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覚悟

「……いや、それは……そこまでは、考えていなかったというか……」


 俺の言葉に、ミリアの表情がわずかに曇る。

 ……って、えっ? 

 本気で、彼女は俺にその身を捧げるつもりだったのか?


 今現在、買い物の途中で一度アパートに帰ってきている。

 時刻はすでに夕方、ミリアの新生活にすぐ必要なものはだいたい買いそろえて、あとは彼女の寝床の問題だけだったのだが……。


「……ミリア、その……いや、俺は君と一緒に寝るのは全然構わないし、正直、それを願ってもいた。けど、君はその意味をどれだけ知っている?」


「……知識としてしか知りませんが、その……一つのベッドで裸で抱き合って、一つになるっていうことぐらいは……」


 顔を赤らめてそう話す超絶美少女。

 むちゃくちゃ可愛いが、だからこそ、そのセリフを言わせるだけで軽く罪悪感を覚えてしまう。


「えっと……ということは、その経験はあるんだな?」


「いいえ……今言ったとおり、知識として知っているだけです。先輩や同僚はみんな、もう何人もの男性と経験があって、いろいろ詳しく教えてくれて……」


 ミリアは、未経験者……なのか?


「……だとすれば、俺なんかとそんな関係になって、後悔するとは思っていないのか?」


「そんな、後悔なんて……それに、私、その……周りから見れば遅れていて……同じぐらいの歳の子でも、みんなもう経験済みで……演技の先生からも、色っぽさが足りないのは男性経験がまだまだ不足しているからって言われる始末で……」


 ……なるほど、俺たちが元居た世界ではどうか分からないが、こちらでは、女優というのは恋愛を重ね、男性と肉体的な経験も積んで初めて、色っぽさを表現できるようになるのか……。


 なにか理屈がおかしいような気もするが、元の世界でも、体当たりのラブシーンを演じてこそ女優が一回り成長する、みたいな話を聞いたことがある気がする。


 ミリアの言うことがウソでないならば、彼女はまだ処女で有り、それが故に色気を出し切れていないということになる……まあ、それは理解できなくもないか……。


 しかし、だからといって、本当の親子と同じぐらい歳の離れている俺なんかに、それを捧げてしまっていいのだろうか……。


「……だから、いいんです。私のためにお金を使い、戦いもしてくれた。そして今回、住む場所まで提供してくれる。本当に、神様のようなお方なのです」


 まるで心を読んだかのように、彼女は自分の覚悟を告げてくれた。……どうやら、彼女の決意は、本物だと思って間違いなさそうだった――。

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