイスコーヒーのSサイズをお一つと、ベイクドチーズケーキをお一つですね。コーヒーにガムシロップやミルクはお付けしますか?」

「ガムシロップを一つお願いします」

「ガムシロップをお一つですね。かしこまりました。以上でよろしいでしょうか」

「はい」

「合計で600円になります」


 その後、千弦から600円ちょうどを受け取ったので、レシートを千弦に手渡した。

 千弦から注文されたアイスコーヒーのSサイズと、ベイクドチーズケーキを用意する。それらとガムシロップ、ストロー、フォークをトレーに乗せていく。


「お待たせしました。アイスコーヒーのSサイズとベイクドチーズケーキになります」


 そう言い、俺は千弦にトレーを手渡す。


「ありがとう、洋平君。……確か、今日のバイトは午後5時までなんだよね」

「ああ、そうだよ」

「分かった。じゃあ、バイトが終わるまで店内でゆっくりしてるね」

「了解。バイトが終わったらメッセージを送るよ」

「うんっ。残りのバイトを頑張ってね」

「ありがとう。……ごゆっくり」


 俺がそう言うと、千弦はニコッと笑って俺に小さく手を振り、カウンター席がある方へと向かう。

 カウンターに一番近い空席に座ると、千弦はアイスコーヒーにガムシロップを入れてさっそく飲む。美味しいのか千弦はいい笑顔に。可愛いなぁ。

 コーヒーを飲んだ後、千弦はベイクドチーズケーキを一口食べる。これも美味しいのか千弦はもっといい笑顔に。本当に可愛いなぁ。

 千弦が元気になって、千弦の可愛い笑顔を店内で見られて嬉しい限りだ。

 俺は残りのバイトを頑張っていく。たまに、千弦の姿を見て癒やされながら。

 千弦はコーヒーやケーキを飲みながら、文庫本を読んでいる。今は私服姿なのもあって制服姿のときよりも大人っぽく感じられて素敵だ。

 千弦が店内にいるのもあり、千弦が来る前以上に時間の進みが早く感じられた。

 シフト通りに午後5時にバイトが終わり、俺はカウンターから離れる。

 更衣室でバイトの制服から私服に着替える際に、千弦にバイトが終わった旨のメッセージを送った。すると、千弦から従業員用の出入口の近くで待っているという。

 私服に着替え、休憩室にいるスタッフの方々に挨拶をして、俺は従業員用の出入口からお店の外に出た。そこには千弦がおり、千弦は笑顔で俺に向かって手を振ってくれた。


「洋平君、バイトお疲れ様」

「ありがとう、千弦。千弦が来てくれたおかげで、バイトが終わるまであっという間だった」

「それは良かった」


 ふふっ、と千弦は声に出して楽しそうに笑う。


「洋平君。お疲れ様のキスをしてもいい?」

「もちろんさ。嬉しいな。お願いするよ」

「うんっ」


 千弦は笑顔で返事をすると、俺のことを抱きしめてお疲れ様のキスをしてくれる。

 これまでにたくさん千弦とキスしてきたし、今のようにバイトから上がったタイミングでキスしたこともある。ただ、千弦が昨日体調を崩して、そこから元気になって会いに来てくれたのもあり、今のキスは特別感があって。だから、本当にいいなって思えるし、幸せに感じる。そういったことを思いながら、俺も千弦のことを抱きしめる。

 暑い屋外だけど、千弦から伝わってくる温もりはとても心地良くて。キスしているのもあって、バイトの疲れが取れていく。

 少しして、千弦から唇を離した。目の前には千弦が頬をほんのりと赤らめながらも、俺に可愛い笑顔を向けてくれている。そのことにもまた幸せに感じる。


「今日も洋平君とキスできて幸せです」

「俺も幸せだよ。元気になった千弦とここでキスできて。ありがとう」

「いえいえ。こちらこそありがとう」


 そうお礼を言うと、千弦の笑顔が嬉しいものに変わって。

 千弦が元気になって本当に良かった。千弦の嬉しそうな笑顔を見ながらそう思った。




特別編3 おわり

これにて、この特別編は終わりです。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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